つみたてでも分散投資
投資初心者の入口として人気のNISA(少額投資非課税制度)。毎月少額からつみたてられ、利益が非課税になることもあって、中長期での資産運用にピッタリです。
一般的に、投資信託は複数の銘柄や投資対象を組み合わせて運用するため、高い分散効果が期待できます。さらに複数の投資信託を組み合わせることで、ご自身がやりたい資産運用に合わせることもできます。つみたて投資で複数の投資信託を組み合わせたポートフォリオにすれば、分散でリスクを抑えながら柔軟な資産運用が行えるのでオススメです。
ひとつのカゴに卵を盛るな
ポートフォリオとは、投資する金融商品の組み合わせのことです。
たとえば、1つの投資信託だけ購入している場合、そのファンドの運用がうまくいかなかったり、投資先や経済環境によっては資産が目減りしてしまうこともあります。
一方、複数の投資信託に投資している場合では、特定の投資対象がマイナスでもほかの投資対象がプラスであれば、マイナスをカバーして安定的な資産運用を行える可能性が高まります。
株式市場には、「ひとつのカゴに卵を盛るな」という相場格言があり、ポートフォリオの重要性を説いています。
今回は、毎月3万円をつみたて投資で運用する場合のポートフォリオについての参考例をご紹介します。PayPay証券では、すべての投資信託が100円から1円単位で取引できるので、ご自身の投資額に合わせて考えてみてください。
つみたてポートフォリオ例5選
米国株+日本株型
つみたて投資枠で高い人気となっている投資信託の1つがeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。こちらは米国の主要株価指数であるS&P500に連動するように設計されています。
長期的な株式の上昇に期待して、この米国株ファンドにみずほ好配当日本株オープンを半々で組み合わせるポートフォリオです。このファンドは、国内全上場銘柄の中で予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を主な投資対象とし、高配当株へ手軽に投資ができます。高配当株ファンドはマーケット下落時でもインデックスより下値抵抗力が期待できるので、ポートフォリオに加えるのにオススメです。
米国株の上昇に期待する一方で、日本株ファンドを加えることで今後円高になった場合でも為替の影響を受けないメリットもあります。為替の影響を受ける海外のファンドのみだと為替リスクが大きいので、国内に投資するファンドもつみたてに加える価値は大いにあります。
新興国株重視型
投資環境が安定している先進国株式に、将来の高成長を期待して新興国株式を組み合わせるポートフォリオです。
この組み合わせは、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスとイーストスプリング・インド株式オープンが2/3を占め、将来の新興国の成長を取り込むことを狙ったものです。特に、比重が高くなるインドに将来性を感じる人におすすめです。他の国に期待している場合は、その国に投資しているファンドに置き換えてください。
1/3はeMAXIS Slim 先進国株式インデックスなので、新興国株式とはある程度違った動きで分散効果も期待できます。配分は、それぞれ1万円ずつ。
草食投資(カリスマファンドマネージャー)型
「為替リスクもあるし、海外のことはよくかわらない。投資するなら日本株一択」という投資家にぴったりなのが、ひふみプラスとコモンズ30ファンドです。
ひふみプラスは、カリスマファンドマネージャーとして有名な藤野英人氏が代表を務めるレオス・キャピタルワークスが運用する投資信託。一方、コモンズ30ファンドは、外資系金融機関や米国の大手ヘッジファンドなどで手腕を振るった渋沢健氏が代表を務めるコモンズ投信の投資信託です。
2人は、「毎月コンスタントにつみたてをして、ドキドキしない長期投資を根付かせたい」との思いから「草食投資隊」を結成し、個人投資家から人気を得ています。上記2銘柄に日経平均に連動するたわらノーロード 日経225を組み合わせて、日本株の上昇に期待してみてはいかがでしょうか。資産配分は、それぞれ1万円ずつ。アクティブファンドとインデックスファンドの違いも体感できます。
いろんな資産に分散型
さまざまな投資対象に分散して安定した資産運用を長期で続けたいと考えるなら、LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド 愛称:LOSA 投資の王道と三菱UFJ 純金ファンド 愛称:ファインゴールドを組み合わせてみてはいかがでしょうか。
LOSA 投資の王道は、株式55%、債券35%、REIT(不動産投資信託)10%を目安に世界各国の資産に分散投資を行います。
ファインゴールドは、国内取引所における金価格の値動きをとらえることを目指す投資信託です。LOSA 投資の王道には含まれていない金にも投資することで、より高い分散効果を期待できます。
資産配分は、LOSA 投資の王道に2万円、ファインゴールドに1万円。株式一辺倒よりも様々な資産や地域に投資することにより長期的なパフォーマンスの安定を狙い、ミドルリスク・ミドルリターンを目指したい人に向いています。
リスク少なめ預貯金よりはリターンが欲しい型
リスクはあまり取りたくないが、低金利なので預貯金よりはリターンが欲しいという人は、値動きの小さな資産やバランス型の投資信託を組み合わせることを考えてみましょう。
バンクローン・ファンド(ヘッジあり/年1回決算型)は、主に米国企業向けの貸付債権に実質的な投資を行い、高利回りのインカムゲインを狙う投資信託です。為替ヘッジありの場合、直近1年の騰落率は2.9%と緩やかな上昇で、株式と比べて値動きはかなり抑えられています(2024年4月マンスリーレポートより)。資産配分は1.5万円。
のむラップ・ファンド(保守型)とeMAXIS 最適化バランス (マイディフェンダー)は、ともにバランスファンドですが、前者は株式とREITが約28%なのに対し、後者は約44%と投資割合に違いがあります(2024年4月マンスリーレポートより)。
のむラップ・ファンド(保守型)は新興国資産も含んでいないため、より保守的な運用を期待して1万円の資産配分にしています。一方、eMAXIS 最適化バランス (マイディフェンダー)はややアグレッシブな運用で、ある程度のリターンを期待できるはずです。こちらの資産配分は0.5万円としています。
これらのポートフォリオはあくまで一例でしかありません。これ以外にも、つみたてに向いた投資信託はたくさんあります。まずは、自身の投資スタンスや許容できるリスクを分析し、オリジナルのポートフォリオをつくってみてはいかがでしょうか。
※詳細な商品性は目論見書をご覧ください
記事作成日:2024年5月21日