今週のNY市場は5月雇用統計に注目。先週はダウ平均が0.98%安と2週続落し、S&P500が0.51%安、ナスダック総合が1.10%安とともに6週ぶりに反落した。週末金曜日に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目する米4月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控え様子見姿勢が強まる中、予想を下回る決算や弱い見通しが嫌気されたセールスフォースが急落したことが重しとなった。ダウ平均は28日から3日続落したが、金曜日に発表された4月PCE価格指数がおおむね予想通りとなったことで反発し、下落幅を縮小して終了した。5月月間ではダウ平均が2.30%高、S&P500が4.80%高、ナスダック総合が6.88%高とそろって反発。昨年11月からの7カ月間で6カ月上昇となった。好決算や強い見通しを発表したエヌビディアが月間で26%高となり、相場をけん引した。
今週は先行きの金融政策の見通しを巡り、週末金曜日に発表される米5月雇用統計などの経済指標に注目が集まるほか、5月の相場をけん引したエヌビディアの株価動向が焦点となりそうだ。5月雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が4月の17.5万人増から18万人増に拡大が見込まれ、失業率は4月から横ばいの3.9%が予想されている。NFPや失業率がおおむね予想通りの結果となれば利下げ期待の継続が相場の支援となることが期待される。このほか、月曜日の5月S&Pグローバル製造業PMI確定値、5月ISM製造業(PMI)、火曜日の4月製造業新規受注、4月JOLTS求人件数、水曜日の5月ADP民間部門雇用者数、5月S&Pグローバル総合・サービス業確定値、5月ISM非製造業PMIなどにも要注目となる。決算発表はヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ダラー・ツリー、ルルレモン・アスレティカ、ブラウン・フォーマン、キャンベル・スープなどS&P500採用の8銘柄が発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは5月S&Pグローバル製造業PMI確定値、5月ISM製造業PMIなど。企業決算は寄り前にEPAMシステムズが発表予定。(執筆:6月3日、14:00)