今週のNY市場は決算発表と経済指標に注目。先週はS&P500が1.97%安と3週ぶりに反落し、ナスダック総合が3.65%安と7週ぶりの大幅反落となった一方、ダウ平均は0.72%高と3週続伸した。一握りのハイテク・ジャイアントから小型株や景気敏感株への資金ローテーションが続き、小型株指数のラッセル2000は1.68%高と2週続伸した。S&P500の11セクターは、エネルギー、不動産、金融、生活必需品など5セクターが上昇した一方、ITが5.14%安となり、コミュニケーション、一般消費財が2%超下落。公益、素材、ヘルスケアも週間で下落した。
今週は米国経済の強さや、インフレの動向を巡り、発表が本格化する企業の第2四半期(4-6月)決算や第2四半期GDP速報値、6月個人消費支出・同個人消費支出(PCE)価格指数などの経済指標に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の約20%が発表予定で、アルファベット、テスラ、コカ・コーラ、ゼネラルモーターズ(GM)、IBM、フォード・モーター、スリーエムなどの決算やガイダンスが注目される。米経済指標では木曜日に4-6月期GDP速報値、金曜日に6月個人消費支出・同個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目するPCE価格指数は5月分の前年比+2.6%から+2.4%に伸びの鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコア指数も+2.6%から+2.5%に低下が予想されている。予想通りにFRBが目標とする2%に向かうトレンドが確認できれば、利下げ期待の高まりが株式市場の追い風となることが期待される。
今晩の米経済指標・イベントは6月シカゴ連銀全米活動指数など。企業決算は寄り前にベライゾン・コミュニケーションズ、IQVIAホールディングス、引け後にNXPセミコンダクターズなどが発表予定。(執筆:7月22日、14:00)