今晩は5月生産者物価指数(PPI)などの経済指標に注目。昨日はダウ平均が35.21ドル安(-0.09%)とわずかながら2日続落した一方、S&P500が0.85%高、ナスダック総合も1.53%高とともに3日続伸し、そろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。S&P500は終値で初めて5,400ポイント超えとなった。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、メンバーのFF金利見通し(ドットプロット)で利下げ予想が前回の年内3回から1回に後退したが、寄り前に発表された米5月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことで米10年債利回りが低下し、相場を支えた。引け後の動きでは予想を上回る決算や1対10の株式分割を発表したブロードコムが時間外で14%超急伸した。
今晩の取引では引き続き経済指標に注目する展開か。FOMCが市場の早期利下げ期待をけん制する内容となったものの、5月CPIが鈍化したことでCMEのフェドウォッチ・ツールの年内2回の利下げ確率は前日の51%から70%に上昇した。今後発表される経済指標が雇用市場の弱含みやインフレの沈静化を示すものとなれば、利下げ期待や米10年債利回りの低下が引き続き株式相場の支援となりそうだ。アップルが上場来高値を更新し、時価総額が再び3兆ドルを上回るなど上昇モメンタムを回復したことや、昨日引け後に決算を発表したブロードコムが時間外で急伸したことも追い風となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、5月生産者物価指数(PPI)、米30年債入札など。このほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言も予定されている。企業決算は引け後にアドビが発表予定。(執筆:6月13日、14:00)