米国株
大統領選挙後は、年末高ムードの台頭に期待
10月のNYダウは、年内の追加利下げ期待と米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待を背景に上昇、史上最高値となる4万3,000ドル台に乗せました。
また、S&P500も史上最高値を更新、ナスダック総合指数は3カ月連続での上昇となり、半導体最大手のエヌビディア<NVDA>は6月の上場来最高値を更新しています。
11月のNYダウは、5日に大統領選挙というビッグイベントを控えています。民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ候補のいずれが勝利しても、先行き不透明感が払しょくされる可能性があります。
ちなみに、前回の2020年、前々回の2016年ともにNYダウは、大統領選挙から年末まで上昇しています。
一方、大統領選挙直後の7日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の最終日にあたります。大幅な追加利下げ期待は後退し、利下げ見送りの可能性も一部で観測され、短期的な波乱要因となる可能性があります。
なお、年内最後のFOMCは12月17~18日で、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)といった重要経済指標が注目されることになりそうです。
一方、主力の企業決算は10月でほぼ一巡していますが、11月20日のエヌビディアの2024年8-10月期(第3四半期)決算の注目度は高く、月後半の半導体、ハイテク株物色の動向に影響を与えそうです。
このほか、11月28日は感謝祭(サンクスギビング)で米国市場は休場となりますが、この前後からクリスマス商戦の動向が話題に上ることが多くなります。年末に向け株式市場のムードが明るくなる特徴もあります。
参考銘柄:クリスマス商戦で注目の小売り/消費関連
米国では、感謝祭翌日の金曜日(ブラックフライデー)から本格的なクリスマス商戦に突入します。小売りや消費関連企業の稼ぎ時でもあることから、クリスマス商戦の好調がメディアなどで伝えられれば、関連企業の株価も反応する傾向があります。
参考銘柄 | 株価(ドル) |
---|---|
アップル | 233.4 |
アマゾン・ドット・コム | 188.39 |
コストコ・ホールセール | 890.96 |
ホームデポ | 402.89 |
ウォルマート | 82.75 |
※2024年10月28日時点
<11月:米国の主要スケジュール>
・11/1:米国雇用統計、ISM製造業景況指数、購買担当者景気指数(製造業PMI)確報値
・11/3:米国冬時間入り
・11/5:米大統領選挙、ISM非製造業景気指数
・11/6:FOMC(連邦公開市場委員会/7日まで)、購買担当者景気指数(非製造業PMI)確報値
・11/8: 政策金利発表、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見
・11/13:消費者物価指数(CPI)
・11/14:生産者物価指数(PPI)
・11/22:購買担当者景気指数(製造業および非製造業PMI)速報値
・11/27:FOMC議事録(11月開催分)
・11/28:米国市場休場(感謝祭)
日本株
日経平均の上昇確率が高い11月
10月の日経平均株価は4カ月ぶりに上昇に転じて、39,000円ラインを挟んだもみあい展開となりました。1日に石破茂新政権が発足し、9日には衆議院が解散され、27日に衆議院選挙投開票と政治が大きく動く中、日経平均は月中旬には一時7月以来となる40,000円大台を回復する場面もありました。
しかし、その後は選挙結果に対する警戒感も意識されました。一方、10月30~31日の日銀金融政策決定会合を通過すれば、目先の波乱要素が消化される展開となります。なお、次回の日銀金融政策決定会合は12月18~19日です。
11月の日経平均は、3月期決算企業の第2四半期(4-9月)決算発表が一巡し、年末にかけて海外ファンドや機関投資家などが積極的に投資を行う傾向にあることから、好業績銘柄を中心に上昇トレンドとなりやすい時期です。特に11月の最終週は、年末年始相場への期待感から上昇期待が高まる時期となります。
ちなみに、日経平均は2022年、2023年と11月相場はいずれも上昇し、過去16年でみると12勝4敗と、12月とともに年間で最も上昇確率が高い月となっています。
ただ、今年の場合、来年6~7月に参議院選挙を控える日本の政局や米国の大統領選挙の結果を受けて、日米政治動向が株式市場にも影響を与えそうです。
日経平均の上昇のカギを握るのは、やはり14日で一巡する3月期決算企業の業績動向でしょう。為替の水準、米国を中心とする世界景気、年後半から回復期待がある半導体需要を企業がどう捉えているかがポイントです。
また、日本の選挙結果を受けて、政策にらみのテーマ株物色も高まる可能性があります。生成AI(人工知能)、データセンター、防災などが候補として注目される可能性があります。
参考銘柄:AIで需要高まるデータセンター関連
今年の春先には、米国企業による日本へのデータセンター拡充のための巨額投資が次々と発表されました。生成AIに対応するデータセンターは、今後、日本でも新設が相次ぐこととなりそうです。特に目新しいテーマではありませんが、引き続き要注目の分野です。
参考銘柄 | 株価(円) |
---|---|
SUMCO | 1,480 |
ニデック | 3,184 |
日本電気 | 13,555 |
富士通 | 2,974.5 |
日東電工 | 2,507 |
日本電信電話 | 147.4 |
※2024年10月29日時点
<11月:日本の主要スケジュール>
・11/4:日本株市場休場(文化の日 振替休日)
・11/5:東証の取引時間が15時30分までに延長
・11/6:金融政策決定会合議事要旨(9月開催分)
・11/8:全世帯家計調査、景気先行指数速報
・11/11: 10月景気ウォッチャー調査、金融政策決定会合の「主な意見」(10月開催分)
・11/18:G20サミット(リオデジャネイロ/19日まで)
・11/22:全国消費者物価指数
・11/29:東京都消費者物価指数
記事作成日:2024年10月29日