今週のNY市場はトランプ関税、第2四半期決算発表、物価指標に注目。先週はダウ平均が457.02ドル安(-1.02%)と4週ぶりに反落し、S&P500が0.31%安と3週ぶりに反落。ナスダック総合は0.08%安と4週ぶりの小幅反落となった。関税政策の不透明感が意識されたものの、エヌビディアを筆頭にAI関連株が上昇し、木曜日まではおおむね堅調な推移となった。6月下旬に4カ月ぶりに史上最高値を更新したS&P500は10日木曜日に再び史上最高値を更新。ナスダック総合も6月下旬に半年ぶりに史上最高値を更新すると、先週は9日、10日の連日で史上最高値を更新した。しかし、トランプ米大統領が木曜日引け後にカナダからの輸入品に対して35%の関税を8月1日から課すと発表したことで貿易戦争による景気や物価への影響が改めて意識された。金曜日の取引ではダウ平均とS&P500が3日ぶりに反落し、ナスダック総合も4日ぶりに反落。主要3指数がそろって週間で下落となった。週末の動きではトランプ米大統領が欧州連合(EU)とメキシコからの輸入品に対し8月1日から30%の関税を課すと発表した。
今週はトランプ関税の先行き不透明感が引き続き上値の重しとなることが予想される中、最高値圏にある株価の上昇余地をめぐり、企業業績や物価動向が焦点となりそうだ。企業業績を巡っては今週から第2四半期決算発表がスタートする。JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融機関のほか、ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッド・エアラインズ、GEエアロスペース、 ネットフリックス、3MなどS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、関税による景気減速が懸念される中、決算結果や発表される業績見通しが注目される。経済指標では、先行きの利下げ見通しを巡り、火曜日の6月消費者物価指数(CPI)、水曜日の6月生産者物価指数(PPI)、金曜日の7月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値などのインフレ指標が注目される。関税によるインフレ加速が懸念される中、物価が引き続き抑制的な伸びにとどまれば、利下げ期待の高まりが株価の支援となりそうだ。このほか、6月鉱工業生産、6月小売売上高、6月住宅着工件数なども発表され、足もとの景気動向にも要注目となる。
今晩は主要な米経済指標・イベントの発表なし。企業決算は寄り前にファスナルが発表予定。(執筆:7月14日、14:00)