💡この記事のポイント
✅年末商戦はブラックフライデーからクリスマスまで
✅個人消費がピークを迎え、消費関連銘柄に注目
✅アップル、アマゾン、コストコなど6銘柄を紹介
ブラックフライデーから消費は活発に
米国では11月下旬から年末にかけて、さまざまなセールイベントが行われ年末商戦が活発化します。年末商戦のスタートとなるのは、「ブラックフライデー」です。毎年11月の第4木曜日は「サンクスギビングデー(感謝祭)」という国民の祝日で、その翌日の金曜日がブラックフライデーです。米国の多くの企業がこの金曜日を休みにすることから、消費関連企業による大規模なセールイベントが実施されます。
サンクスギビングデーからブラックフライデーを挟んだ土日の4連休明けの月曜日からは、ネットショップによるオンライン上の大規模セール「サイバーマンデー」が開催されます。そして、クリスマスまでの年末商戦の間、米国では個人消費がピークを迎えます。そこで今回は、消費関連銘柄にスポットを当ててみました。
アップル<AAPL>
モバイル通信機器、メディア機器、パソコンなどの製造・販売を手がけています。2024年7-9月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比6%増の949億ドルと過去最高を更新しました。ただ、営業利益は同36%減少の147億ドルにとどまりました。
これは、EU(欧州連合)の追徴課税が確定して102億ドルの所得税負担が発生したためです。一株当たり利益は0.97ドル、特別損失を除外した一株当たり利益は1.64ドルでした。
この第4四半期には「iPhone 16」「Apple Watch Series 10」「AirPods 4」などの販売を開始しており、iPhoneの売上高は同5.5%増の462億ドルと全体の売上高の約半分を占めており、売上が順調であることがわかります。
株価は8月5日に196ドルまで下落した後、リバウンドに転じ、12月6日高値244.63ドルまで上昇し上場来高値を更新しました。
アマゾン・ドット・コム<AMZN>
インターネットでの小売販売のほか、電子書籍リーダーやタブレット端末などの電子デバイスの製造、販売も手がけています。サイバーマンデーの一大開催者でもあります。2024年7-9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比11%増の1,589億ドル、営業利益は同56%増の174億ドル、一株当たり利益は1.43ドルでした。
ネット通販事業の改善が寄与したことに加え、クラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高が同19%増の275億ドルと順調に拡大しています。10-12月期(第4四半期)売上高見通しは1,815~1,885億ドルとしています。
8月5日安値151.61ドルから上昇傾向となり、好決算の発表を受けて12月6日高値227.15ドルまで上昇し上場来高値を更新しました。
コストコ・ホールセール<COST>
会員制の倉庫型店舗を国内外で展開しています。2024年6-8月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比1%増の782億ドル、営業利益は同1%増の30億ドル、一株当たり利益は5.29ドルでした。オンラインでの売上高が同19.5%増と好調でした。有料会員数は同7.3%増加し、7,620万人となり、会員収益も15億ドルとなっています。
2024年9月期通期では、売上高が前年比5%増の2,544億ドル、営業利益は同14%増の92億ドル、一株当たり利益は16.56ドルでした。
9月から11月まで横ばいが続いていた株価は、11月に入り上昇に転じ、12月6日には上場来高値となる997.71ドルをつけました。1,000ドルの大台まであと一歩となっています。
チポトレ・メキシカン・グリル<CMG>
メキシコ料理レストランの運営を手がけています。2024年7-9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比13%増の27.9億ドル、営業利益が同19.8%増の4.7億ドル、一株当たり利益は0.28ドルでした。値上げによって既存店売上高が同6%増にとどまったものの、総じて好調な決算となりました。
チポトレインを含む73店舗、海外ライセンスレストラン1店舗を含む86店舗の直営レストランを新規オープンさせており、通期では直営レストランは285~315店をオープンする予定です。
株価は8月5日安値47.98ドルまで売られましたが、その後はジリジリと値を上げ、12月6日高値66.06ドルまで上昇しています。なお、上場来高値は6月18日高値69.26ドルです。
ターゲット<TGT>
雑貨や食品などの小売店を展開しています。2024年8-10月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比0.9%増の252億ドル、営業利益は同11.3%減の11.6億ドル、一株当たり利益は1.85ドルでした。既存店売上高は同0.3%の増加にとどまったものの、デジタル売上高が10.8%増加し貢献しました。第4四半期の見通しでは、既存店売上高は前年同期比でほぼ横ばい、一株当たり利益を1.85~2.45ドルと予想しています。
第3四半期業績が市場予想に届かなかったことで、株価は11月20日安値120.21ドルまで下落しました。ただ、その後はやや値を戻し、11月29日高値132.85ドルまで回復しています。
ヤム・ブランズ<YUM>
「ケンタッキー・フライドチキン」、「ピザハット」、「タコベル」などのブランドでファストフード事業を展開しています。2024年7-9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比6.9%増の18.2億ドル、営業利益が同1%増の6.1億ドル、一株当たり利益は1.35ドルでした。ケンタッキー・フライドチキンの売上高は同12.1%増の7.8億ドル、タコベルは同0.5%増の6.6億ドル、ピザハットは0.2%減の2.3億ドルでした。
今年に入り、株価はおよそ125~143ドル程度で推移しています。直近の11月27日高値139.98ドル以降は上値の重い展開が続いています。
記事作成日:2024年12月9日