米国株投資はここ数年で、日本の個人投資家にとってもポピュラーで身近な存在になってきました。NYダウやナスダック総合指数といった米国の主要株価指数は日本の日経平均株価と比べると長期間に渡って安定的に上昇しており、日本の個人投資家も少額でできる積立投資などを経由して米国株投資に参入しています。
また、日中は忙しいサラリーマンにとって、日本時間の夜中に稼働している米国市場はリアルタイムで値動きを見られるというメリットがあります。今回は、そんな米国株が実際にどのように取引されているのかを見ていきましょう。
知っておきたいNYSEとナスダック
米国には16の証券取引所がありますが、まずは、メジャーなニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)を知っておけば十分でしょう。また、NYSEとナスダックでは、東京証券取引所(東証)と取引方法が異なる点も多くありますので、こちらも検証していきましょう。
NYSEにはコカ・コーラやマクドナルドといった世界的な大企業が上場しています。一方、ITやインターネット関連企業が中心のナスダックには、アップルやアマゾン・ドットコムなどの急成長企業が数多く上場しています。
米国株は標準時間23時30分、夏時間22時30分にスタート
下の表は、米国のNYSE、ナスダック市場と、日本の東証の取引形態について概要を示したものです。
米国市場の場合、標準時間(冬時間)では、現地時間の午前9時30分から16時までが取引時間となります。ただし、米国では3月第2日曜日から11月第1日曜日までの約8カ月間は夏時間となり、時間が1時間早まります。これを日本時間で見れば、標準時間は23時30分から翌6時、夏時間の取引は22時30分から翌5時となります。
日本株の売買を行う東証では前場と後場に分かれ、昼休みが1時間ありますが、米国市場には昼休みはなく、取引時間中は継続して取引が行われています。
さらに、米国市場では取引時間(立会時間)の前後にも取引が行われています。現地時間で通常の取引時間前の8時から9時30分をプレ・マーケット、取引時間後の16時から20時をアフター・マーケットと呼び、時間外取引が行われています。多くの米国企業は、通常の取引時間が終了した後に決算などを発表することが多く、その内容次第ではアフター・マーケットで大きく株価が変動するケースもめずらしくありません。
米国株の売買単位は1株です。米国では日本のように100株を1単元とする単元株制度がないため、1株から売買が可能で、少額からでも取引ができます。さらに、日本の株式市場では、業種を基準として各銘柄に割り当てられた数字が銘柄コードとして用いられていますが、米国市場ではティッカーという各企業名を基準としてアルファベットが銘柄コードとして用いられているため、銘柄コードを覚えやすいのも特徴です。
急な相場変動にはサーキットブレーカーが発動
また、東証には、急激な値動きを抑え、リスクを軽減する目的で、1日の値動きの幅が前営業日の終値などの基準値から一定の範囲に収まるように、銘柄の株価水準ごとにストップ高・ストップ安という「値幅制限」がありますが、米国の株式市場には値幅制限はありません。
ただし、米国市場では、市場が大きく動いたときに一定時間の取引を停止する制度として、市場全体が止まる「サーキットブレーカー制度」があります。これには、以下の3つのレベルが存在します。
レベル1
9時30分から15時25分の間に株価指数の「S&P500」が前日終値より7%下落した場合、15分間取引を停止
レベル2
9時30分から15時25分の間に「S&P500」が前日終値より13%下落した場合、15分間取引を停止
レベル3
「S&P500」が前日終値より20%下落した場合には、その日は取引を停止
PayPay証券なら、米国株を24時間いつでも1,000円から買えます
このように、米国株には日本株とは異なるさまざまなルールが存在しますが、身構える必要はありません。取引自体は英語ができなくてもOKですし、コツさえ覚えてしまえば簡単です。まずは、少額から米国株投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、PayPay証券では原則として米国株を24時間いつでも1,000円から取引することができます。取引時間帯によってスプレッドが異なりますので、詳しくは、PayPay証券のホームページ等をご確認ください。
記事作成日:2023年9月5日