今週のNY市場は金融政策、経済指標、決算発表に注目。先週はダウ平均が559.73ドル高(+1.26%)と3週ぶりに反発し、S&P500が1.46%高、ナスダック総合が1.02%高とともに2週間続伸となった。ソフトバンクグループとオープンAIによる大規模AIプロジェクトの進捗が芳しくないとの報道を受けてエヌビディアなどのAI関連株を中心にハイテク株が下落する場面もあったが、発表が本格化した第2四半期決算が総じて良好な結果となったことに加え、米国と日本が関税合意に至り、EUなどとの合意期待が高まったことでセンチメントが改善した。第2四半期決算は、先週はS&P500採用の109銘柄が発表を終え、そのうち90銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。予想を上回る決算を受けてウエスト・ファーマシューティカル、ラム・ウェストン、IQVIAが週間で20%超上昇し、TEコネクテビティ、ベーカー・ヒューズ、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック、デッカーズ・アウトドア、ニューモント、GEベルノバ、D.R.ホートンなども2桁高となったほか、時価総額上位のアルファベットも4%超上昇し、相場をけん引した。週末の動きでは米国とEUが15%関税で合意した。
今週はEUとの関税合意を受けてその他の国との貿易協議の進展期待が引き続き相場の支援となることが期待されるが、利下げを巡り29-30日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や、6月個人消費支出 (PCE) 価格指数、7月雇用統計などの経済指標、発表のピークを迎える第2四半期決算が焦点となりそうだ。FOMCでは政策金利の据え置きがほぼ確実視されているものの、トランプ米大統領はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に繰り返し利下げを要求しており、会合の結果や声明文、パウエルFRB議長の記者会見が注目される。経済指標ではFRBがインフレ指標として注目する個人消費支出 (PCE) 価格指数が木曜日に発表されるほか、金曜日の7月雇用統計では非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金などが注目される。決算発表はS&P500採用の160銘柄強が発表予定で、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コムなどのマグニフィセント・セブンのほか、ボーイング、メルク、プロクター・アンド・ギャンブル、ビザ、クアルコムなどが発表予定で、決算結果やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは7月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にライブ・ネーション、リビティ、引け後にウエイスト・マネジメント、ウェルタワー、ニューコア、ユニバーサル・ヘルスなどが発表予定。(執筆:7月28日、14:00)