NY見通し-今週は4月CPIに注目 パウエルFRB議長などの要人発言も多数予定
今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が2.16%高と4週続伸し、S&P500が1.85%高、ナスダック総合も1.14%高とともに3週続伸した。前週にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利上げの可能性を否定したことや前週末の米4月雇用統計が弱い結果となったことで利下げ期待が再び高まる中、ハマスがイスラエルとの休戦案の受け入れを表明したことが追い風となり週明けから上昇してスタートした。その後は翌週の4月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見姿勢が強まったものの、新規失業保険申請件数の悪化などを受けた利下げ期待が下値の支援となり、ダウ平均は週末10日まで8日続伸し、昨年12月以来の長期連騰を記録した。週間でも今年最大の上昇率となった。
今週は物価指標が焦点か。パウエルFRB議長が利上げの可能性を否定し、4月雇用統計も総じて弱い結果となったことで市場では年内2回の利下げ見通しが強まっており、水曜日に発表される4月消費者物価指数(CPI)や火曜日発表の4月生産者物価指数(PPI)がインフレ鈍化を示す結果となれば、利下げ期待の一段の高まりが米国株の追い風となりそうだ。4月CPIの市場予想は前年比+0.4%(前月:+0.4%)、前年比+3.4%(同:3.5%)と前年比で鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.6%とそれぞれ前月の+0.4%、+3.8%から鈍化が予想されている。このほかの経済指標は4月NFIB中小企業楽観度指数(火曜日)、4月小売売上高(水曜日)、4月輸入物価(木曜日)など。また火曜日のパウエルFRB議長講演のほか、ジェファーソンFRB副議長、メスター米クリーブランド連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁などの要人発言も多数予定されている。最終盤を迎えた第1四半期決算発表はホーム・デポ、ウォルマートの消費関連銘柄のほか、シスコ・システムズ、ディア、アプライド・マテリアルズなど。
今晩は米経済指標・イベントはジェファーソンFRB副議長、メスター米クリーブランド連銀総裁発言など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:5月13日、14:00)