今週のNY市場は中東情勢と経済指標に注目。先週は主要3指数が高安まちまち。S&P500が0.15%安と小幅に2週続落した一方、ダウ平均が9.03ドル高(+0.02%)とほぼ横ばいとなり、ナスダック総合は0.21%高と反発した。19日木曜日がジューンティーンスの祝日で、4日間の取引だったが、中東情勢や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言などをにらんでもみ合った。FOMCでは予想通り政策金利が据え置かれ、メンバーのFF金利見通し(ドットプロット)では年内2回の利下げ見通しが維持された。しかし、2025年のGDP成長見通しが引き下げられた一方、インフレ見通しが引き上げられたことでスタグフレーションの可能性を示唆する内容となった。パウエルFRB議長は関税による経済の不確実性を強調し、利下げは今後のデータ次第だとする姿勢を維持した。ただ、ウォラーFRB理事が、早ければ7月にも利下げ出来る状況にあると発言したことで早期利下げ期待も高まった。週末の動きでは米国がイランの核関連施設に空爆を行い、イスラエル・イランの紛争に直接的に関与した。
今週は米国のイラン攻撃による中東情勢の緊迫化やそれを受けた原油相場の上昇などでリスク回避が強まる展開か。NY原油先物は23日の時間外で5カ月ぶりの高値となる1バレル78ドル台に上昇しており、原油高によるインフレ圧力の高まりや、イランの報復による中東情勢の一段の緊迫化への警戒感も株式相場の重しとなりそうだ。経済指標では景気動向を巡り5月中古住宅販売件数(月曜日)、6月消費者信頼感指数(火曜日)、1-3月期GDP確報値(木曜日)が注目されるほか、物価動向を巡っては金曜日の5月個人消費支出 (PCE)価格指数や6月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率確報値などに要注目となる。また、火曜日と水曜日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の半期に一度の議会証言もあり、利下げを巡る議長発言が注目される。
今晩の米経済指標・イベントはS&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、5月中古住宅販売件数など。企業決算は寄り前にファクトセット・リサーチなどが発表予定。(執筆:6月23日、14:00)