中東情勢の沈静化で上昇期待の日米株10選

💡この記事のポイント

✅日米の主要株価指数は史上最高値を更新するなか、出遅れている銘柄も

✅出遅れ銘柄は、中東情勢の沈静化によって見直される可能性

✅中東情勢の沈静化期待で注目の日米株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:キャタピラーシュルンベルジェカーニバル

✅日本株:小松製作所ANANIPPON EXPRESSホールディングス

 

目次

出遅れ銘柄に見直し期待

キャタピラー<CAT>

シュルンベルジェ<SLB>

カーニバル<CCL>

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス<UAL>

ブッキング・ホールディングス<BKNG>

小松製作所<6301>

日東電工<6988>

ANAホールディングス<9202>

エイチ・アイ・エス<9603>

NIPPON EXPRESSホールディングス<9147>

中東情勢の沈静化で上昇期待の日米株10選

戦争終結に向けて進展があったかと思えば、すぐに後退してしまう中東情勢。日米の株式市場にとっては大きなリスク要因となっています。一方で、業績好調なAIや半導体関連がけん引し、ナスダック総合指数やNYダウ、日経平均といった日米の主要株価指数は史上最高値を更新しています。

 

ただ、AI・半導体関連以外の銘柄は上値が重く、年初来安値を更新する銘柄も散見されます。ここまでAI・半導体関連の上昇に乗り切れなかった投資家にとっては、今から高値圏にあるAI・半導体関連には手を出しづらいかもしれません。そこで、戦争終結や原油価格の落ち着きを見据えて、出遅れている銘柄に注目するのもひとつの方法です。

 

 

出遅れ銘柄に見直し期待

中東情勢については、米国とイラン側で停戦延長などが盛り込まれた覚書についての合意が期待されていますが、先行きが不透明な状況がなお継続しています。ただ、11月に中間選挙を控えているトランプ大統領としては、一刻も早い戦争終結を望んでいるとの指摘もあります。また、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖が続けば、原油価格が高止まりし、米国だけではなく、世界経済にインフレ圧力としてのしかかってきます。

 

インフレを抑えるためには、利上げなどの金融政策が必要ですが、かねてから連邦準備理事会(FRB)に利下げを要求しているトランプ大統領としては、戦争が長引くことは政策面でも重荷になりかねません。

 

今回は、戦争が終結に向かい、原油価格が落ち着きを取り戻すことで見直しが期待される銘柄をご紹介します。

 

 

キャタピラー<CAT>

パワーショベルやブルドーザーなどの建設機械や産業用ガスタービン等のエンジン・発電装置などの開発、製造、販売を手がけています。中東のエネルギー施設や周辺インフラなど、復興・復旧による需要増が期待できそうです。足元の業績も増収増益が続いています。

 

株価は5月7日に上場来高値931.35ドルまで上昇。その後も、高値圏で推移しているものの、相場全体の上昇に比べて出遅れ感がありそうです。

 

 

シュルンベルジェ<SLB>

原油・天然ガス会社が顧客。油田やガス田の探索・掘削を支援する機器やサービスなどを手がけています。中東は同社にとって重要な市場で、2025年は年間売り上げの約34%を占めていました。エネルギー施設の修復で活躍余地がありそうです。

 

株価は3月13日安値44.72ドルから、適度な押し目を入れながら上昇トレンドが継続しています。年初来高値は5月26日の58.82ドルです。

 

 

カーニバル<CCL>

米国のマイアミに拠点を置く世界最大級のクルーズ会社です。中東情勢の悪化による原油高による燃料費の高騰は、同社にとって深刻な減益リスクとなります。株価もそれを懸念材料に調整が続いていますが、原油価格が落ちついてくれば燃料費への懸念が和らぎ、株価が見直される可能性がありそうです。

 

株価は2月6日年初来高値34.03ドルまで上昇後は調整に入り、5月20日年初来安値23.45ドルまで下落。その後は原油価格の下落により上昇に転じ、直近では28ドル前後で推移しています。

 

 

