SPDRゴールド・シェア<GLD>
◎2024/6/7(金)終値211.60ドル-7.83ドル
◎朝方に発表された米国雇用統計が市場予想を上回る結果となり、外国為替市場でドルが買われたため、ドルと逆相性の強い金への売りが膨らんだようです
◎7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる8月限は前日比65.9ドル安の2,325.0ドルと大幅に反落しました
◎これは米5月雇用統計が労働市場の底堅さや賃金インフレ継続の可能性を示唆する内容となり、米国金利が上昇してドル高に振れたため、金利が付かない金の相対的な投資妙味が薄れたことによるものと見られます
◎米国では昨年7月以降、インフレの一服を背景に利上げを打ち止めして政策金利を5.25~5.5%のレンジで据え置いてきました
◎このところは米国景気に陰りが見え始めてきたため、米大統領選挙前最後の会合である9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われるとの見方が市場で支配的でしたが、今回の雇用統計を受けて、利下げ開始予想が後ずれしたようです
◎米利下げが遅れるとドルの高止まりが想定され、これは金価格の上値を抑えそうだとの予想がこの日の金価格下落につながったと見られます
◎また、中東情勢の悪化などで「有事の金」として足もとで金が選好され、金価格上昇が続いていたため、雇用統計を機に投機筋などから目先の利益確定売りが出た側面もあるかもしれません
◎SPRDゴールド・シェアは4月以降、おおむね210~225ドルの高値もみ合いとなっていますが、この日はレンジの下限付近まで弱含みました