米宇宙開発局の35億ドル大型契約で注目!宇宙関連の日米株12選

💡この記事のポイント

✅宇宙開発局の大型契約や、宇宙優位性の確保の大統領令で宇宙関連株に注目

✅予算規模や裾野の広さ、テーマの明快さなどから物色が広がる可能性

✅日米の宇宙関連銘柄12選をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:ロッキード・マーチンL3ハリス・テクノロジーズノースロップ・グラマン

✅日本株:三菱重工業川崎重工業IHI

 

目次

宇宙関連銘柄が注目を集める理由

米国株

日本株

米宇宙開発局の35億ドル大型契約で注目!宇宙関連の日米株12選

米国の宇宙開発局(SDA)が、低軌道に大量配備する衛星網について、約35億ドルの大型契約を決めました。この衛星網は、ミサイルの「探知・追跡」を担うもので、合計72基の衛星を低軌道に展開する計画です。

 

また、トランプ大統領が「Ensuring American Space Superiority(米国の宇宙優位性の確保)」の大統領令へ署名し、2028年の有人月面着陸、2030年に恒久的な月面拠点(の初期要素)を整備するといった、政策面でも目標を掲げました。

 

こうした「大型契約」と「国家目標」が同時期に出たことにより、宇宙関連株に注目が集まっています。

 

 

宇宙関連銘柄が注目を集める理由

国策による「予算の具体性と継続性」

宇宙開発は国防・安全保障の“必需品”へと変化しており、巨額で具体的な公的予算が動きやすくなっています。宇宙関連は「1回の打ち上げで終わり」ではなく、運用・更新・増強まで含めてインフラ化しやすい分野なので、ニュースが出るたびに繰り返し注目が集まる可能性があります。

 

広大な「関連産業の裾野」

宇宙ビジネスは「衛星を作る会社」だけにとどまりません。センサー、通信、地上システム、特殊部材、電源など、サプライチェーンが多岐にわたるのが特徴です。一つの大型案件から多くの周辺企業へ「連想買い」が波及しやすい構造と言えそうです。

 

投資家が理解しやすい「明確な物語」

「2028年までに月面着陸」といった具体的な期限と数値目標が示されるため、投資テーマとしてのストーリーが明快です。目標から逆算して「いつ、どの技術が必要か」を予測しやすく、関連企業が“面”で評価されることで市場の熱量が高まりやすそうです。

 

そこで今回は、日米の宇宙関連銘柄をご紹介します。

 

 

米国株

ロッキード・マーチン<LMT>

米国の防衛・航空宇宙の代表格で、SDAの大型契約でも名前が挙がる企業の1社。

同社はこれまでも国策関連に携わってきたことから、「衛星そのものを作る」だけでなく、国防・宇宙の大規模プロジェクトで中核に入りやすいと考えられます。そのため宇宙が安全保障のインフラになっていくほど、こうした大手が物色の中心に置かれやすい傾向があります。

 

L3ハリス・テクノロジーズ<LHX>

通信・センサー・宇宙システムなど電子系に強みを持つ防衛企業で、SDAの大型契約でも名前が挙がる企業の1社。

同社は「衛星を飛ばす」よりも、衛星が集めた情報をどう扱うかという領域に強みがあるため、SDAの「探知・追跡」という目的とも相性が良さそうです。

 

ノースロップ・グラマン<NOC>

革新的な航空宇宙技術に強みを持つ防衛企業で、SDAの大型契約でも名前が挙がる企業の1社。

衛星・宇宙システムに強みがあり、宇宙が国家プロジェクト化すると、実際に作って納品できる「宇宙システムの実装力がある大手」として名前が挙がることが多いようです。

 

アールティーエックス<RTX>

世界最大級の航空宇宙・防衛関連企業。

ミサイル防衛・センサーといった安全保障側から宇宙テーマに接続しやすい企業で、「宇宙×防衛」の物色が強まる局面で意識されやすい銘柄です。SDAの衛星網も「ミサイル警戒・追跡」を目的としているため、同社のようなセンサー側の主役が連想されそうです。

