今週のNY市場は決算発表と経済指標に注目。先週はダウ平均が0.75%高と4週続伸し、小型株指数のラッセル2000は3.47%高と大幅に3週続伸した一方、S&P500が0.83%安、ナスダック総合が2.08%安とともに2週続落となった。決算が嫌気されたテスラやアルファベットが大幅安となりハイテク株が軟調に推移した一方、米国経済のソフトランディング期待や米連邦準備理事会(FRB)による年内3回の利下げ見通しを背景に小型株や景気循環株への資金ローテーションが続いた。金曜日に発表された6月個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+2.5%と5月分の+2.6%から伸びが鈍化し、前月比でも+0.1%と予想と一致した。FRBがインフレ指標として注目するPCE価格指数の鈍化を受けて利下げ期待が一段と上昇。CMEのフェド・ウォッチ・ツールの年内3回の利下げ確率は1週間前の52%から66%に上昇した。
今週は発表のピークを迎える第2四半期決算発表や7月雇用統計などの経済指標に注目が集まる。第2四半期決算はS&P500採用の160銘柄以上が発表予定で、火曜日引け後のマイクロソフト、水曜日引け後のメタ・プラットフォームズ、木曜日引け後のアップル、アマゾン・ドット・コムなどのメガキャップの発表が予定されるほか、マクドナルド、スターバックス、ボーイング、クアルコム、アムジェン、インテル、シェブロン、エクソンモービルなど注目企業の発表が続く。経済指標では火曜日に6月JOLTS求人件数、水曜日に7月ADP民間部門雇用者数、木曜日に7月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)、金曜日に7月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、水曜日午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表される。FOMCでは政策金利の据え置きが確実視されているが、市場では9月、11月、12月の3回の利下げ見通しが強まっており、会合後に予定されるパウエルFRB議長の記者会見が注目される。
今晩の米経済指標・イベントは7月ダラス連銀製造業景況指数。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、マクドナルド、引け後にF5ネットワークス、ウェルタワーなどが発表予定。(執筆:7月29日、14:00)