人工知能(AI)、半導体、電気自動車など米国のハイテク株の注目が高まっています。いわゆる「成長株」として、将来的にも私たちの生活を支えてくれることが期待できそうです。
今回は、そんなハイテク株をご紹介します。
インテル | INTC
米半導体大手のインテルは、パソコンの頭脳とも呼ばれるCPUで圧倒的なシェアを占めています。
パソコン市場の拡大とともにインテルは売り上げを伸ばしてきました。コロナ禍では、テレワークや在宅学習の機会が増えたことでパソコン需要が増加。その恩恵も受けてきました。
しかし、昨年はパソコン需要の一巡により、インテルは前年同期比で4四半期連続の減収になるなど厳しい状況に陥りました。また、今年の半導体市場が4年ぶりのマイナス成長になると予想されていることも、インテルの株価を押し下げる要因となっています。
ただ、インテルはここ数年、他社の半導体製造を請け負うビジネスを強化しているほか、買収や出資、提携などにより人工知能(AI)や自動運転、クラウドなど事業の多角化を進めています。再び、脚光を浴びる可能性も十分にありそうです。
エヌビディア | NVDA
米半導体大手エヌビディアが開発したGPUは、コンピュータの画像処理を行うための半導体で、ゲームや人工知能(AI)の機械学習に用いられることも多いです。また、ディスクリートGPU(CPUとは独立して単体で搭載されたもの)市場では、エヌビディアのシェアは約8割を占め、圧倒的な地位にあります。
パソコン向け半導体需要が低迷するなか、エヌビディアのAI関連の取り組みが功を奏しし、2月22日に発表された決算(2022年11月-2023年1月期)では、自動車部門の売上が前年同期比135%増と大きく伸長しました。
エヌビディアが注力しているデータセンター向けの売上高も、前年同期比11%増と好調です。
ここ最近は、AIを搭載したチャットボットのChatGPTやBardなどが話題となっており、これらAIシステムを動かすGPUが注目されています。
今後もAI需要の急増がエヌビディアへの期待感を高めそうです。
シースリー・エーアイ | AI
生成系AIの「ChatGPT」が話題となる中、株式市場ではAI関連銘柄であるシースリー・エーアイに注目が集まっています。
シースリー・エーアイは2023年1月、生成系AIの1号製品となる「Generative AI for Enterprise Search」を発表しました。同製品は今月に提供される予定で、企業がこのAIツールを導入すると、従業員はチャットベースの簡単な質問で目的のファイルやデータを簡単に見つけることが出来る見通しです。
シースリー・エーアイは、石油大手のシェルや米エネルギー企業のベーカー・ヒューズなどの大手企業、米空軍などの政府組織などを顧客としており、一つ一つの契約サイズが大きいことも魅力です。
なお、今月2日に発表された決算(2022年11月-2023年1月期)を受けて、翌日のシースリー・エーアイの株価は30%以上も上昇しました。
ブロードコム | AVGO
米半導体大手のブロードコムは、先行きについて明るい見通しを示しています。
ブロードコムが2022年11月-2023年1月期の決算発表にあわせて示した2023年2-4月期の売上高見通しは約87億ドルで、前年同期と比べて7%増加すると予想されています。こうした背景として、AI(人工知能)の導入加速からネットワークで使用されるブロードコム製品の需要が高まっていることが指摘されています。
ブロードコムは足元の業績も良好です。2022年11月-2023年1月期では売上高が前年同期比16%増、純利益が同53%増ととなり、大幅な増益を達成しています。
テスラ | TSLA
テスラの株価は2022年に65%ほど下落しましたが、今年に入ってからはその下げを取り戻す動きとなっています。
テスラの2022年通期の納車台数は前年比50%増加させる目標には達しませんでしたが、過去最高となる130万台を超え、2023年の納車台数については前年比37%増の180万台に達するとの見通しを示しています。
3月1日に開催された投資家イベントでは、低価格の小型EVを数年内に投入する計画やEVの新工場をメキシコ北部に建設すると発表するなど、EV事業の業績拡大が見込まれます。テスラは、世界でも先進的な自動運転ソフトを開発しており、将来的には完全自律走行型のロボタクシーによる収益増も期待されています。
著名投資家のキャシー・ウッド氏は、EV事業の拡大やロボタクシー事業などにより、テスラの株価は5年後の2028年には1,500ドルになるとの大胆な予想をしています。
記事作成日:2023年3月6日