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス<UAL>

ユナイテッド航空を運営し、旅客・貨物輸送を手がけています。北米に加えアジアや欧州、中東や中南米などで航空事業を展開しています。足元の業績は良好ですが、やはり原油高は航空会社にとっては逆風となります。足元では原油価格に株価が敏感に反応しているようです。

 

株価は1月7日年初来高値119.21ドルまで上昇後は調整に入り、3月30日年初来安値84.64ドルまで下落。直近では原油価格の下落で110ドル台を回復しています。

 

 

ブッキング・ホールディングス<BKNG>

Booking.comやAgodaなどを傘下に持つ、世界最大級のオンライン旅行予約プラットフォームです。中東情勢の緊迫化が同社にとって高単価なエリアの旅行需要に悪影響を及ぼしており、2026年12月期今期の業績見通しを引き下げるなど業績の逆風となっています。原油高に伴う航空券の価格上昇も旅行手控えの要因となっているため、中東紛争が終結してグローバルな旅行需要が正常化すれば、株価のリバウンドも期待されそうです。

 

株価は、1月9日年初来高値220.75ドルから2月23日安値150.62ドルまで下落。その後は中東紛争や4月に1対25の大規模な株式分割を実施しなどもあり、160~190ドル程度でのもみ合いが続きました。5月20日年初来安値150.14ドル以降はやや値を戻し、直近は170ドル前後で推移しています。

 

 

小松製作所<6301>

建設機械で世界2位の実績。大型ブルドーザーなどで中東での販売網も。2027年3月期今期は減収減益を見込んでいますが、この会社予想はかなり保守的と見られているようです。紛争終結は中東での復興・復旧需要期待に繋がる可能性があります。全体相場が堅調な中、出遅れが意識されやすい銘柄と言えそうです。

 

株価は年初の5,000円台から急上昇し、2月13日上場来高値7,840円まで上昇。その後は、やや調整に入り、直近では6,500円近辺で推移しています。

 

 

日東電工<6988>

総合材料メーカー。海水を飲み水に変える世界最高レベルの逆浸透膜技術を有し、水不足の解消に貢献、中東でもその実績が評価されています。日本国内でも海水淡水化や水処理関連のテーマとして、物色されやすい銘柄です。2027年3月期今期は、増収増益の見込みです。

 

株価は1月15日年初来高値3,834円まで上昇後は調整に入り、4月30日年初来安値2,915円まで下落。その後も安値圏でのもみ合いが続き、直近では3,000円前後で推移しています。

 

 

ANAホールディングス<9202>

国内線、国際線ともに国内トップの航空会社です。航空会社にとって、原油価格の上昇は利益を蝕む要因となります。2027年3月期今期は増収を見込む一方、中東情勢の悪化にともなう原油価格の上昇などの逆風もあり減益の見込みとなっており、株価は上値の重い展開が続いています。

 

株価は2月27日年初来高値3,419円まで上昇後は一服し、原油価格の上昇にともない4月30日年初来安値2,582円まで下落。直近は2,800円前後で推移しています。

 

 

エイチ・アイ・エス<9603>

格安航空券で人気の、海外旅行が主力の大手旅行会社です。原油価格の上昇により、航空券や旅行代金も値上がりしているため、海外旅行を控える人も多く、株価はさえない動きとなっています。戦争が終結し、原油価格が落ち着けば、株価のリバウンドも期待されます。

 

株価は1月20日年初来高値1,363円から5月27日年初来安値1,013円まで下落。その後は小幅ながら6連騰し6月3日高値1,093円まで戻しています。

 

 

NIPPON EXPRESSホールディングス<9147>

陸・海・空の総合物流を展開する世界的な物流大手です。物流企業にとって原油価格の上昇は輸送コストを押し上げる要因となるため、中東紛争が終結し原油価格が落ち着けば、収益性の向上に繋がる可能性があります。また、足元では米アクティビスト(物言う株主)のエリオット・インベストメント・マネジメントによる株式の大量保有が判明し、経営改革への思惑から株価は上昇基調となっています。

 

株価は、エリオットの大量保有が判明した4月28日以降に上昇基調を強め、11連騰後の5月29日には上場来高値5,325円まで買われるなど、強い動きが続いています。

 

 

記事作成日:2026年6月3日