💡この記事のポイント
✅ AIの電力需要増で核融合発電の開発競争が加速
✅日本は早期実用化に前向きな高市新総裁の誕生で注目度アップ
✅ 核融合発電に関連する日米株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅日本株:日立製作所、三菱重工業、フジクラ
✅米国株:マイクロソフト、リンデ、コンステレーション・エナジー
✅ AIの電力需要増で核融合発電の開発競争が加速
✅日本は早期実用化に前向きな高市新総裁の誕生で注目度アップ
✅ 核融合発電に関連する日米株をご紹介
✅日本株:日立製作所、三菱重工業、フジクラ
✅米国株:マイクロソフト、リンデ、コンステレーション・エナジー
夢のエネルギー「核融合発電」に世界が注目
早期実用化に前向きな高市新総裁誕生
日本株
米国株
AI(人工知能)の急速な普及により、データセンターなどで使われる電力の需要が世界的に急増しています。この「電力不足」という社会課題の解決策として、次世代クリーンエネルギー「核融合発電(フュージョンエネルギー発電)」が注目されています。
核融合発電は、簡単に言うと「地上に人工の太陽を作る」ような技術です。太陽が巨大なエネルギーを生み出し続けるのと同じ「核融合反応」を利用します。
燃料は、海水中に豊富に含まれる「重水素」などです。これらを1億度以上の超高温状態(プラズマ)にして原子核同士を衝突させ、そのときに生まれる莫大なエネルギーを使って発電するのが核融合発電の仕組みです。
核融合発電はまだ実用化されていませんが、「夢のエネルギー」と言われています。その理由は、主に3つあります。
①安全性が高い
②二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギー
③燃料がほぼ無尽蔵
現在の原子力発電(核分裂)と違い、核融合反応は連鎖しないため、燃料の供給を止めれば反応はすぐに止まります。原理的に暴走する危険性がないとされ、高レベルの放射性廃棄物が出ないというメリットもあります。また、現在の原子力発電のように、発電時にCO2を排出しないため、地球温暖化対策としても期待されています。
さらに、核融合発電の主な燃料である重水素は海水から取り出せるため、特定の国に偏る化石燃料とは異なり、資源の乏しい日本でも安定的に確保できるエネルギー源とされています。
米国では、アルファベット<GOOGL>傘下のグーグルやマイクロソフト<MSFT>といった巨大テック企業が、スタートアップ企業と出資や電力供給契約に乗り出しており、技術開発競争が激化。実用化に向けた動きが加速しています。
一方、日本では、核融合発電の早期実現に前向きな姿勢を示す高市早苗氏が自民党の新総裁に就任しました。これをきっかけに、株式市場では関連銘柄が大きく上昇するなど関心が高まっています。
今回は、世界的な開発競争と国内の政策期待という2つの側面から、核融合発電関連の日米株をご紹介します。
重要装置の開発、製作で貢献
同社は、核融合実験炉の実現を目指す超大型国際プロジェクト「ITER(イーター)計画」において、プラズマを加熱するための「中性粒子入射加熱装置(NBI)」といった、非常に高い技術力が求められる重要装置の開発実績があります。原子力分野で培った高い技術力で、核融合の実現に貢献することが期待されているようです。
重工業の総合力でプラント建設を担う
同社は、国際プロジェクトであるITER計画の中核を担う企業です。タービンや発電プラント、極低温機器など、長年のエネルギー事業で培った総合力は、将来の核融合プラント建設においても幅広い分野で活かされることが期待されます。まさに日本の核融合開発を支える中心的な存在と言えそうです。
炉心構造物の製作で重要な役割
同社は、ITER計画において炉心プラズマを閉じ込める「真空容器」など、炉心構造物の製作に関する取り組みで知られています。高温のプラズマを扱う核融合炉において、その心臓部ともいえる部分の製造を担っており、日本のものづくり技術の高さを世界に示しています。
要素技術でプロジェクトを支える
同社もITER計画に参加しており、極低温のヘリウムを循環させるためのポンプなど、特殊な環境で使われる要素技術で実績があります。核融合炉に不可欠な極低温、真空といった分野での高い技術力が、プロジェクトの実現を支えています。
