💡この記事のポイント
✅3月は株主優待ラッシュ!
✅株数や保有期間などの条件等は要チェック
✅魅力的な株主優待を実施する銘柄をご紹介
🔎登場する銘柄
✅入園券/優待券:オリエンタルランド、ヤマダホールディングス
✅割引券:三越伊勢丹、日本航空、FOOD&LIFE COMPANIES
✅ポイント:マツキヨココカラ&カンパニー、KADOKAWA
株主優待を新設した企業が過去最高
株式投資は買ったときより値上がりしてから売ると利益(キャピタルゲイン)が得られますが、それ以外にも配当や株主優待をもらえる(インカムゲイン)というメリットがあります。最近では、個人投資家を増やそうと新たに株主優待を導入したり、充実させたりする動きが加速し、魅力的な株主優待が次々と登場しています。
株主優待は、企業が株主に対して自社の商品やサービスを知ってもらうために行ったり、株主を増やすために行ったり、収益の一部を還元するために行っています。その内容は、自社製品や利用券、割引券のほか、QUOカードなどのギフトカード、イベント招待など、実にさまざまです。
この株主優待は日本特有のもので、一時は外国人株主や機関投資家との公平性を損なうとして廃止・縮小の傾向も見られました。ところが、NISA改正を機に改めてそのメリットが見直され、2024年には新設企業が131社と過去最高を記録し、現在1,500社以上が実施しています。
3月は株主優待ラッシュ!
株主優待をもらうには特定の日(権利確定日)に一定数の株式を保有している必要がありますが、多くの場合、権利確定日は決算月の月末に設定されています。日本では3月決算の会社が多く、3月はまさに株主優待のラッシュシーズンと言えるでしょう。
株主優待に着目して株式を購入する投資家も多いため、例年、魅力的な優待を行う会社は3月末に向けて人気を集め、株価も上昇する傾向にあります。なお、権利確定日に権利が確定すれば、その翌日に売却しても優待は受け取ることができます。
ただし、せっかくお得な優待品をもらったとしても、肝心の株価が下がりっ放しで損して売ることになっては元も子もありません。最近では、優待だけを狙って売買する短期の投資家ではなく、ずっと保有し続けてくれる長期株主を優遇するため、「1年以上保有の株主」と限定したり、保有期間や株数によって内容に差をつけたりするケースも目立ちます。
株価はさまざまな要因で上がったり下がったりしますが、最も影響を与えるのがその企業の業績です。業績が上向きであれば株価は上昇する可能性が高まり、下向きだと下落しがちです。購入する前に業績も必ずチェックするようにしましょう。
3月末に優待を実施する企業の権利確定日は3月31日(月)。株主優待を受け取るには、この2営業日前までに株式を購入する必要があり、今年は3月27日(木)が権利付最終日です。27日の権利付最終日までに株式を購入し、31日の権利確定日まで売らなければ株主優待を受け取れることになります。ただし、「1年以上保有」などの条件がある場合はこの限りではありません。
株主優待は権利を得ればなにもしなくても自動的に送られてくる場合もありますが、ネットや郵送などで申し込む必要がある場合もあります。また、株主優待の内容や条件が突然変更になったり、廃止されたりすることもあるので、最新情報をチェックしましょう。
今回は「株主優待68銘柄【2025年1~3月】」の中から魅力的な株主優待を実施する銘柄をご紹介します。
オリエンタルランド<4661>
「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」などのテーマパークを運営。2024年6月、ディズニーシーに「ファンタジースプリングス」が開業。日本郵船と業務提携し、2028年度からクルーズ船の運航も計画。
株主優待は、東京ディズニーランドか東京ディズニーシーのどちらかで利用可能な1デーパスポートの贈呈で、3月末は500株以上、9月末は2,000株以上の株主のみが対象。
ただし、3年以上継続して100株以上を保有している株主には、9月末に1枚が贈呈(追加)される。2023年の株式分割で株主優待も変更されてハードルが上がったが、100株でも3年以上保有していればゲットできる。海外からの来園者も増えており、2025年3月期今期は増収増益の見込み。
株価は2024年1月昨年来高値5,765円から今年2月19日昨年来安値3,083円へ下落。2021年以来の安値水準なので、3年保有の優待狙いで100株分買い、さらに下がった時の押し目買いなどで500株に増やしていくという方法も。
ヤマダホールディングス<9831>
「テックランド」「LABI」などを展開する家電量販店の最大手。M&Aで注文住宅や高級家具・インテリアなどにも進出。
株主優待は、100株以上500株未満の株主に対し、国内グループ店舗で使える優待券(500円)を3月末に1枚、9月末に2枚贈呈。
優待券は購入金額合計1,000円(税込)ごとに1枚利用可能。家電だけでなく、日用品や化粧品、薬品、食料品など、幅広い品目に使えるので、節約効果も。
2025年3月期今期は、営業利益予想が16.2%増の見込み。
