アンソロピック・ショックでどうなる?「ソフトウェア」米国株8選

💡この記事のポイント

✅ソフトウェア株が急落する「アンソロピック・ショック」が発生

✅「AIが既存ソフトを飲み込む」という市場の不安に対し、否定的な見方も

✅既存ソフト企業には、AIを追い風に変える「共存」のシナリオも

🔎登場する主な銘柄

セールスフォースアドビパランティア・テクノロジーズマイクロソフト

 

目次

セールスフォース<CRM>

アドビ<ADBE>

パランティア・テクノロジーズ<PLTR>

サービスナウ<NOW>

インテュイット<INTU>

アトラシアン<TEAM>

ワークデイ<WDAY>

マイクロソフト<MSFT>

アンソロピック・ショックでどうなる?「ソフトウェア」米国株8選

2026年2月初週、世界の株式市場に激震が走りました。AI(人工知能)モデル「Claude(クロード)」を開発する米アンソロピックが、営業、法務、データ分析などの実務を自動化する新しいAIツールを発表したことがきっかけです。

 

このニュースを受け、投資家の間では「これまで専用ソフトウェアが必要だった業務が、AIによって一夜にして置き換えられてしまうのではないか」という、いわば「終末論的」な恐怖が広がりました。これが「アンソロピック・ショック」となり、米国のSaaS(クラウド型ソフト)企業を中心に株価が急落する事態となっています。

 

しかし、この市場の反応は「行き過ぎ」との声も上がっています。AI半導体大手エヌビディア<NVDA>のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は、AIがソフトを駆逐するという見方を「非論理的なこと」と否定しました。実際、過去20年近くにわたり、あらゆる産業がソフト化してきましたが、その蓄積された「価値あるビジネスデータ」やノウハウは依然として既存企業の手元にあるからです。

 

AIは魔法ではなく、学習するための正確なデータを必要とします。そのため、顧客との接点や膨大な業務データを持つ既存のソフト企業こそが、AIを自社ツールに取り込むことで、より強力なサービスへ進化させる「共存」のフェーズに入るとの見方もあるようです。

 

そこで今回は、この歴史的な転換点において、改めてその価値とAIとの親和性が注目される、米国のソフトウェア関連株をご紹介します。

 

 

セールスフォース<CRM>

顧客管理(CRM)ソフトで世界最大のシェアを誇る企業です。同社のソフトは営業やカスタマーサポートなど、企業の基幹業務に深く食い込んでいます。今回のショックでは、AIが営業業務を自動化することで同社のソフトが不要になるのではという懸念から株価が軟調となりました。しかし、同社は独自のAI「エージェントフォース」を展開しており、既存の膨大な顧客データとAIを組み合わせることで、より高度なサービスを提供しようとしています。

 

アドビ<ADBE>

「Photoshop」や「Illustrator」など、クリエイティブ分野で圧倒的な地位を築いている企業です。画像生成AIの台頭により、一時は「プロの作業がAIに代替される」との懸念もありましたが、同社は生成AI「Firefly」を自社ソフトに統合。AIを「クリエイターの敵」ではなく「作業効率を高める助手」として活用する路線を鮮明にしています。今回の市場の動揺が「悪材料出尽くし」となるか?に注目したいところです。

 

パランティア・テクノロジーズ<PLTR>

膨大なデータを分析・活用するためのプラットフォームを提供する企業です。政府機関や大手企業を顧客に持ち、AIを活用したデータ分析に強みがあります。今回の「ソフトウェア株売り」の連鎖に巻き込まれ、一時株価が大きく下落する場面もありましたが、同社はもともとAIとソフトウェアの融合を強みとしてきた企業です。複雑なデータの統合・分析という「AIだけでは完結しにくい領域」を担っていることから、アンソロピックの影響がただちに業績悪化に結びつかない可能性もありそうです。

 

サービスナウ<NOW>

企業内のあらゆる業務プロセスをデジタル化し、自動化するプラットフォームを提供する企業です。IT部門の管理から人事、法務まで全社的なワークフローを支えています。同社のような「プラットフォーム型」の企業は、アンソロピックが発表したような個別のAIツールを自社のシステム内に取り込むことで、さらに利便性を高めることができる「AI時代の恩恵を受ける側」であるとの見方もあるようです。

 

インテュイット<INTU>

個人向け確定申告ソフト「TurboTax」や中小企業向け会計ソフト「QuickBooks」を展開する、財務・会計ソフトウェアの最大手です。複雑な税制や会計処理をAIが自動化することで、専門知識がなくても正確な処理ができるようサポートしています。AIが会計処理を完結させてしまうという懸念も出ましたが、同社はAIを活用してユーザーの財務判断を助ける「パーソナライズされた財務支援」を強化しており、信頼性の高いデータを持つ強みが再評価される可能性もありそうです。

 

アトラシアン<TEAM>

チームの生産性を高めるプロジェクト管理ツール「Jira」や情報共有ツール「Confluence」などを提供する企業です。世界中の開発チームの共同作業を支える同社の製品は、すでに多くの企業の「インフラ」として利用されています。AIによるツール連携を進めており、タスク管理やドキュメント作成が自動化されることは、同社ツールの価値をさらに高める要素となります。AIが普及すればするほど、整理された情報を扱うプラットフォームの重要性が増すとの見方もあるようです。

 

ワークデイ<WDAY>

人事管理(HRM)や財務管理のためのクラウド型ソフトウェアを提供する企業です。大手企業を中心に、世界中の従業員データや財務データを管理する基盤として採用されています。AIを活用して従業員のスキル分析や採用の最適化を行うなど、人事業務の高度化に注力しています。顧客企業が同社ソフトウェア上に保有する膨大で高品質な人事・財務データは、AI時代においても企業経営に不可欠な存在であり続ける可能性が高いと見られているようです。

 

マイクロソフト<MSFT>

「Windows」や「Office 365」を展開する世界最大のソフトウェア企業の一つです。アンソロピックのライバルであるオープンAIと深く提携しており、AIブームの牽引役でもあります。今回のショックでは、中堅のソフトウェア企業と同様に軟調な動きを見せましたが、同社のようなテック大手は「AIインフラを支配する側」として見られる可能性もありそうです。AIと既存ソフトを最も高いレベルで融合させている企業として、今後の動向が注視されています。

 

記事作成日:2026年2月5日

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