魅力的な優待で新NISA経由のマネー獲得を狙う
株式投資による利益は、キャピタルゲイン(値上がり益)だけではなく、配当や株主優待といったインカムゲイン(資産を保有していることで得られる利益)もあります。「優待よりも配当を充実させるべき」との機関投資家の声を反映して、一時期は株主優待の新設は減少し、一方で、廃止・縮小する企業が多くなっていました。
しかし、新しいNISA(少額投資非課税制度)のスタートをきっかけに、個人投資家を取り込みたいとのニーズが強まり、足元では再度、株主優待の新設企業が増加傾向に転じてきています。今回は、魅力的な株主優待を実施している企業の中から業績も好調で、株主優待と値上がり益のダブルメリットが狙えそうな銘柄をピックアップしました。
良品計画<7453>
「無印良品」を国内外1,230店舗(23年11月末)で展開。衣料品や生活雑貨、食品など幅広い商品を扱う。2023年8月末に株主優待制度を導入、2月末、8月末の100株以上の株主に優待カードを贈呈。
商品の購入が何度でも5%割引となるため、「無印良品」コアファンにとっては非常に魅力的。24年8月期は、営業利益で前期比約45%増を見込んでいる。インバウンド関連としても注目。
イオン<8267>
総合スーパー、食品スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど幅広く展開する総合小売企業の国内大手。国内上場子会社は16社。2月末、8月末の100株以上の株主にイオンオーナーズカードを贈呈。
持株数に応じ店舗での購入金額の3~7%のキャッシュバックが受けられる。半年間で「100万円」までの買い物が対象。4月に発表予定の24年2月期の業績は、営業利益で前期比14.4%増の見込み。
ANAホールディングス<9202>
国内航空会社の大手企業。世界最大規模の航空連合「スターアライアンス」に加盟。
3月末、9月末の100株以上の株主は、国内線搭乗優待、グループ各社・提携ホテルの優待が受けられる。24年3月期の業績は、営業利益で前期比58.3%増の見込みで、同時に復配(配当の復活)も計画。
ヤマダホールディングス<9831>
「テックランド」「LABI」などをチェーン展開する家電量販店業界の国内大手。M&A(合併・買収)を積極展開し、住宅事業や家具・インテリアなどにも進出。
100株以上の株主に対してグループ店舗で使える優待券を年2回贈呈。3月末株主には500円分、9月末株主には1,000円分。株主優待が得られる最低購入金額が低いことが魅力。配当・優待利回りも比較的高水準。24年3月期の業績は、営業利益で前期比14.6%増の見込み。インバウンド関連の側面も。
オリエンタルランド<4661>
「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」などのテーマパークを運営。ディズニーシー8番目の新テーマポートが6月6日開業予定。株主優待はランドまたはシーどちらかで利用可能な1デーパスポートの贈呈。
3月末は500株以上の株主、9月末は2,000株以上の株主が対象。3年以上継続保有株主は100株以上保有で9月末に1枚追加となる。24年3月期の業績は、営業利益で前期比31.9%増の見込み。
日本マクドナルドホールディングス<2702>
ハンバーガーチェーン「マクドナルド」を展開。チェーン全店売上高で外食業界トップ水準。店舗数は2,970店(2023年9月末)。
6月末、12月末の100株以上の株主のうち、1年以上継続保有が優待対象、バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券が6枚ずつ計18枚となっている優待食事券を贈呈。よく利用する人にとっては使い勝手の良さも魅力。24年12月期の業績は、営業利益で前期比11.3%増の見込み。
※株主優待は記事作成日現在のものです。今後変動の可能性もあります。詳しくは各社ホームページ等でご確認ください
記事作成日:2024年3月13日