株価は2023年から450円前後で横ばいでの推移が続いている。株主優待がもらえる最低購入金額も5万円以下と安いので、株主優待デビューに適している面も。
三越伊勢丹ホールディングス<3099>
デパートの三越や伊勢丹、高級食品スーパーなどを展開する流通大手。
株主優待は、3月末に100株以上保有する株主(9月末は新規の株主番号で株主名簿に記録された株主のみが対象)に対し、デパートやオンラインショップで使える10%割引カードを贈呈(レストランや一部有名ブランド品などは対象外)。
3月末の株主の場合、100株で30万円、300株で40万円など、持株数に応じて利用限度額が異なる。そのほか、カードの提示により催事場で行われる美術展などの有料催事に2名まで無料または優待価格で入場可能で、買い物による駐車場無料の1時間延長サービスもある。
訪日客増加による高級品販売が好調で、2025年3月期今期は過去最高益を更新見込み。
株価は訪日客増加に伴って2023年12月安値1,485.5円から2024年7月高値3,674円へ上昇。その後8月安値1,948円まで下落。今年に入りおよそ2,350~2,700円程度で推移。
日本航空<9201>
国内線、国際線で国内2位の航空会社。傘下にLCCのジップエアなど。
株主優待は、日本航空(JAL)をはじめ、関係各社の国内線全路線を対象に、割引券1枚で1人片道1区間を50%割引で利用できる株主割引券を贈呈。100株以上の株主には3月末に1枚、200株以上300株未満の株主には3月末と9月末に各1枚発行。
さらに、3年(7基準日)連続で所有する300株以上の株主には、保有株数に応じて各1~3枚追加で発行。
インバウンドの旺盛な需要を取り込み、2025年3月期今期売上高予想は16.8%増の見込み。2期連続の増配も魅力。
株価は2023年6月高値3,205円から2024年8月昨年来安値2,088円へ下落。その後今年2月14日高値2,632.5円まで上昇し回復基調。
FOOD&LIFE COMPANIES<3563>
回転寿司トップの「スシロー」や「京樽」などを展開。
9月決算だが、3月にも株主優待を実施。「スシロー」や大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」などの国内全店舗で利用できる電子優待割引券を贈呈。
100株以上200株未満で1,650円分、3年以上継続保有なら2,750円分に。6月下旬及び12月下旬に郵送される二次元コードを読み取って、スマートフォンなどで割引券として受け取り、レジで利用する。
国内では客数が増え、客単価も上昇して採算面が改善。海外店も好調で、2025年9月期今季は売上収益が前期比13%増、営業利益が11.2%増と、最高益更新を見込んでいる。
2月上旬に発表された2025年10-12月期の好決算を好感して、株価は2024年8月昨年来安値2,013円から今年2月14日昨年来高値4,365円まで上昇。堅調に高値を更新しているが2021年4月の上場来高値5,480円までは届いていない。
マツキヨココカラ&カンパニー<3088>
マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが2021年に経営統合して誕生したドラッグストア最大手。「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」「どらっぐぱぱす」など、国内で3,464店舗(2024年3月末)を展開。
株主優待は、グループ店舗やオンラインショップで使えるマツキヨココカラポイントを100株以上の株主に2,000ポイント(2,000円分)、500株以上で3,000ポイント(3,000円分)を3月末と9月末の株主に贈呈。ポイントは「マツキヨココカラ公式アプリ」をインストールして利用する。
訪日客の増加で化粧品や医薬品の販売が伸び、2025年3月期今期は小幅増益の見込み。売上高は1兆円を突破しており、2026年3月期来期までに1.5兆円達成を目指す。
株価は2022年1月安値1,245円から2023年8月高値3,193.7円へ上昇。その後2024年11月昨年来安値2,022円まで下落。直近はおよそ2,150~2,300円程度で推移。
KADOKAWA<9468>
出版大手のKADOKAWAと動画サイト運営のドワンゴが統合し、ゲームやアニメ、電子書籍などに強み。「N高等学校」や通信制「ZEN大学」も運営。
株主優待は、3月末に100株以上、1年以上継続保有している株主を対象に、自社製品の本やサービスと交換できる株主優待ポイント(1ポイント=100円相当)を進呈。
100株以上300株未満で1年以上3年未満の株主に30ポイント(3,000円分)、3年以上なら45ポイント(4,500円分)、300株以上500株未満で5年以上なら60ポイント(6,000円分)など、株数と保有期間によって異なる。
ニコニコが2024年のサイバー攻撃で赤字となり、2025年3月期今期は増収減益の見込みだが、ソニーグループ<6758>との資本業務提携による来期のシナジー効果に期待。
