💡この記事のポイント
✅世界初となるiPS細胞由来の再生医療製品が承認される見通し
✅心臓病とパーキンソン病向け製品が実用化の段階に
✅再生医療の産業化を支える日本株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬
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✅世界初となるiPS細胞由来の再生医療製品が承認される見通し
✅心臓病とパーキンソン病向け製品が実用化の段階に
✅再生医療の産業化を支える日本株をご紹介
✅武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬
iPS細胞による再生医療製品が実用化へ
武田薬品工業<4502>
第一三共<4568>
アステラス製薬<4503>
エーザイ<4523>
富士フイルムホールディングス<4901>
テルモ<4543>
キリンホールディングス<2503>
2月19日、厚生労働省の専門家会議がiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作られた再生医療製品2製品の製造販売を了承したと報じられました。
2006年に京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作製に成功してから約20年が経ち、製品として実用化されるのは世界初と見られています。今回了承されたのは以下の2製品です。
「リハート」(クオリプスが開発)
重症心不全の患者向け。iPS細胞から作った心筋のシートを心臓に貼り、機能改善が認められました。
「アムシェプリ」(住友ファーマが開発)
パーキンソン病患者向け。脳にiPS細胞由来の神経細胞を移植し、運動機能の改善を図ります。
これらは「条件・期限付き承認」という制度に基づき、まずは最長7年という期限の中で安全性と有効性を確かめながら、実際の治療に使われ始めます。上野厚労相は2月20日の会見で、早ければ3月上旬にも正式に承認する見通しを示しました。日本が強みを持つこの分野での商業化がいよいよ本格的に始まります。
再生医療は、病気や怪我で失われた臓器や組織の機能を、細胞を使って再生させる次世代の医療です。これまでは治療が難しかった疾患に対しても、新しい選択肢を提供できる可能性を秘めています。
そこで今回は、iPS細胞の実用化という大きなニュースを受けて、再生医療に関連する注目の日本株をご紹介します。
国内製薬最大手です。
同社は早くからiPS細胞の可能性に着目し、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と共同研究プログラムを推進してきました。2021年にはその成果を事業化するための新会社を設立しました。大手ならではの創薬力とグローバルなネットワークを活かし、再生医療の社会実装をけん引する1社として期待されそうです。
がん領域に強い製薬企業です。
再生医療分野では、クオリプスが開発するiPS細胞由来心筋シートの実用化に向けた取り組みに関与しています。また、次世代の細胞療法など、細胞を用いた高度な治療技術の確立に注力しており、今回のiPS細胞の実用化は同社の進める先端医療戦略にとってもポジティブなニュースと言えそうです。
新薬開発に注力する製薬大手です。
同社は「再生と視力の維持・回復」を掲げ、眼科領域で細胞医療も含めた開発を進めています。米国のバイオベンチャー買収などを通じて、眼科疾患向けの細胞医療製品の開発を進めており、すでに海外で臨床開発が進んだプロジェクトも存在します。京都大学CiRAとは、iPS細胞由来の分化細胞や組織を活用した共同研究の第二期契約を2023年に締結しました。iPS細胞技術を活用した新薬創出にも積極的で、再生医療のトップランナーの一角として注目されています。
認知症やパーキンソン病などの神経領域に強みを持つ企業です。
iPS細胞技術については、創薬プロセスの効率化(iPS細胞を用いた病態モデルの作成など)に活用するほか、神経変性疾患の病態解明や治療薬候補の探索(スクリーニング)にも用いられています。パーキンソン病などの神経変性疾患に強みを持つ同社にとって、今回の「アムシェプリ」のような神経系へのiPS細胞の応用は、市場全体の底上げにつながる好材料になりそうです。
写真フィルムで培った高度な技術を応用し、現在はヘルスケア分野が主要事業の一つです。
同社は、再生医療に必要な「細胞」「培地(細胞の餌)」「試薬」のすべてをグループ内で保有している点が強みです。子会社のFUJIFILM Cellular DynamicsはiPS細胞開発のパイオニア的存在であり、研究機関や企業にiPS細胞由来の製品を供給しています。再生医療の「インフラ」を支える企業として、産業化の進展は大きな商機となりそうです。
医療機器の国内有数の大手です。
心臓外科手術などで使われる医療機器に強みがあり、再生医療分野では細胞を培養・加工するためのシステムなどを提供しています。再生医療の普及には高品質な細胞を大量に作る必要がありますが、京都大学iPS細胞研究財団と共同で、熟練者の技術を自動化する研究を開始しており、製造コストの低減に貢献することが期待されます。
飲料メーカーとして有名ですが、医薬・バイオ事業も大きな柱です。
傘下の協和キリン<4151>を通じて先端医療に携わるほか、親会社であるキリン自身も、iPS細胞由来免疫細胞などの研究を行っています。細胞の大量培養技術は再生医療のコスト低減に不可欠であり、発酵・培養技術の知見を活かしたアプローチは、今後市場が拡大する中で独自性を発揮することが期待されそうです。
記事作成日:2026年2月20日