辰年は上がりやすい?
株式市場には干支に関する相場格言があります。十二支ある中で辰年は「辰巳天井」と言われ、そのままとらえてしまうと「天井」という言葉に不安を覚えるかもしれません。実際にはどのような意味が込められているのか解説していきたいと思います。
ちなみに干支の相場格言は以下の通り。
辰巳天井の意味は?
天井とつくと、普通に考えてこの間に高値をつけるのでは?と考えるでしょう。人によって解釈が分かれるので、干支の相場格言についてはこれが正しい!という答えを出すのは難しいところです。ただ、市場では辰年は上がる、高値圏で推移するといったように捉えられているようです。ちなみに、ことわざ辞典によると大阪の米相場師の間で辰巳は相場が高騰すると言われていたとのこと。
辰(竜)は空に向かって飛翔していく、脱皮する巳(蛇)は新しいことが始まる年、とどちらも縁起がよさそうですね。一方、午(馬)は方向が変わるといった意味があるようで、その通りにとらえれば空を飛んで(相場上昇)して新しいことが始まった後(天井を打つ)方向が下がる(相場が下がる)といったように考えられるかもしれません。なお、筆者の勝手なイメージなので根拠はありません。
辰年に起こった出来事
辰年に限らず、毎年何かしらの大きな出来事があります。そのような中で相場の変動性(ボラティリティ)も高いと言われる辰年、過去にどのような出来事があったのか、さかのぼってみましょう。
全部は載せきれませんが、上の一覧を見ると辰年から巳年にかけて相場に大きな影響があった出来事が多いことが分かります。1990年からバブル崩壊により株価が暴落しており、まさに文字通りの辰巳天井となりました。ITバブル期は2000年4月に日経平均が高値をつけ、2003年4月まで暴落が続いています。二度あることは三度あると言いますし、2024年は一体どうなるのでしょうか。
ちなみに12年で一周するため、辰年は4年ごとに行われる米国の大統領選挙とも重なります。ボラティリティが高くなると言われる理由の一つがこのイベントです。辰年ではありませんが、2016年に行われた大統領選挙ではヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏が激戦を繰り広げ、日経平均が乱高下するような時期もありました。世界最大の経済国である米国の大統領選となると、2024年も株式市場に大きな影響があるかもしれません。
過去の騰落率は
最後に、過去の日経平均株価の年間騰落率(その年の終値と前年終値の比較)を見てみましょう。データ取得の都合上、1952年以降が対象です。
※各種データを基にDZHフィナンシャルリサーチが作成
対象期間のうちに干支が6週しました。
この結果を見てみると
辰年:5勝1敗 最大118.3%、最低-27.2%
巳年:4勝2敗 最大56.7%、最低-23.5%
午年:3勝3敗 最大23.4%、最低-38.7%
といった感じになりました。確かに辰年は過去の実績だと勝ちやすいと言えそうです。
2023年の終値は33,464.17円でしたので、少なくとも今年の12月末にこの数値を上回っていれば勝ちです。上がるときもあれば下がるときもあるのが相場ですが、この1年がよい年になることを願うばかりです。
記事作成日:2024年1月11日
(DZHフィナンシャルリサーチ)