2024年1月から、新しいNISA(少額投資非課税制度)がスタートしました。ここでは詳しい解説は割愛しますが、新しいNISAの「成長投資枠」は、キャピタルゲイン(値上がり益)を目的とした米国株投資にも向いています。世界的なIT企業であるGAFAM(Google[Alphabet]、Amazon、Facebook[Meta]、Apple、Microsoft)以外にも、値上がりが期待できる企業はたくさんあります。
一方、インカムゲイン(配当収入)を目的とする方もいるでしょう。配当銘柄では、コカ・コーラが60年以上増配を続けていることで有名ですが、ほかにも米国には連続増配を行っている企業が数多くあります。
ここでは値上がりや今後も増配が期待できる銘柄を紹介していきます。
値上がりが期待できる4銘柄
アドビ(ADBE)
「アクロバット」などPDF文書の閲覧や作成で、馴染みのある方も多いと思います。このほかにも、「イラストレーター」「フォトショップ」など、クリエーター向けのソフトを開発・提供している会社です。生成AI(人工知能)に関連する写真や動画編集、文書作成ツールに対する需要が堅調で、業績は好調に推移しています。
ペイパル・ホールディングス(PYPL)
デジタル決済プラットフォームを提供している会社です。世界で4億人以上のユーザーに向けて、オンライン、モバイル、アプリ、または対面で利便性の高い決済を提供しています。2023年8月からは、大手金融企業では初めて、米ドル預金や米短期国債などを裏付け資産としたステーブルコインの提供を開始しており、デジタル決済の拡大を進めています。
ゾエティス(ZTS)
家畜やペット向け医薬品・ワクチンの開発、製造、販売を行っており、約300の製品を世界100カ国以上で販売しています。もともと米国の製薬会社ファイザーの1部門でしたが、2013年に分離・独立しました。2023年通期の売上高は、85.19億ドルと予想されており、前年比5%程度の成長が見込まれています。
サービスナウ(NOW)
クラウドサービスの大手企業です。クラウドベースの「Now Platform」により、企業内のさまざまな業務をプラットフォーム上に一元化することで、自動化や効率化、ワークフローの標準化をサポートしています。2023年通期の売上高は89.35億ドルと、前年比23.3%の大幅な伸びが予想されています。
増配が期待できる3銘柄
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)
医療保険や医療サービスを手掛ける米国の大手ヘルスケア企業です。米国には日本のような全国民が加入する公的医療保険制度がないため、医療保険分野で大きな役割を担っています。同社では、2024年の通期売上高を4,000億~4,030億ドルと見込んでおり、アナリスト予想の平均を上回る見通しとなっています。増配は14年連続で行っています。
アッヴィ(ABBV)
米国の医薬品大手のアボット・ラボラトリーズから、製薬事業を分社化する形で設立された総合研究開発型のバイオ医薬品会社です。関節リウマチなどの治療薬「ヒュミラ」は、世界で最も利用されています。M&Aに積極的で、2023年11月には、がん治療薬を主力とするイミュノジェン、12月には統合失調症、アルツハイマー病など神経科学疾患のバイオ医薬品会社セレベル・セラピューティクスの買収を発表しています。50年以上連続で増配を行っています。
アムジェン(AMGN)
世界最大規模のバイオ医薬品メーカーで、NYダウにも採用されています。遺伝子組み換えや細胞培養などのバイオ技術を用い、大型新薬を次々と開発しています。2023年10月末に発表した第3四半期決算で、2023年通期の売上高予想を従来の280億ドル~284億ドルに引き上げています。また、2023年には希少疾患用バイオ医薬品メーカーのホライゾン・セラピューティクスを買収しています。12年連続で増配を行っています。
記事作成日:2024年1月5日