今晩は引き続き物価指標と金融機関の決算に注目。昨日は中国向けAI半導体の輸出再開見通しを発表したエヌビディアが大幅高となり、ナスダック総合が取引時間中と終値の史上最高値を更新した。一方、6月消費者物価指数(CPI)が市場予想とほぼ一致したものの、4カ月ぶりの高水準となったほか、関税導入による先行きの物価上昇懸念が強まったことでダウ平均とS&P500が反落した。注目された大手金融機関の決算発表は好悪まちまちで、シティグループが3%超上昇した一方、ウェルズ・ファーゴとブラックロックが5%超下落し、予想を上回る決算を発表したJPモルガン・チェースも1%近く下落した。
今晩の取引ではインフレ動向や利下げ見通しを巡り6月生産者物価指数(PPI)が注目されるほか、ゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカなどの大手金融機関の決算発表に引き続き注目する展開か。6月PPIの市場予想は前年比+2.5%と5月の+2.6%から鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIも+2.7%と前月の+3.0%から伸びの鈍化が見込まれているが、予想を上回る伸びとなれば利下げ期待の後退が引き続き相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは6月PPIのほか、MBA住宅ローン申請指数 、6月鉱工業生産、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。このほか、バー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ゴールドマン・サックス・グループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、引け後にユナイテッド・エアラインズなどが発表予定。(執筆:7月16日、14:00)