今年のNISAは今年のうちに!振り返りとメンテナンス

💡この記事のポイント

✅年に1度は資産運用を振り返りましょう

✅今年の「残りのNISA枠」をどうするか?

✅年末に「年1回の健康診断」で総点検!

🔎登場する主な銘柄

✅投資信託:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 愛称:オルカン 三菱UFJ 純金ファンド 愛称:ファインゴールド

✅米国株:エヌビディアアルファベットアップル

✅日本株:キオクシアホールディングスソフトバンクグループ三菱重工業

 

目次

今年のNISA枠は今年のうちに?どう向き合うか

まずは今年1年の取引を振り返ってみましょう

「年1回の健康診断」感覚でポートフォリオを見直す

崩れたバランスを整える「リバランス」とは

残りのNISA枠、迷ったときは?

来年に向けて「マイルール」を1つだけ決めてみる

NISAで人気の投資信託・米国株・日本株

今年のNISAは今年のうちに!振り返りとメンテナンス

年末が近づき、今年一年の出来事を振り返る時期になりました。

 

投資の世界でも、

「今年残りのNISA枠、どうしようかな?」

「運用状況はどうだったかな?」

と気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、年末に行いたいNISA枠の確認や、ポートフォリオ(資産配分)の見直しである「メンテナンス」について解説します。

 

 

今年のNISA枠は今年のうちに?どう向き合うか

NISA(少額投資非課税制度)では、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで非課税で投資できます。

 

この「年間投資枠」は、その年ごとに上限が決まっており、今年の未使用分を来年に繰り越して「来年は360万円+今年の余り」という形で使うことはできません。

 

一方で、NISAには生涯使える「非課税保有限度額(総枠)」が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)となっています。この枠は「簿価(投資した金額の合計)」で管理され、商品を売却すると、その取得額分の枠が翌年以降に復活して再利用できる仕組みになっています。

 

そのため、「今年のうちにどうしても枠を使い切らないと、一生その分がムダになる」と焦る必要はありません。「無理のない範囲で今年の投資を整理し、長く付き合える商品を選べているか」を確認するタイミングと捉えると、少し気持ちが楽になるかもしれません。

 

 

まずは今年1年の取引を振り返ってみましょう

まずは、今年1年のご自身の売買をざっくり振り返ってみましょう。

次のようなポイントで眺めてみると、ご自身の「投資のクセ」が見えてくるかもしれません。

 

今年、買った商品は?

インデックスファンドが中心だったのか、個別の企業の株式が多かったのか、あるいは特定のテーマ型ファンドに偏っていなかったかなどを確認してみましょう。

 

不安や後悔を感じた取引は?

「株価が下がったときに焦って売ってしまった」「ニュースを見て勢いで買ってしまった」といった場面があれば、そのときの気持ちを思い出してみましょう。

 

「良かった/良くなかった」と感じる取引は?

「毎月コツコツ続けたつみたて投資はストレスが少なかった」「逆に、1つの銘柄に大きく投資したときは値動きが気になりすぎた」といった感想を振り返りましょう。

 

ここで大切なのは、「正解の投資」を探すことではありません。

自分がどんなときに不安になり、どんな投資なら落ち着いて続けられたのかという「感情の記録」を振り返ることが、来年以降の投資スタイルを整えるヒントになりそうです。

 

 

「年1回の健康診断」感覚でポートフォリオを見直す

ポートフォリオとは、保有している金融商品をまとめた「持ち物リスト」のようなものです。株式(日本株、米国株などの先進国株、新興国株)、投資信託、債券、REIT(不動産投資信託)、金(ゴールド)、暗号資産(仮想通貨)、現金や定期預金など、何にどのくらい配分しているかを表します。

 

例えば、1年前に「株式は全体の70%くらいにしよう」と決めていても、株価が上がったことで、気づけばポートフォリオの80%以上が株式になっていた、ということもありがちです。

 

このように、当初の計画からバランスが大きくずれた状態をそのままにしておくと、知らないうちにリスクが高くなっていたり低くなっている可能性があります。

 

そこで、年に1回くらいは次のような点をチェックしてみましょう。

 

・ポートフォリオのバランスは、当初のイメージから大きくずれていないか

・特定の国(米国だけ、日本だけ)や特定のテーマ(ハイテクだけ、ゴールドだけ)に偏りすぎていないか

・値動きが気になりすぎてしまう銘柄が、ポートフォリオの中で大きな割合を占めていないか

 

