2025年の日米株の見通しと注目銘柄/テーマとスケジュール

2025年の日米株の見通しと注目銘柄/テーマとスケジュール

目次

日米金融政策と政権運営が波乱要因

円高/円安に左右される株は?

日米株式市場の見通し

注目テーマと注目銘柄

<2025年:米国の主要スケジュール>

<2025年:日本の主要スケジュール>

💡この記事のポイント

✅2025年日米株の見通しと注目銘柄/テーマを解説

✅日米の金利動向やトランプ新政権が波乱要因

✅注目の投資テーマは半導体、生成AI、セキュリティ、暗号資産など


 

 

日米金融政策と政権運営が波乱要因

2025年の日米の株式市場は、堅調な業績を背景に株価上昇が期待できそうですが、日米ともに金融政策と政権運営が波乱要因になりそうです。

 

金融政策では、米国が利下げへ向かう一方で、日本は利上げ方向にあります。金融政策の実施状況によっては、これまでの一方的な円安ドル高に歯止めがかかるなど、為替市場が大きく変動する可能性もありそうです。

 

日本では自民党・公明党の連立政権が2024年10月の衆議院選挙で大幅に議席を減らしました。衆議院議席数で過半数割れとなって少数与党に転落したことで、石破茂政権の政策運営が難しくなりそうです。

 

米国では、1月20日に第2次トランプ政権が発足します。2024年11月の大統領選挙で勝利した共和党は、上下両院でも過半数を占める「トリプルレッド」となったことで、トランプ大統領が打ち出している保護主義的な政策が今後、米国経済、世界経済にどのような影響を与えるのか不透明な状況です。

 

円高/円安に左右される株は?

国内では、日銀が2024年7月に金融政策を転換し、利上げを実施しました。市場の最終的な政策金利の予想は1%が有力ですので、日銀は2025年に2~3回の利上げを実施する可能性があります。

 

一方、米国では、2024年9月から3会合連続で利下げを実施しました。早期の利下げ実施により、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の2025年の利下げ想定回数は2回となっており、米国では2025年も利下げが実施される可能性が高まっています。

 

これまで為替市場での円安ドル高進行の大きな要因として、日米の金利差がありましたが、今後は「日本の利上げ」「米国の利下げ」により、日米の金利差が縮まっていくと見られ、為替市場の変動要因となりそうです。

 

為替の変動は国内企業の業績にも大きな影響を与えます。例えば、海外輸出額が大きなトヨタ自動車<7203>は、1円の円高で年間約500億円の営業減益になると言われています。

 

一方、海外で製品を生産し、国内で販売しているニトリホールディングス<9843>にとっては、円高は業績を押し上げる要因となります。

 

日米株式市場の見通し

さて、米国では第2次トランプ政権の政策運営が注目されています。トランプ大統領は、中国のみならず他国に対しても関税の強化を打ち出すなど、非常に強い保護主義的な政策を掲げています。

 

これらがどの程度実現するのかといった点でも、米国のみならず世界経済への影響は不透明な状況です。ただ、トランプ大統領も金融緩和策を支持しており、米国経済は金融緩和を背景に堅調に推移すると予想され、株価の上昇も期待できそうです。

 

日本では自民党・公明党の連立政権が少数与党に転落しましたが、日本経済は緩やかな成長が見込まれます。名目GDP(国内総生産)は2024年に戦後最大となる600兆円の大台に達しており、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、2025年の日本経済は名目ベースで年率1.1%の成長を続けると予想されています。

 

企業が利益のうち賃金に回した割合を示す労働分配率にはまだまだ余力があり、2025年も賃上げが進むと見られます。所得の上昇が消費の活性化に結び付き、企業の業績を押し上げるという経済の好循環が続くと考えられ、株価の上昇が期待できそうです。また、今年もNISA(少額投資非課税制度)などによる個人資金の株式市場への資金流入も続きそうです。

 

注目テーマと注目銘柄

2024年相場で物色テーマの中心的存在だった「半導体」は、引き続き2025年も有力なテーマとなりそうです。これまでは、半導体大手のエヌビディア<NVDA>の好業績が米国の株式市場をけん引してきましたが、今後はエヌビディアだけではなく、AI(人工知能)カスタム半導体ブロードコム<AVGO>やマーベル・テクノロジー<MRVL>などその他の半導体関連企業にも物色の矛先が向かいそうです。

これら米国の半導体関連株の動向を受けて、日本の東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>なども左右されそうです。

 

背景には、生成AIの拡大があります。新しいサービスでの活用だけでなく、人手不足問題を抱える企業、あるいは賃上げによる人件費の抑制をはかるために、生成AIの活用が増えていくと思われます。

パランティア・テクノロジーズ<PLTR>やセールスフォース<CRM>などのソフトウェア株や、ネクステラ・エナジー<NEE>、ヴィストラ<VST>、コンステレーション・エナジー<CEG>などの電力株NTTデータグループ<9613>などのデータセンター関連株など、AI周辺銘柄も注目されます。

 

トランプ政権の規制緩和で自動運転車ロボタクシーの進展が期待されるテスラ<TSLA>、トヨタ自動車<7203>、同様に暗号資産(仮想通貨)も規制緩和で価格上昇だけでなく利用や新商品の拡大も期待されることからコインベース・グローバル<COIN>、ロビンフッド・マーケッツ<HOOD>、チャールズ・シュワブ<SCHW>なども引き続き注目されそうです。

 

他にもロボット関連ファナック <6954>、安川電機<6506>、インテュイティブ・サージカル<ISRG>、防衛関連パランティア・テクノロジーズ<PLTR>、ロッキード・マーチン<LMT>、ボーイング<BA>、三菱重工業<7011>、IHI<7013>、サイバーセキュリティ関連クラウドフレア<NET>、パロアルト・ネットワークス<PANW>、クラウドストライク・ホールディングス<CRWD>などテーマは豊富です。

 

その他、2025年10月14日でマイクロソフト<MSFT>の「Windows10」のサポートが終了することで、OSの更新やPCの買い換えなど新たな需要の発生も見込めそうです。

 

<2025年:米国の主要スケジュール>

・1月:FOMC(28~29日)、トランプ大統領就任式(20日)

・3月:FOMC(18~19日)

・5月:FOMC(6~7日)

・6月:FOMC(17~18日)

・7月:FOMC(29~30日)

・8月:ジャクソンホール金融シンポジウム(下旬)

・9月:FOMC(16~17日)

・10月:FOMC(28~29日)

・12月:FOMC(9~10日)

 

<2025年:日本の主要スケジュール>

・1月:日銀金融政策決定会合(23~24日)、経済・物価情勢の展望(24日)

・3月:日銀金融政策決定会合(18~19日)

・4月:日銀金融政策決定会合(30~5月1日)、大阪万博(13日~10月13日)

・5月:経済・物価情勢の展望(1日)

・6月:日銀金融政策決定会合(16~17日)

・7月:日銀金融政策決定会合(30~31日)、経済・物価情勢の展望(31日)、参議院議員任期満了(28日)

・9月:日銀金融政策決定会合(18~19日)

・10月:日銀金融政策決定会合(29~30日)、経済・物価情勢の展望(30日)

・12月:日銀金融政策決定会合(18~19日)

 

記事作成日:2025年1月6日

公開日:2025.1.5

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