💡この記事のポイント
✅ビットコイン(BTC)はトランプトレード/トランプラリーの代表格
✅トランプ氏の大統領就任で暗号資産の規制緩和や推進に期待
🔎登場する銘柄
✅金融:SBIホールディングス、三井住友トラストグループ、コインベース・グローバル、ロビンフッド・マーケッツ
✅スマホ決済:メルカリ、ブロック
大統領選後、大きく上昇したビットコイン
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2024年12月17日に106,490ドルの過去最高値を付け、2025年に入っても10万ドル近辺での高値圏推移が続いています。米国大統領選の投票日である11月5日はおよそ6万8,300ドルの水準であったため、そこから1カ月余りで最大55%強の上昇となりました。トランプ氏はビットコインなど暗号資産の規制緩和と推進に積極的とされ、大統領選勝利とともに「トランプトレード/トランプラリー」における代表的な資産として買い上げられる状況となっています。
2024年 11/5→12/17 | 騰落率 |
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ビットコイン | 56.2% |
ナスダック総合 | 9.1% |
S&P500 | 4.6% |
NYダウ | 2.1% |
日経平均 | 2.3% |
大統領選後からビットコイン最高値の12月17日までの主な株価指数と比較しても、圧倒的に上昇していることが分かります。トランプトレードでビットコインは株よりも上がったわけですが、同期間で暗号資産関連銘柄のロビンフッド・マーケッツ<HOOD>は66.8%、コインベース・グローバル<COIN>は60.7%も上昇しました。
トランプ政権誕生で暗号資産に追い風
トランプ氏は暗号資産にかかわる政策として、ビットコインの備蓄を掲げています。米国政府がビットコインを保有することで、デジタル資産の導入を加速させる考えです。
また、証券取引委員会(SEC)の改革として、これまで暗号資産の規制に前向きであったゲンスラー委員長の辞任が発表され、後任には推進派とされるポール・アトキンス氏が指名されました。さらに、ホワイトハウスのAI(人工知能)・暗号資産責任者に、決済サービス大手ペイパルの元COO(最高執行責任者)であり、以前から暗号資産を強く支持していたデービッド・サックス氏を指名しています。
他にも、大統領令で、暗号資産諮問委員会の創設、暗号資産に関する政策の見直し、当局による暗号資産業者への訴訟の停止などが検討されているとの報道もありました。
トランプ政権による政策期待の株価への織り込みは進みつつありますが、1月20日のトランプ氏の大統領就任後、具体的な施策がアナウンス・発動されるタイミングでは、あらためて暗号資産の価格動向にインパクトがもたらされる可能性もありそうです。
日本でもビットコインの関心高まるか
最近、PayPayアプリのポイント運用に「ビットコインコース」が追加され、PayPayポイントを使って疑似運用体験ができるようになるなど、日本でも関心が高まりそうです。
米国における暗号資産の規制緩和が進む中、日本でも税制改正や規制緩和が推進されていく可能性もありそうです。ビットコインなど暗号資産価格の上昇は、関連銘柄の株価上昇にストレートに直結していくものと見られます。
そこで今回は、ビットコインなど暗号資産関連の日米株をご紹介します。
SBIホールディングス<8473>
SBI新生銀行、SBI証券、住信SBIネット銀行、SBI生命保険、SBI損害保険などを傘下に持ち、金融サービス事業を幅広く手がけています。
暗号資産事業では暗号資産取引所を運営し、暗号資産の交換・取引・貸し付けサービスを行っています。2024年9月末現在、SBI VCトレードとBITPOINTの口座数の合算は95万口座、預り残高は3,000億円を突破しています。国内での暗号資産ETFの組成認可を目指し制度改革などの提言も行っています。
米国での暗号資産の規制緩和が日本にも影響していく可能性もあり、連想買いとなる流れも考えられそうです。
株価は2024年1月安値3,137円から7月高値4,254円へ大きく上昇しました。その後は一時調整し、8月安値2,855円まで下落しましたが、12月高値4,149円まで切り返して再び高値圏で推移しています。
