生成AIブームは続く?米半導体5社の動向

生成AIブームは続く?米半導体5社の動向

目次

生成AI市場は約20倍に急成長へ

AI向け半導体の需要増加で恩恵を受ける企業は?

懸念材料は米国政府による対中輸出規制の強化

インテルやAMDなどPC向けメーカーは?

新たな産業革命と言われるAIブームは続く?

生成AI市場は約20倍に急成長へ

産業の米」と呼ばれる半導体は、パソコン(PC)やスマートフォン、ゲームに始まり、医療機器や自動車、さらには戦闘機やミサイルなどの防衛装備品にまで、幅広く使われています。特に、近年ではAI(人工知能)向けの半導体需要が急激に増加しています。

 

電子情報技術産業協会の「生成AI市場の世界需要額見通し 」によると、世界の生成AI市場の需要は2023年の106億ドルから、2030年には2,110億ドルと、約20倍に急成長すると見込まれています。

 

さらに、生成AIの利活用分野は今後、より一層広がっていくことが予測され、特に伸長が著しいと見込まれるのが製造分野で、年平均54.6%で成長し、2030年には507億ドルへと拡大する見通しです。ほかにも金融や公共、通信・放送分野などにおいて、作業の効率化や創作活動の拡大などで利活用が広がると予想しています。

  

 

AI向け半導体の需要増加で恩恵を受ける企業は?

需要拡大が続くエヌビディア

AI向け半導体需要の追い風に乗り、業績拡大株価上昇が続いているのが米国半導体大手のエヌビディア<NVDA>です。画像処理用半導体である同社のGPU(画像処理装置)は、AI開発に必要なディープラーニングで使われたことが起爆剤となり、ロボットや自動運転車などでも需要拡大が続いています。

 

3月18日に開幕した年次開発者会議「GTC2024」では、AI向け旗艦チップ「ブラックウェルB200 」が発表されました。同チップは、従来製品より最大30倍高速になっています。なお、エヌビディアの第1四半期決算は5月22日に発表される予定で、結果が注目されます。

 

AIのインフラ製品を提供するブロードコム

ブロードコム<AVGO>は、主に通信機器用の半導体デバイスの開発、設計、販売を行っていますが、AI関連ではネットワーキング・コンポーネント(ネットワークへの接続に必要なソフトウェア)で主導的な地位を占めています。また、グーグルクラウドと提携してAIを活用した次世代のサイバーセキュリティの強化を行うなど、グーグルやメタ・プラットフォームズなどにAIのインフラ製品を提供しています。

 

第1四半期 (2023年11~2024年1月)決算では、AI関連売上高は23億ドルと、前年同期比で約4倍増加しました。今年の年間売上高の5分の1弱は、AI関連から得られると予想しています。

 

AI向け半導体メモリが好調のマイクロン・テクノロジー

AI関連の半導体としては、GPUにばかり注目が集まっていますが、マイクロン・テクノロジー<MU>の「広帯域メモリ(HBM)」は、複雑なAIアプリケーション開発を可能にする最先端の半導体メモリとして需要が高まっています。同社では、HBM の2024年分は完売しており、25年供給分の大半はすでに割り当て済みだと説明しています。

 

懸念材料は米国政府による対中輸出規制の強化

AI向け半導体は需要の増大を背景に好調に推移していますが、懸念材料がないわけではありません。

 

もっとも懸念されるのは、米国政府が進めている対中輸出規制の強化でしょう。現在の規制はAI半導体などのハードウェアを対象としており、各社とも規制強化に直面しています。ただ、中国以外での需要が順調なことで、いまのところ売上高に大きな影響は出てはいません。しかし、今後、規制の対象がAIアルゴリズムやディープラーニングなどのソフトウェアに拡大される可能性もあり、予断を許さない状況です。

 

  

インテルやAMDなどPC向けメーカーは?

PCを主戦場とするメーカーは苦戦を強いられています。

 

インテル<INTC>と言えば、PC向け半導体の代名詞のような存在ですが、そのCPU(中央演算処理装置)はAI向けには能力不足と言われています。2023年の半導体製造部門 の営業損失は70億ドルとなり、前年の52億ドルから大幅に拡大しました。売上高は189億ドルで、前年の274億9,000万ドルから31%も減少しています。インテルは4月9日にAI向け半導体の新製品を発表しており、巻き返しを狙っています。

 

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>もインテル同様にPC用半導体メーカーですが、AI向け半導体に注力し始めています。ゲーム用にGPUを製造していたことから、データセンターAI向けにGPUの需要が期待されています。4月16日 には、AIに対応したビジネス用ラップトップおよびデスクトップパソコン向け半導体の新製品を発表しています。

  

 

新たな産業革命と言われるAIブームは続く?

AIブームの到来は、新たな産業革命と例えられるほどで、しばらくこのブームは続くものと思われます。一方、PCやスマートフォンについては、販売不振から半導体需要の減少が指摘されていますが、新型コロナによって止まっていたPCの買い替え需要が復活するとの見方もあります。また、スマートフォン向け半導体需要は、アップル<AAPL>の新商品の売れ行きが大きく影響するため、その動向も注目されます。

 

 

記事作成日:2024年4月19日

公開日:2024.4.23

資産運用ノウハウ

シェアする
FacebookXnote

金融商品取引法に基づく表示事項

●本資料をお客様にご提供する金融商品取引業者名等
商号等:PayPay証券株式会社 https://www.paypay-sec.co.jp
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2883号
加入協会:日本証券業協会
指定紛争解決機関:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
●リスク・手数料相当額等について
証券取引は、株価(価格)の変動等、為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化や、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために元本損失が生じることがあります。
お取引にあたっては、「契約締結前交付書面」等を必ずご覧いただき、
「リスク・手数料相当額等(https://www.paypay-sec.co.jp/service/cost/cost.html)」について内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任によりお取引ください。

免責事項等
●本資料は、投資判断の参考となる情報の提供を目的とし、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断で行ってください。
●本資料は、信頼できると考えられる情報源に基づいて作成されたものですが、基にした情報や見解の正確性、完全性、適時性などを保証するものではありません。本資料に記載された内容は、資料作成日におけるものであり、予告なく変更する場合があります。
●本資料に基づき行った投資の結果、何らかの損害が発生した場合でも、理由の如何を問わず、PayPay証券株式会社は一切の責任を負いません。
●電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、無断で本資料の一部または全部の複製、転載、転送等は行わないでください。