急落で注目の「インバウンド関連」日本株12選

💡この記事のポイント

✅高市首相の発言を受け、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけ

✅訪日客減少の懸念から、百貨店や化粧品などの「インバウンド関連株」が急落

✅押し目買いの好機となるか、注目の日本株12選をご紹介

🔎登場する主な銘柄

三越伊勢丹ホールディングス資生堂オリエンタルランド日本航空

 

目次

日中関係悪化懸念でインバウンド関連株が急落

三越伊勢丹ホールディングス<3099>

資生堂<4911>

 オリエンタルランド<4661>

サンリオ<8136>

日本航空<9201>

ANAホールディングス<9202>

東海旅客鉄道<9022>

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>

マツキヨココカラ&カンパニー<3088>

ファーストリテイリング<9983>

良品計画<7453>

FOOD&LIFE COMPANIES<3563>

急落で注目の「インバウンド関連」日本株12選

日中関係悪化懸念でインバウンド関連株が急落

2025年11月17日の東京株式市場では、日経平均が一時5万円の大台を割り込むなど、波乱の展開となりました。その中心にあったのは、「インバウンド(訪日外国人客)関連株」の急落です。

 

きっかけとなったのは、高市早苗首相の国会答弁と、それに対する中国側の反応でした。

報道によると、台湾有事を巡る首相の発言を受け、中国外務省が中国国民に対して日本への渡航を当面控えるよう注意喚起を行ったとされています。また、留学についても慎重に検討するよう通知が出されたとのことです。

 

これを受け、市場では「中国からの訪日客需要が再び減少するのではないか」という警戒感が急速に高まりました。百貨店、空運、ドラッグストアなど、インバウンド消費の恩恵を受けてきた銘柄が軒並み売られる展開となっています。

 

一方で、株価が大きく下がった局面を「押し目買い(株価が下がったタイミングで買うこと)」のチャンスと見る動きもあるようです。

 

今回は、このニュースで急落したインバウンド関連銘柄をご紹介します。

 

 

三越伊勢丹ホールディングス<3099>

老舗百貨店「三越」「伊勢丹」などを運営する大手百貨店グループです。

富裕層や訪日外国人客の利用が多く、インバウンド関連の代表格として注目されてきました。しかし、今回の中国政府による渡航自粛の注意喚起を受け、今後の訪日客数の動向が業績に与える影響が懸念されているようです。

17日は前日比-11.3%安となりました。

 

資生堂<4911>

日本を代表する化粧品メーカーです。

「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」などの高級ブランドを展開していますが、同社は海外売上高比率が高く、特に中国市場への依存度が比較的高いことで知られています。

もともと中国経済の減速による需要低迷が意識されていましたが、今回の日中関係の悪化懸念が追い打ちとなり急落しました。

17日は前日比-9.07%安となりました。

 

 オリエンタルランド<4661>

「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」を運営しています。

アジア圏からの観光客にも絶大な人気を誇るテーマパークであり、インバウンド比率の上昇がチケット収入やホテル稼働率の向上に寄与してきました。2024年6月に開業した新エリア「ファンタジースプリングス」が好調なものの、中国人観光客の減少懸念もあり株価は調整していました。高付加価値化による客単価の向上が、客数減をどこまでカバーできるかが注目されます。

17日は前日比-5.67%安となりました。

 

サンリオ<8136>

「ハローキティ」をはじめとするキャラクター商品の企画・販売や、ライセンス事業を展開しています。

海外でも高い知名度を誇る同社のキャラクターグッズは、訪日外国人客のお土産としても人気があり、インバウンド需要の恩恵を受けています。また、中国はライセンス事業における重要な市場の一つでもあります。そのため、日中関係が悪化すると、インバウンド消費の減少に加え、中国現地でのライセンス収入への影響も懸念されます。キャラクタービジネスはブランドイメージが重要であるため、政治的な対立が不買運動などに繋がるリスクが意識され、売り材料となることがあるようです。

17日は前日比-6.08%安となりました。

 