メルカリ<4385>
不要品を売買できるフリーマーケットサービス「メルカリ」を運営しています。同サービスは米国でも展開しています。
また、スマホ決済サービス「メルペイ」や与信サービスなども手がけます。子会社のメルコインにおいてビットコイン取引サービスを提供しています。最小取引単位は1円から設定可能、メルカリの売上金やメルペイ残高で購入可能などが特徴で、2023年度の暗号資産口座開設数は業界トップとなっています。
株価は2024年9月高値2,774円から調整局面入りし、今年1月14日昨年来安値1,631円まで下落し、下値模索状態となっています。暗号資産関連のニュースが安値圏脱却に繋がるか注目です。
三井住友トラストグループ<8309>
三井住友信託銀行が中核となる信託銀行最大手企業です。手数料収益比率が相対的に高い点が特徴で、資産運用・資産管理ビジネスに強みを持っています。2024年3月期末の連結総資産は約75.9兆円です。
暗号資産取引所を運営するビットバンクが設立した日本デジタルアセットトラスト設立準備会社への出資、分散型台帳技術・ブロックチェーンを活用した次世代型デジタル信託構想の検討などデジタルアセット関連事業への取り組みを進めています。
株価は2024年1月安値2,694.5円から7月高値3,937円へ大きく上昇しました。その後8月安値2,845円まで下落しましたが、12月高値3,869円まで戻した後は3,700円前後でもみ合いが続いています。銀行株は利上げ局面で注目されることもあり、暗号資産の話題がさらに追い風となれば高値更新も考えられそうです。
コインベース・グローバル<COIN>
ビットコインやイーサリアムなど暗号資産の取引仲介サービスを提供しており、2021年4月、暗号資産交換業を行う企業として初の上場を果たしています。暗号資産の取引手数料や想通貨の保管・管理サービスなどが収入源です。世界100カ国以上で取引所サービスを展開し、2023年末時点の月間取引ユーザー数は約700万人、プラットフォームを通じた取引高は4,680億ドルに上っています。
直近では、ミームコイン(ネット上の流行などをモチーフにした暗号資産の総称)「TOSHI(トシ)」の上場予定を発表しました。トランプ氏が自身のミームコイン「$TRUMP」の発行を自らのSNSで発表し、時価総額が一時150億ドルに達するなど注目を集めているだけに、ミームコインをはじめ幅広い暗号資産に関心が高まりそうです。
2024年11月5日の米国大統領選直後から、「トランプトレード/トランプラリー」の代表格として注目され、株価は11月5日安値185.51ドルから12月6日高値349.75円まで急騰しました。その後は落ち着き、260ドル前後で推移していましたが、大統領就任式に向けて上昇基調となっています。
ロビンフッド・マーケッツ<HOOD>
金融サービスプラットフォーム「ロビンフッド」を手がけるフィンテック企業です。米国上場株、ETF、関連オプション、暗号資産などに手数料無料で投資することができ、金利収入、高頻度取引業者からのリベート、プレミアム会員手数料などが収益源となります。
市場シェアの拡大に伴って高い業績成長率を維持しています。罰金の支払い合意で、証券法違反を勧告したSECの提訴も終結しています。規制緩和による暗号資産の取扱の増加などが期待されているようです。
米国大統領選直後から、右肩上がりの上昇が続いています。2024年11月5日安値24.42ドルから今年1月16日昨年来高値46.85ドルまで上昇しました。上場来高値は、2021年8月の高値85ドルです。
ブロック<SQ>
モバイル決済サービス「Square」を運営しているほか、個人向けサービスではモバイル送金アプリ「Cash App」に注力しています。同アプリでは、米国株・ETF・ビットコインの売買が可能になっています。
2024年11月には、ビットコインマイニング事業、並びに、ビットコインウォレット「Bitkey(ビットキー)」への投資を強化していく方針を発表しています。また、ビットコイン投資を長期戦略とも位置付けています。
株価は米国大統領選後、2024年11月8日安値69.03ドルから12月5高値99.26ドルまで大幅に上昇しました。その後は調整しており、今年に入り85ドル前後で推移していますが、大統領就任式に向けて反転基調です。
記事作成日:2025年1月20日