この確認を通じて、「今の自分には少しリスクを取りすぎているかもしれない」「逆に、長期の視点で見れば、ある程度のブレには耐えられそう」など、ご自身の感覚も整理しやすくなります。

 

 

崩れたバランスを整える「リバランス」とは

リバランスとは、崩れてしまった資産配分を、もともとのバランスに戻すメンテナンスのことです。

 

例えば、当初の計画が「株式 70%、債券や現金 30%」だったとします。

その後、株式の値上がりによって現在は「株式 80%、債券や現金 20%」になっている場合、株式を一部売却して債券や現金を増やす、あるいは追加で債券ファンドを買い足すなどで、再び「株式70%、債券や現金30%」に近づけていくイメージです。

 

作業自体はシンプルですが、「いつやるか」を判断するのは悩ましいものです。

そのため、次のようなマイルールを決めておくと、迷わずに済みそうです。

 

・年末など、少なくとも年に1回は配分を確認する

・5%や10%など計画からずれたら、リバランスを検討する

 

必ずしも毎年きっちりリバランスをしなければいけないわけではありませんが、「今の配分で良いのかどうか?」を意識的に点検する機会として、少なくとも年に1回は検証してみてください。もちろん、基本配分自体を見直すべきかどうかも年に1回は考えてみましょう。

 

 

残りのNISA枠、迷ったときは?

年末に「まだNISA枠が少し残っている」と分かると、「何か買わなければもったいない」と感じることもあるかもしれません。そんなときは、次のような考え方も一案です。

 

少しだけ増額してみる

例えば、すでにつみたてている投資信託などを、無理のない範囲で買い足すだけでも、将来の積み上がりが変わってきます。方針や銘柄自体は変えずに額を増やすイメージです。

 

気になるものを買ってみる

「気になっていたけれどまだ買っていない」ファンドや株式などを、残り枠で買ってみるのも一つの方法です。残り枠を新たなチャレンジに活用することで、投資経験や学びの積み重ねに活かすイメージです。

 

あえて使い切らず、「心のゆとり」として残す

NISAでは、売却により非課税枠を再利用できる仕組みがあります。「年内に必ず枠を埋める」ことよりも、「自分が納得して長く持てる商品かどうか」を重視して選ぶことも一つの選択です。

 

 

来年に向けて「マイルール」を1つだけ決めてみる

今年の振り返りとポートフォリオの見直しをしたこのタイミングで、来年に向けた「投資のマイルール」を1つだけ決めておくのもおすすめです。

 

・年に1回、年末にポートフォリオを必ず確認する

・つみたて投資は、一度決めたらよほどの事情がない限り続ける

・個別株を買うときは、「なぜこの株を買うのか」をメモしてから注文する

 

ルールは、覚えやすく、続けやすいものがオススメです。

毎年同じタイミングで見直しを続けていくことで、「自分らしい投資スタイル」が少しずつ形になっていくのではないでしょうか。

 

年末は、今年のNISA枠をどう使うかを考えるだけでなく、「これから投資とどう付き合っていくか」を考える良い節目でもあります。マイルールも年に1回「このままで良いか?」と考えてみましょう。

 

あわてず、落ち着いて、今年の取引とポートフォリオを振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

 

NISAで人気の投資信託・米国株・日本株

PayPay証券の「資産運用の1st STEP」では、毎月「NISA人気銘柄ランキング」を公開しています。そこでは、つみたて投資枠、成長投資枠ともに、いくつかの定番ファンドや個別株が上位に並んでいます。

 

あくまで「多くの人が利用している例」ですが、ポートフォリオを見直す際の参考材料として、代表的なものをいくつかピックアップします。

 

投資信託

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 愛称:オルカン

キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)

三菱UFJ 純金ファンド 愛称:ファインゴールド

iFreeNEXT FANG+インデックス

 

米国株

エヌビディア<NVDA>

金(ゴールド)コース

アルファベット<GOOGL>

テスラ<TSLA>

アップル<AAPL>

 

日本株

キオクシアホールディングス<285A>

ソフトバンクグループ<9984>

三菱重工業<7011>

サンリオ<8136>

JX金属<5016>

 

 

こうした人気銘柄は参考になりますが、「人気だから自分に合っている」とは限りません。

ご自身の投資方針、リスク許容度(どのくらいの値動きまでなら気持ち的に耐えられるか)、他に保有している資産とのバランスなどを踏まえて検討することが大切です。

 

ぜひ毎年、「今年のNISA、今年のうちに」と振り返る習慣を身に付けてください。

 

 

記事作成日:2025年12月17日

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