 

ボーイング<BA>

民間航空機生産と防衛・宇宙・安全保障事業などを手がける航空大手。

航空機のイメージが強い一方、NASAの月面探査プログラム「アルテミス計画」で使われるSLS(Space Launch System)のコアステージを製造しているなど、 宇宙関連銘柄としても存在感があり、大統領令が掲げる「2028年の有人月面着陸」はアルテミス計画とも接続しやすい話題のため、連想されやすそうです。

 

ハネウェル・インターナショナル<HON>

産業オートメーション、ビルオートメーション、エネルギーと持続可能性ソリューション分野など幅広く手がける複合企業。

航空宇宙向けの製品・サービスも手がけ、NASAの有人宇宙ミッションにも60年近く携わっているそうです。宇宙開発はロケットや衛星の話題が先行しますが、「制御」「表示」「ナビゲーション」といった機器・システムといったサプライチェーン全体に恩恵をもたらします。

 

日本株

三菱重工業<7011>

総合重機メーカーで、戦闘機や護衛艦、ミサイルまで陸・海・空の装備品を幅広く手がける日本の防衛産業の筆頭企業。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と次世代の大型基幹ロケット「H3ロケット」を共同開発するほか、契約からロケット打ち上げまでのトータルサポートを掲げており、日本のロケット開発・打ち上げの中心的存在として見られやすい企業です。

 

川崎重工業<7012>

航空宇宙システムカンパニーを持ち、航空機の機体部品やエンジンなどの国際共同開発・生産にも参画。

H3ロケットの「ペイロードフェアリング(衛星を覆うカバー)」を開発・製造しており、ロケット関連の裾野としても意識されやすい銘柄です。フェアリングは衛星を守る重要パーツで、打ち上げ回数が増えるほど需要も連動しやすい傾向があります。

 

IHI<7013>

総合重機大手で、航空エンジン事業に強み。民間向け航空エンジン事業は、同社の利益の大きな柱の一つ。

H3ロケットの1段エンジンとして開発されている「LE-9エンジン」のターボポンプ開発に関する技術資料を公開するなど推進系の重要領域を担うことから、ロケットそのものより「エンジン周り」で連想される銘柄です。ロケット打ち上げでは成功・失敗がニュースになりますが、その時に「どの企業がどの部品を担っているか」が意識されることがあり、同社はその連想が働きやすい銘柄と言えそうです。

 

三菱電機<6503>

FA(ファクトリーオートメーション)機器や電力システムに強みがある総合電機メーカー。

宇宙技術開発や衛星構築へのコミットを掲げており、 日本の宇宙関連で「衛星・宇宙システム側」の中心格として語られやすい企業です。1960年代から国際的な宇宙開発と衛星建設に取り組み、大手衛星メーカーなどにも部品を納入しています。

 

日本電気NEC)<6701>

通信インフラで国内首位、顔認証技術の販売を推進、防衛領域も展開。

宇宙分野でも約70年間、通信・放送・地球観測・科学観測など、約80基の衛星開発プロジェクトに関与してきた歴史があります。「たくさん衛星を上げる(=衛星の量産・運用)」という局面では、同社のような“システム側”も注目されやすくなります。

 

富士通<6702>

サーバー、ITシステムの国内トップ。基幹系から運用まで垂直統合。

富士通は長年、JAXA向けに「軌道決定技術(orbit determination technology)」が採用されており、IT・計算の「運用する(データを扱う)」側面からテーマに接続しやすい企業です。月面基地や多数衛星の時代になるほど、「どこにいるかを正確に把握する」「どう運用するか」といったデータ処理・解析・運用の重要性が増すため、“IT×宇宙”の切り口で捉えやすい銘柄です。

 

記事作成日:2025年12月29日

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