ソニーからの買収騒動で2024年8月昨年来安値2,246.5円から12月13日昨年来高値4,552円まで上昇。その後12月24日安値3,028円まで急落したが、緩やかに回復基調にあり、今年2月17日高値3,830円まで上昇。
3月の当社取扱銘柄の株主優待
権利確定月 | 銘柄 | 主な株主優待 |
---|---|---|
3月 | ニッスイ | 自社商品詰め合わせ3,000円/5,000円相当 |
3月 | 大成建設 | 「軽井沢高原ゴルフ倶楽部」優待クーポン券 |
3月 | 大和ハウス工業 | 自社グループ施設、グルメギフトなど共通利用券 |
3月 | ヤクルト本社 | 自社商品詰め合わせ |
3月 | 明治ホールディングス | 自社グループ製品1,500~5,500円相当 |
3月 | キッコーマン | 自社グループ商品1,000~5,000円相当 |
3月 | 味の素 | 自社製品1,500~7,000円相当 |
3月 | 東洋水産 | 自社商品詰め合わせ2,000~5,000円相当 |
3月 | 日清食品ホールディングス | 自社グループ製品1,000~7,500円相当 |
3月 | マツキヨココカラ&カンパニー | マツキヨココカラポイント2,000~5,000円相当 |
3月 | 三越伊勢丹ホールディングス | 10%割引優待カード |
3月 | FOOD&LIFE COMPANIES | 「スシロー」などの割引券 |
3月 | さくらインターネット | QUOカード500円分 |
3月 | 王子ホールディングス | 王子ネピアの商品セットから選択 |
3月 | ミンカブ・ジ・インフォノイド | 優待ポイントで「株探プレミアム」などと交換 |
3月 | テルモ | 血圧計、体温計などを特別価格で販売 |
3月 | オリエンタルランド | ディズニーリゾートの1デーパスポート |
3月 | 富士フイルムホールディングス | 自社グループヘルスケア商品の割引販売 |
3月 | 出光興産 | キッザニア入場券(抽選) |
3月 | TOTO | 優待品から選択 |
3月 | 日本製鉄 | 工場見学会、経営概況説明会に招待 |
3月 | JFEホールディングス | 自社グループの工場見学会に応募 |
3月 | 小松製作所 | オリジナルミニチュア |
3月 | マキタ | QUOカード1,000~10,000円相当 |
3月 | ニデック | 「オルゴール記念館すわのね」の無料入館 |
3月 | ソニーグループ | AV商品15%割引クーポン |
3月 | 京セラ | QUOカードまたはカタログギフト1,000~10,000円 |
3月 | ゆうちょ銀行 | 3,000円相当のオリジナルカタログ |
3月 | 日産自動車 | 株主紹介特典で5,000円相当のカタログギフト |
3月 | 本田技研工業 | レースなどのイベントに応募 |
3月 | ゼンショーホールディングス | お食事優待券1,000円分 |
3月 | バンダイナムコホールディングス | 優待ポイントで優待品を選択 |
3月 | TOPPANホールディングス | 日本画家のオリジナルカレンダー |
3月 | サンリオ | テーマパーク共通優待券 |
3月 | りそなホールディングス | クラブポイントを進呈 |
3月 | SBIホールディングス | 暗号資産リップル(XRP)の受け取り |
3月 | 大和証券グループ本社 | 名産品・雑貨、会社四季報などから選択 |
3月 | 日本取引所グループ | QUOカード1,000円相当 |
3月 | 第一生命ホールディングス | 2,000円/5,000円相当のアプリポイント |
3月 | 三井不動産 | 三井ショッピングパークポイント1,000ポイント |
3月 | 東急 | 株主優待乗車証 |
3月 | 東日本旅客鉄道 | 運賃・料金40%割引券 |
3月 | 西日本旅客鉄道 | 運賃・料金50%割引券 |
3月 | 東海旅客鉄道 | 運賃・料金10%割引券 |
3月 | 東京地下鉄 | 株主優待乗車証 |
3月 | 西武ホールディングス | 株主優待乗車証 |
3月 | 阪急阪神ホールディングス | 株主優待乗車証 |
3月 | 日本郵船 | 「飛鳥クルーズ」の優待10%割引券 |
3月 | 商船三井 | クルーズ3~20%割引券 |
3月 | 日本航空 | 国内線50%割引券 |
3月 | ANAホールディングス | 国内線の割引運賃搭乗優待 |
3月 | 日本電信電話 | dポイントを1,500ポイント付与 |
3月 | KDDI | 自社関連サービスから特典を選択 |
3月 | ソフトバンク | PayPayマネーライト1,000円分 |
3月 | KADOKAWA | 優待ポイントで自社商品・サービスと交換 |
3月 | レノバ | QUOカード300~30,000円分 |
3月 | セコム | 防災備蓄品 |
3月 | ヤマダホールディングス | お買い物優待券500~25,000円分 |
3月 | ニトリホールディングス | お買い物10%割引券 |
記事作成日:2025年2月19日