今週のNY市場は経済指標に注目。先週は、ダウ平均が503.06ドル高(+1.05%)と3週続伸した一方、ナスダック総合が1.62%安と3週ぶりに反落した。水曜日に結果が公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに政策金利が0.25%引き下げられたほか、メンバーの金利見通し(ドットプロット)で来年1回の利下げ見通しが示されたことで、利下げ期待を背景に景気敏感株やバリュー株物色が強まった一方、オラクルの決算発表をきっかけにバリュエーションの高さが懸念されたAI関連株への利益確定売りが強まった。ダウ平均は木曜日に1カ月ぶりに取引時間中と終値の史上最高値を更新し、景気敏感株が多い小型株指数のラッセル2000も9日から11日まで3日連続で取引時間中の史上最高値を更新したが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が週間で3.58%安と3週ぶりに大幅反落した。
今週は火曜日に発表される11月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)や10月小売り売上高、木曜日発表の11月消費者物価指数(CPI)などの経済指標が焦点となりそうだ。政府閉鎖の影響で遅れて発表される11月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が4.0万人増と、前回の11.9万人増から大きく減少が予想され、11月CPIは、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIが前月比+0.3%と前回の+0.2%から上昇が見込まれ、前年比では+3.0%と前回から横ばいが見込まれている。NFPやCPIが予想通りの弱めの結果となれば、利下げ期待が株式相場の支援となることが期待されるが、ともに大幅に強い結果となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなることが警戒される。今週はマイクロン・テクノロジーやナイキ、フェデックスの決算発表もあり、先週強まったAI関連株からバリュー株への資金ローテーションが継続するか否かにも要注目となる。
今晩の米経済指標は12月NY連銀製造業業況指数、11月NAHB住宅市場指数など。このほかミラン米連邦準備理事会(FRB)理事やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁などの講演なども予定されている。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:12月15日、14:00)
