今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が0.60%安と3週ぶりに反落した一方、S&P500が0.96%高と3週続伸し、ナスダック総合は3.34%高と大幅に3週続伸した。12月に入り、年末ラリーへの期待が高まる中、好決算を発表したセールスフォースやマーベル・テクノロジーが急伸し、ハイテク株を中心に相場をけん引した。利下げの見通しを巡り注目された米11月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回った一方、失業率が10月分から悪化。強すぎず、弱すぎない雇用統計を受けてCMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は前日の71%から85%に上昇し、政策金利据え置き確率は15%に低下した。ダウ平均は4日水曜日に取引時間中と終値の史上最高値を更新したが、ユナイテッドヘルス・グループの大幅安が重しとなり、週後半は伸び悩んだ。一方、S&P500とナスダック総合は週末6日も取引時間中と終値の史上最高値を更新して終了した。
今週は12月17-18日開催のFOMCでの利下げ見通しを巡り、水曜日発表の11月消費者物価指数 (CPI)や木曜日発表の11月生産者物価指数 (PPI)が焦点となりそうだ。11月CPIは前月比+0.2%、前年比+2.6%、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.3%と、ともに10月分から横ばいが見込まれているが、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする前年比+2%を上回る水準にある。CPIが予想を上回る伸びとなり、インフレの根強さを示す結果となれば、利下げ期待の後退が株式相場の重しとなりそうだ。決算発表はオラクル(月曜日)や (水曜日)、ブロードコム(木曜日)が発表予定で、先週のセールスフォースなどの好決算を受けたハイテク株買いの流れが継続するか否かに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは11月雇用傾向指数、10月卸売在庫など。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。(執筆:12月9日、14:00)