低温・高温双方で強みを持つ超電導技術
同社も超電導線材の分野で高い技術を持つ企業です。フランスで建設が進むITER向けに超電導ケーブルを納入した実績があります。今後は、将来の小型核融合炉なども見据え、高温超電導線材の開発も進めていくようです。低温と高温の両方でソリューションを提供できる技術力で、核融合開発に貢献することが期待されます。
不可欠な超電導材料の主要供給者
核融合炉で高温のプラズマを閉じ込めるには強力な磁場が必要で、その基盤となる超電導材料の高度な製造技術が求められます。同社は高温超電導線「DI-BSCCO」をはじめとする超電導線材で主要供給者の1社として実績があり、核融合を含む高磁場応用での活用が期待されています。
超電導線材技術で開発に貢献
同社も住友電気工業と同様に、超電導線材の分野で高い技術力を持つ企業です。核融合炉を実現するためには、より高性能で安定した超電導線材が求められており、同社が長年培ってきた電線技術が活かされる分野です。今後の開発競争においても重要な役割を担うことが期待されます。
「光」の技術でレーザー核融合を支える
同社は、光技術を応用した製品で世界的に高いシェアを誇ります。核融合には磁場を使う方式のほかに、強力なレーザーを燃料に照射して反応を起こす「レーザー核融合」という方式があり、同社はこの分野で中心的な役割を担っています。発電炉に使われる高性能なレーザーの開発などを手掛けており、日本の技術が世界をリードする可能性を秘めているようです。
将来の担い手として期待される電力会社
長年にわたり原子力発電所の安全な運転、保守に携わってきた経験とノウハウは、将来、核融合発電所が実用化された際の運営においても活かされることが期待されます。電力の安定供給という使命を持つ電力会社にとって、核融合は重要な選択肢の一つとなりそうです。
AIの電力確保へ、核融合電力の購入契約
同社は、核融合スタートアップのヘリオン・エナジー社と、世界で初めてとなる核融合電力の購入契約を結びました。これは、AIやクラウドサービスで急増する電力需要を、将来的に無炭素電源で賄うための先進的な取り組みです。巨大IT企業が需要家として名乗りを上げたことで、実用化への期待が高まっています。
データセンターの脱炭素化を推進
同社も、マサチューセッツ工科大学(MIT)発の核融合スタートアップCFS(Commonwealth Fusion Systems)社から、将来的に電力を購入する契約を結んだと報じられています。データセンターの電源を100%カーボンフリーにすることを目指しており、その有力な選択肢として核融合に注目しているようです。
極低温技術で核融合を支える世界的企業
産業ガスとエンジニアリングの世界的リーダーです。核融合炉を稼働させるために不可欠な、超電導磁石などを絶対零度近くまで冷却する巨大な冷凍システムといった極低温技術を提供しています。ITER計画にも深く関わっており、縁の下の力持ちとして核融合研究を支える重要な存在のようです。
新方式の核融合スタートアップへ出資
世界的な石油メジャーである同社は、未来のエネルギーへの投資も積極的に行っています。同社のベンチャーキャピタル部門を通じて、従来とは異なるアプローチで核融合の商業化を目指すスタートアップ「Zap Energy」に出資したことを発表しました。エネルギー大手が次世代技術の多様な可能性に目を向けているようです。
電力市場での重要な調整役
米国最大級の原子力発電事業者である同社は、クリーンエネルギー供給のリーダー的存在です。マイクロソフトとヘリオン社の契約では、発電された電力を送電網に乗せ、市場で取引するための調整役(マーケター)を担うとされています。核融合電力を社会に届ける上で、重要な役割を担う可能性がありそうです。
防衛大手が挑むコンパクト核融合
世界的な防衛、航空宇宙企業である同社は、小型の「コンパクト核融合炉」の研究開発を長年続けていることでも知られています。実用化への道のりは長いと見られていますが、その高い技術力と研究開発の蓄積が注目されています。
記事作成日:2025年10月8日
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