今週のNY市場は米9月雇用統計と政府閉鎖問題に注目。先週はダウ平均が67.98ドル安(-0.15%)と3週ぶりに小幅反落し、S&P500が0.31%安、ナスダック総合が0.65%安と、ともに4週ぶりに反落した。週明けは、エヌビディアとオープンAIの提携発表を受けてエヌビディア、オラクルなどのAI関連株が軒並み上昇したほか、新型iPhoneの販売好調を好感したアップルも大幅高となり主要3指数がそろって上昇してスタートした。しかし、その後はエヌビディアなどのAI関連株に過熱感が意識されたことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が株価はかなり割高に評価されていると指摘したことでバリュエーションへの懸念も強まった。木曜日に発表された新規失業保険申請件数や4-6月期GDP確報値などの経済指標が強い結果となったことで、利下げ期待がやや後退したことも相場の重しとなり、主要3指数は火曜日から木曜日までそろって3日続落した。週末金曜日は、注目された8月個人消費支出(PCE)価格指数が予想通りに伸びにとどまり、年内2回の利下げ期待が維持されたことで主要3指数はそろって反発し、下落幅を縮小して終了した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する8月PCE価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が前月比+0.2%、前年比+2.9%とともに市場予想と一致した。CMEのフェドウォッチ・ツールの10月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は前週末の91.9%から木曜日に87.7%に低下したが、金曜日は89.3%で終了した。
今週は利下げ見通しや景気動向を巡り金曜日に発表される米9月雇用統計に注目が集まるほか、9月末の政府機関閉鎖の可能性が焦点となりそうだ。先週末の8月個人消費支出(PCE)価格指数が予想通りだったことで市場では年内2回の利下げ見通しが維持され、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)でのメンバーの利下げ予想と一致したが、FOMCメンバーの間では利下げに積極的なハト派と利下げに慎重なタカ派との二極化が深まっており、雇用統計の結果次第で利下げ見通しが大きく変化する可能性がある。9月雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が5万人増と8月の2.2万人増から増加が見込まれ、失業率は4.3%と8月から横ばいが見込まれている。NFPがおおむね予想通りとなれば利下げ期待の継続が相場の支援となる一方、大幅な下振れや上振れは景気悪化懸念や利下げ期待の後退につながるため、結果に要注目となる。また、9月末期限の連邦予算問題が決着せず、政府機関の閉鎖となれば、9月雇用統計など10月からの経済指標の発表が遅れることが警戒される。このほかの経済指標は8月JOLTS求人件数、9月ADP民間部門雇用者数、9月ISM製造業PMI、新規失業保険申請件数、9月ISM 非製造業PMIなど。
今晩の米経済指標・イベントは8月中古住宅販売仮契約指数、9月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にカーニバルが発表予定。(執筆:9月29日、14:00)