マイナス金利政策
◎中央銀行が政策金利をゼロ%よりも低い水準にする政策であり、デフレ対策のために行われる金融緩和策の1つです
◎民間銀行が中央銀行に預け入れる預金金利がマイナスとなるため、投資や貸し出しなどで資金が市場に流通しやすくなることを狙い、景気刺激の効果を期待しています
◎日本では2013年に「異次元緩和」と呼ばれる量的・質的金融緩和で国債を大量に取得して資金を市場に流通させる政策が決められ、2016年1月の金融政策決定会合でそのカンフル剤として、マイナス金利政策によって金融緩和を一段と強めることが決定しました
◎マイナス金利政策の導入で住宅ローン金利が低下し、個人の負担が減ったり、不動産市場が活性化するといったメリットが当初は見られました
◎しかし、都市部を中心に不動産市場が過熱化する「バブル」の様相となってきたほか、金融機関や年金の運用環境が悪化するなどの副作用も徐々に見られてきました
◎日本銀行はこの3月の金融政策決定会合で、賃金上昇を伴う形で物価が安定的に2%上昇する「賃金と物価の好循環」が見通せるようになったとの理由で、マイナス金利政策の解除を決めました
◎これにより、2013年に始まった大規模緩和は事実上終了し、日本は金融政策正常化に向けて新たな段階に入ったことになります