マーケットの関心はFOMCに集中へ
<9月:米国の主要スケジュール>
(日本時間)
・9/1: 米国雇用統計、ISM製造業景気指数
・9/4:米国市場休場(レーバーデー)
・9/6:ISM非製造業景気指数
・9/13:消費者物価指数(CPI)
・9/14:生産者物価指数(PPI)・9/15:ニューヨーク連銀製造業景気指数
・9/19:FOMC(連邦公開市場委員会)20日まで
・9/20:政策金利発表、パウエルFRB議長会見
・9/28:実質国内総生産(GDP)確報値・9/29:個人所得・個人支出(PCE)
8月のNYダウは3カ月ぶりの下落となりました。大手格付け会社による米国債の格下げに続いて、米銀の格下げや、中国不動産開発大手「中国恒大集団」が米連邦破産法15条の適用を申請し、中国リスク(中国経済失速)に対する警戒感が台頭しました。また、長期金利の高止まりを嫌気してハイテク株比率の高いナスダック総合指数も下落しました。
9月の米国市場は19日、20日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)に注目。追加利上げの有無に加えて、利上げ打ち止め感が出るかなどにマーケットの関心が向かいそうです。政策金利の決定において影響度の大きい経済指標として、1日の米国雇用統計や13日の消費者物価指数(CPI)にマーケットの注目度が高まることが予想されます。こうした経済指標の発表に一喜一憂する展開がFOMCまで続くことになりそうです。
一方、FOMC通過後の9月下旬は、ボラティリティ(変動率)が高まることも想定されます。このほか、インドのニューデリーでG20サミットが9日から10日の日程で開催され、19日からは国連総会が開幕します。基本的に相場にとっては中立材料ですが、米中関係の悪化やウクライナ問題でロシアと西側諸国の対立が強まることになれば、株式市場の不安定材料ともなる懸念があります。
メジャーSQと日銀金融政策決定会合が相場の節目に
<9月:日本の主要スケジュール>
・9/8:実質国内総生産(GDP)改定値、メジャーSQ
・9/18:日本市場休場(敬老の日)
・9/21:日銀金融政策決定会合(22日まで)
・9/22:全国消費者物価指数(CPI)、日銀総裁会見
・9/27:7月27、28日の金融政策決定会合議事要旨
・9/29:東京都区部消費者物価指数(生鮮食料品除く)
8月の日経平均株価は3万3,000円台から3万1,000円台に下落しました。月間では2カ月連続のマイナスとなりました。米国株安や半導体関連株の下落などが影響しました。
9月の日本市場は引き続き、米国市場の動向をにらんで神経質な展開となりそうです。国内要因としては、8日のメジャーSQ(特別清算指数)が9月前半の焦点です。また、米国のFOMC後に開催される日銀金融政策決定会合の内容にも関心が向かうことになるでしょう。現状では、金融政策の変更は想定されていないものの、為替相場の変動に影響を与える可能性があります。
このメジャーSQと日銀金融政策決定会合が相場のポイントとなり、株価動向を左右すると見込まれます。このほか、上旬には日経平均採用銘柄の入れ替えが発表される見込みで、需給面での波乱要因ともなりそうです。
主力株の大幅株式分割が目立つ
一方、9月末は3月期決算企業の第2四半期(中間)配当や株式分割、株主優待の権利取りの動きが、相場の下支え要因として働く期待があります。9月は27日が権利付き最終売買日、28日が権利落ち日です。また、主力銘柄で大幅な株式分割が多いことも特徴です。
アドバンテスト(6857)、デンソー(6902)、ローム(6963)が1対4、村田製作所(6981)、本田技研工業(7267)が1対3の株式分割を実施します。ロームを除けば、いずれも日経平均採用銘柄ですが、ロームは日経平均構成銘柄の新規採用候補としてもマーケットでは注目されている銘柄です。
記事作成日:2023年8月20日