今週のNY市場は6月雇用統計などの経済指標や貿易交渉に注目。先週はダウ平均が1612.45ドル高(+3.82%)と大幅に2週続伸し、S&P500が3.44%高と3週ぶりに大幅反発。ナスダック総合は4.25%高と大幅に2週続伸した。イランとイスラエルが停戦合意を維持し、中東の地政学リスクへの警戒感が和らぐ中、ラトニック商務長官が米中貿易協定の枠組みが最終決定したと述べたことで貿易交渉の進展期待も追い風となった。ただ、トランプ米大統領がカナダとの貿易交渉を打ち切ったことが嫌気され売りに押される場面もあった。リスク回避姿勢が緩和し、AI関連株の上昇モメンタムが復活。大型ハイテク株で構成されるナスダック100指数は24日から週末27日まで4日連続で過去最高値を更新した。27日はS&P500が4カ月ぶりに史上最高値を更新し、ナスダック総合も半年ぶりに史上最高値を更新した。年初来ではダウ平均が3.00%高、S&P500が4.96%高、ナスダック総合が4.99%高とそろってプラス圏で終了した。
今週は金曜日が独立記念日の祝日で休場、木曜日が短縮取引となるが、6月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)などの注目の米経済指標の発表が多く、雇用や景気動向が焦点となりそうだ。また、貿易問題を巡っては、7月9日に90日間一時停止された「相互関税」の期限を迎えることで、各貿易相手国との交渉の行方にも注目が集まる。木曜日に発表される6月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月の13.9万人増から6月は11.5万人増に減少が見込まれているが、予想を上回る結果となれば安心感が広がりそうだ。このほか、6月ISM製造業PMI、5月JOLTS求人件数(以上火曜日)、6月ADP民間部門雇用者数(水曜日)、新規失業保険申請件数、5月製造業新規受注、6月ISM非製造業PMI(木曜日)などにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは6月シカゴ地区購買部協会景気指数、6月ダラス連銀製造業景況指数など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:6月30日、14:00)