日本航空<9201>

国際線・国内線の旅客運送事業を展開する大手航空会社です。

コロナ禍からの回復局面において、中国路線の復便は収益拡大の重要な鍵となっていました。しかし、日中関係の悪化により団体旅行のキャンセルやビジネス渡航の停滞が懸念され、株価の上値を重くする要因となっています。一方で、欧米や他のアジア地域からの需要は引き続き堅調であり、リスク分散が進んでいるかどうかが今後の評価を分けるポイントになりそうです。

17日は前日比-3.74%安となりました。

 

ANAホールディングス<9202>

国内線・国際線ともに国内最大規模のネットワークを持つ航空会社です。

コロナ禍からの回復局面で、インバウンド需要の取り込みが業績回復の鍵となっていました。今回、中国からの渡航自粛要請が出たことで、日中間の人の往来が減少するとの見方が広がり、株価の重荷となっているようです。

17日は前日比-3.35%安となりました。

 

東海旅客鉄道<9022>

東京、名古屋、大阪を結ぶ日本の大動脈「東海道新幹線」を運営しています。

訪日外国人観光客の多くが利用する「ゴールデンルート(東京~京都・大阪)」を支える同社にとって、中国人観光客の動向は無視できない要素です。インバウンド需要の取り込みが成長戦略の一つであるため、客足が鈍ることへの警戒感から売りが出やすくなっているようです。ただ、国内のビジネス需要や観光需要は底堅く、リニア中央新幹線の建設など長期的な材料も持っています。

17日は前日比-2.99%安となりました。

 

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>

総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを展開しています。

「ドンキ」は訪日観光客にとって人気のショッピングスポットとなっており、食品や日用品、医薬品などの免税売上が好調に推移してきました。今回の報道を受け、同社もインバウンド需要減退の影響を受ける銘柄として連想売りが出た模様です。

17日は前日比-5.26%安となりました。

 

マツキヨココカラ&カンパニー<3088>

大手ドラッグストアチェーンです。

駅前や繁華街の店舗を中心に、化粧品や医薬品を買い求める外国人観光客で賑わいを見せていました。インバウンド消費への期待が高かった分、中国からの客足が遠のくリスクが意識され、株価は軟調な動きとなりました。

17日は前日比-2.87%安となりました。

 

ファーストリテイリング<9983>

「ユニクロ」や「ジーユー」などを展開する世界的なアパレル企業です。

国内の店舗は訪日外国人客のショッピングスポットとして人気が高く、インバウンド需要の恩恵を受けています。一方で、同社は海外事業の拡大に注力しており、中国事業は店舗数・売上ともに大きな規模を占めています。そのため、日中関係が悪化すると、国内でのインバウンド消費の減少に加え、中国現地での不買運動や事業環境の悪化といったリスクが強く意識されます。中国市場への依存度が比較的高いことから、外交問題が報じられた際には、株価がネガティブな反応を示しやすい銘柄の一つです。

17日は前日比-5.29%安となりました。

 

良品計画<7453>

「無印良品」ブランドを世界展開しており、企画・開発から製造・販売までを行っています。

同社はインバウンド銘柄であると同時に、中国国内に多数の店舗を出店している「中国関連銘柄」としての側面も強く持っています。そのため、訪日客による免税売上の減少懸念に加え、中国現地での不買運動や消費意欲の減退といったリスクも意識されやすく、他のインバウンド株に比べて株価が敏感に反応する傾向があります。中国事業の依存度が高いだけに、今後の外交情勢が業績に与える影響を慎重に見極める必要がありそうです。

17日は前日比-9.39%安となりました。

 

FOOD&LIFE COMPANIES<3563>

回転寿司チェーン最大手の「スシロー」をはじめ、大衆寿司居酒屋「杉玉」や持ち帰り寿司「京樽」、回転寿司「みさき」などを展開しています。

訪日外国人にとって「寿司」は日本食の代表格であり、同社は人気のインバウンド関連銘柄の一つです。一方で、同社は海外展開、特に中国本土への出店を積極的に進めています。そのため、日中関係が悪化すると、国内店舗での中国人観光客の減少に加え、中国現地での不買運動や来店客数の落ち込みといったリスクが意識されやすくなります。成長市場である中国事業への期待が大きい分、外交上の懸念が浮上した際には、株価が敏感に反応する傾向があるようです。

17日は前日比-13.71%安となりました。

 

記事作成日:2025年11月17日

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