世界的飲料メーカー、コカ・コーラは62年連続増配
原液の製造方法はいまでも最高機密
コカ・コーラは世界で最もメジャーな飲料の一つです。コカ・コーラの歴史は、1886年5月8日に始まりました。ジョージア州アトランタの薬剤師が、シロップを製造し、商品化されました。
原液の製造方法は、同社の最高機密となっており、その原液は現在でも、米国本社で製造され、世界各地のボトリング会社に届けられます。ボトリング会社は原液をコーンシロップや砂糖などで薄め、炭酸水で割って、製品化して販売しています。
独特のくびれを持ったボトルは、当初は透明や茶色の普通のストレートなボトルでした。当時、多くの偽物が出回り、独自のボトル・デザインの検討を進めていたコカ・コーラでは、図書館で様々なものの形状を調査していました。そこで、細長い形とはっきりとした肋骨を持つカカオ豆のイラストに出くわし、この独自のデザインが誕生しました。
こうして、同社は世界的な飲料メーカーに成長し、コカ・コーラ以外にも200以上のブランドのノンアルコール飲料を製造し、世界200以上の国と地域で毎日22億食以上のドリンクを提供しています。
足元の業績は好調、連続増配も継続中
コカ・コーラは業績面でも順調に拡大しています。2023年第4四半期決算(10~12月期)は、販売数量が前年同期比2%増となり、通年でも前年比2%増となりました。売上高も第4四半期で前年同期比7%増の108億4,900万ドル、通年で前年比6%増の457億5,400万ドルと好調で、営業利益は第4四半期で前年同期比10%増の22億7,300万ドル、通年で前年比4%増の113億1,100万ドルとなりました。
ただ、純利益は高インフレとアルゼンチンペソ安によりアルゼンチンでの事業の関連損失が膨らみ、第4四半期では同3%減の19億7,300万ドルとなりましたが、通年では同12%増の107億1,400万ドルと大幅増益となっています。
コカ・コーラといえば、連続増配銘柄としても有名ですが、第4四半期の配当を増配しており、第4四半期の配当を増やしたことで2023年の年間配当は増額され、62年連続増配となりました。
コカ・コーラはこれまでにも、多くの飲料メーカーのM&A(企業の合併・買収)を進めてきましたが、現在、アマゾンで最も売れているソーダといわれている「ポピー」の買収を計画していると報道されています。ポピーは、米国テキサス州オースティンに本拠を置き、従来のソーダに代わる、フルーツジュースとリンゴ酢を使用したヘルシーなソーダを生産している飲料メーカーです。
このように、コカ・コーラは世界的飲料企業としての将来の有望性だけではなく、連続増配企業としても非常に魅力的な企業で、今後の動向が注目される企業です。
記事作成日:2024年2月22日