この記事でわかること
・近い将来、使う予定のあるお金は株式投資には不向き
・必ず余裕資金を充てる
・貯めるより運用を
株式投資は余裕資金でチャレンジを
最近は、若い世代を中心に資産運用に興味を抱く人が増えています。資産運用の入り口としてポピュラーなのが「株式投資」ですが、実際のところ、株式投資はやったほうがいいのでしょうか?それともやらないほうがいいのでしょうか?その答えは、運用する資金の性質や目的によって異なります。
まずは、運用する資金ですが、株式投資はリターンが見込める一方で、必ずリスクが存在します。そのため、近い将来、使う予定のあるお金は株式投資には不向き。株式投資のための資金は必ず余裕資金を充てるようにしましょう。余裕資金といってもハードルはそれほど高くありません。最近では少額から株式投資にチャレンジできるようになっていますし、PayPayアプリの「資産運用」では、100円から日米企業の株を購入することができます。
また、「損をするのは絶対に許せない」という人は株式投資には向いていません。リスクとリターンは表裏一体ですので、「ある程度のリスクを取ってでも資金を増やしたい」と考えている人がチャレンジするべきです。
投資はすべてが自己責任。損をしても誰も責任をとってくれません。
月々の少額投資でも長期間では大きなリターンも
次は、何のために株式投資をやるのかという「目的」について考えてみましょう。
覚えている人も多いと思いますが、2019年には「老後2,000万円問題」が話題になりました。これは「老後30年間で約2,000万円が不足する」という金融庁の試算が公表されたことがきっかけでした。当時は、「実際には、2,000万円では足りない」という専門家の声もマスコミで多く取り上げられました。
若い世代の株式投資の目的として、「老後のための資金づくり」があります。たとえば、いまから30年後に向けて2,000万円を貯めようと思った場合、単純計算で毎月約5万5,556円を貯めていく必要があります。
一方で、株式投資であれば、毎月5万円の投資で仮に年間3%程度のリターンが見込めるとすれば、30年間で2,913万6,844円になります。30年間のトータル投資額は1,800万円(5万円×360カ月)ですので、1,000万円以上が増えている計算になります。
また、毎月5万円貯めて2,000万円に達するには33年4ヶ月かかりますが、毎月5万円で年間3%程度のリターンの投資なら23年2ヶ月で2,000万円になる計算です。貯めるだけより10年も短縮できることになります。
「お金を増やしたい」と考えているなら
現在の日本は超低金利で銀行の定期預金の利息は年間0.002%程度。100万円を預けても1年間で20円(税引き前)しかつきません。これではお金を増やそうとしてもなかなか増えません。そればかりか、最近では物価(モノやサービスの価格)が上がっていますので、お金の実質的な価値は目減りしていくばかりです。
もちろん、株式投資の目的は老後資金だけとは限りません。株式投資でお小遣いを増やして海外旅行に出かけたり、時計やアクセサリーを買いたいというのも立派な目的の一つです。株式投資で短期的に資金を増やし、その都度、消費するのも悪くありません。
すでに潤沢な資産を持っている資産家であれば、お金を増やすためにわざわざリスクをとってまで株式投資を行う必要はないかもしれません。でも、「やっぱりお金を増やしたい」と考えているなら、株式投資は投資初心者にとってハードルの低い選択肢の一つでしょう。
最後に、株式投資を行うと、日々の生活にもさまざまな変化があるはずです。もちろん、投資の勉強をするために時間は消費することになりますが、その時間で多くのことが身につくはずです。株式投資は経済や社会、流行など、さまざまなニュースが投資判断の材料になります。そのため、世の中の動きに敏感になりますし、そこで得た知識が仕事にも役立つかもしれません
一昔前は、「株式投資をやっている」というと、怪しげな目で見られた時代もありました。でも、今の情報化社会では、堂々と胸を張って「株式投資をやっている」と言えるはずです。
記事作成日:2023年4月6日