💡この記事のポイント
✅チャートは世界中の人々が利用している
✅ローソク足で値動きが一目でわかる
✅十字線が出たら株価反転?
✅長期のチャートでトレンドを確認しよう
チャートで株価を分析してみよう
株式投資でよく目にするのが「株価チャート」です。チャートは、過去の株価の値動きなどを示したものですが、これを多くの投資家が見て、現在の株価水準や将来の株価動向を考える上での参考にしています。
これは株式に限らず為替でも金(ゴールド)でもビットコインでも同じで、チャートはあらゆるマーケットで重宝されている情報ツールです。とても便利なので世界中の人々が利用しています。
チャートから株価の値動きを分析する手法を「テクニカル分析」と呼びます。一方、国の経済動向や企業業績から分析する手法を「ファンダメンタルズ分析」と呼びます。テクニカル分析にはさまざまな手法が存在しますが、今回は入り口として覚えていきたい「キホンのキ」をご紹介します。
ローソク足とは?
日本の投資家にもっともポピュラーなのが、「ローソク足」で構成されたチャートです。1本のローソク足には、始値、終値、高値、安値の株価が示されています。ローソク本体の色は一般的に白と黒の2種類が存在し、
・白色のローソクは始値より終値が高い場合 → 陽線
・黒色のローソクは始値より終値が低い場合 → 陰線
を示しています。
白色のローソクを「陽線(ようせん)」、黒色のローソクを「陰線(いんせん)」と呼び、陽線が長いほど株価は大きく上昇していて相場の勢いが強く、陰線が長いほど株価は大きく下落していて勢いが弱いとされます。
なお、2024年10月には、11営業日連続で日経平均株価が陰線をつける場面がありました。
ローソク足チャートは、赤と青など異なる色で示される場合もあります。ちなみにローソク足は、18世紀の日本の米相場で考案されたものと言われています。
ローソク足の上下には、細い線が描かれることがあります。これは高値と安値を示すもので「ヒゲ」と呼ばれます。ローソク足の上側に伸びる「上ヒゲ」の長さが長いほど投資家の売り圧力が強く、株価が上がりづらいと考えられます。一方、下に伸びる「下ヒゲ」は、長いほど買い圧力が強く、底堅いと考えられています。
十字線は投資家の迷いを表す
では、上ヒゲや下ヒゲが長く伸びているのに、始値と終値がほぼ同額の場合にはどうなるのでしょうか?
この場合には、ローソク本体の長さが短くなり、「十字線(十字足)」と呼ばれる形になります。十字線には投資家の迷いが反映されているとされ、株価の値動きが反転するサインと考えられています。また、十字線は陽線で終われば強気、陰線で終われば弱気と見られることもあります。
長期のチャートでトレンド確認を
1本のローソク足が示す期間には、1日の値動きを示す日足のほかに、1週間の動きを示す週足、1カ月間を示す月足などがあります。なお、デイトレードなど短期売買を行う投資家は、さらに短い期間の値動きを示す3分足や5分足を使う場合もあります。
例えば、1日の値動きを示す日足の場合、これが過去数日間に渡って連なることによって、日足チャートが構成されることになります。
基本的に、
・日足チャートは数週間から数カ月間
・週足チャートは数カ月から1年程度
・月足チャートは数年間
の動きを分析するのに使うことになります。
ローソク足の期間が異なるだけで、チャートの形状は大きく変化します。極端な話、日足チャートでは株価が上昇傾向にあるのに、週足チャートで見ると下落途中ということもあります。
ですので、投資初心者であれば、まずは週足チャートで大きなトレンドを知り、日足チャートで買いや売りのタイミングを考えるのが良いでしょう。
プロの投資家の中には、ファンダメンタルズ分析を無視して株価チャートだけで投資判断を行っている人もいます。テクニカル分析の前提として、株価チャートには投資家心理だけではなく、国の経済状況などファンダメンタルズ的な要素も反映されていると考えているからです。特に、トレード期間が短い場合には、企業業績などは今日と明日では大きく変化するわけではないので、テクニカル分析が頼りになります。
どのような分析手法を使って株価を予測するのかは投資家によって異なりますが、株式投資を行うのであれば、株価の過去の動きや現在の水準を把握するためにも、まずはチャートの最低限のキホンは身につけておきたいものです。
記事作成日:2024年12月24日