💡この記事のポイント
✅米国市場でAI/半導体関連株が急落
✅背景には米雇用統計、金利上昇、ブロードコム決算後の失望売り
✅急落したAI/半導体関連の米国株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅マイクロン・テクノロジー、ブロードコム、エヌビディア、インテル

✅米国市場でAI/半導体関連株が急落
✅背景には米雇用統計、金利上昇、ブロードコム決算後の失望売り
✅急落したAI/半導体関連の米国株をご紹介
✅マイクロン・テクノロジー、ブロードコム、エヌビディア、インテル
マイクロン・テクノロジー<MU>
ブロードコム<AVGO>
エヌビディア<NVDA>
インテル<INTC>
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>
マーベル・テクノロジー<MRVL>
クアルコム<QCOM>
アーム・ホールディングス ADR<ARM>
ウエスタン・デジタル<WDC>
シーゲート・テクノロジー・ホールディングス<STX>
2026年6月5日の米国株市場では、AI/半導体関連株が大きく売られました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は、前日比-4.17%安の25,709.432で終了しました。主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、前日比-10.25%安の12,220.76となり、1日の下落率としては2020年3月以来の大きさとなりました。
急落のきっかけの1つは、同日発表された5月の米雇用統計です。非農業部門雇用者数は前月比17万2,000人増と、市場予想の8万人増を大きく上回りました。失業率は4.3%で横ばいでした。労働市場の底堅さが示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動きにくくなる、あるいは利上げ再開の可能性も意識されました。これにより、米10年債利回りは一時4.55%まで上昇し、将来の成長期待で買われてきたAI/半導体株には逆風となったようです。
もう1つの大きな材料が、ブロードコム<AVGO>の3日に発表した決算後の株価急落です。同社はAI半導体売上高の高成長を示したものの、市場の期待はさらに高かったようです。AI関連株はここまで急ピッチで上昇していたため、「好決算でも物足りない」と受け止められ、半導体株全体に利益確定売りが広がったようです。
実際、SOX指数は急落前の6月4日終値時点で、前年末比+90%あまり上昇していました。上昇が大きかった分、雇用統計や金利、ブロードコムの見通しといった材料をきっかけに、売りが売りを呼ぶ展開になったとみられます。今回はAI需要そのものへの懸念というより、高値警戒感から強すぎた期待の修正が一気に進んだ局面といえそうです。
そこで今回は、5日に下落したAI/半導体関連の米国株をご紹介します。
メモリー半導体の大手企業です。AIサーバー向けで注目されるHBM(高帯域幅メモリー)関連銘柄として、これまで強い買いを集めてきました。
6月5日の株価は前日比-13.25%安となりました。エヌビディア向けの次世代メモリー供給に関する前向きな材料もありましたが、半導体株全体の売りに押されたようです。さらに、メモリー市場では将来的な供給増への警戒も出ており、AI向け需要の強さよりも、高値警戒感から目先の利益確定売りが優勢になったようです。
通信半導体やカスタムAI半導体、インフラソフトウェアを手がける企業です。大手クラウド企業向けのAI半導体や、AIデータセンター内のネットワーク半導体で注目されています。
6月5日の株価は前日比-7.92%安でした。前日にも決算後の失望売りで-12.58%安と急落しており、今回の半導体株急落の発火点になったようです。AI半導体売上高は高成長でしたが、市場はさらに強い見通しを期待していたようです。
AI向けGPU(画像処理半導体)で世界的に高い存在感を持つ企業です。生成AIブームの中心銘柄として、米国株市場全体の上昇をけん引してきました。
6月5日の株価は前日比-6.2%安でした。他の半導体株と比べると下落率は小さめでしたが、時価総額が非常に大きいため、市場全体への影響は大きかったようです。今回の下落は、エヌビディア固有の悪材料というよりも、金利上昇による成長株の割高感、AI関連株への利益確定売り、半導体株全体のポジション整理が重なったものとみられます。
パソコンやサーバー向けCPUで知られる老舗半導体メーカーです。近年は半導体製造や先端パッケージング分野での立て直しも進めています。
6月5日の株価は前日比-11.28%安となりました。インテルはAI専業銘柄ではありませんが、半導体株全体が売られるなかで、大きく下落しました。金利上昇局面では、設備投資負担が大きい半導体メーカーへの警戒が強まりやすい面もあります。
CPUやGPUを手がける半導体企業です。AI向けGPUではエヌビディアを追う立場として注目されています。
6月5日の株価は前日比-10.86%安でした。AI向け半導体の成長期待が強く織り込まれていたため、ブロードコム決算後の「期待値の高さ」が意識されると、同じAI半導体関連として売りが広がりました。AI向け製品の成長期待は続く一方で、短期的には競争環境や投資家のリスク許容度に左右されやすい状況といえそうです。
データセンター向けの半導体やネットワーク関連半導体を手がける企業です。AIデータセンターでは、計算処理だけでなく、データを高速にやり取りする通信技術も重要になるため、関連銘柄として注目されてきました。
6月5日の株価は前日比-16.73%安と、今回取り上げる銘柄のなかでも大きな下落となりました。AIデータセンター関連として上昇してきた反動に加え、半導体株全体の利益確定売りが重なったようです。なお、同社は6月22日にS&P500指数へ採用される予定と発表されました。
スマートフォン向け半導体や通信技術に強みを持つ企業です。近年はスマートフォンだけでなく、自動車、IoT、AI端末向けにも事業を広げています。
6月5日の株価は前日比-10.97%安でした。同社はデータセンター向けAI半導体の中心銘柄ではありませんが、半導体株全体から資金が引き揚げられる流れのなかで売られたようです。スマートフォンや端末側でAIを処理する「エッジAI」への期待はありますが、今回の相場では個別の成長テーマよりも、半導体株全体の調整色が強かったようです。
半導体の設計基盤を提供する企業です。スマートフォン向けプロセッサーで広く使われており、省電力性能の高さに強みがあります。
6月5日の株価は前日比-12.83%安となりました。アームはAI端末やデータセンター向けでも成長期待が高い銘柄です。その分、株価には将来の成長期待が大きく織り込まれやすく、金利上昇局面では売られやすい面があります。今回も、個別悪材料というより、高成長・高期待銘柄への利益確定売りが広がった影響が大きそうです。
データ保存に使われるストレージ製品を手がける企業です。AIの学習や運用では大量のデータを保存する必要があるため、AIデータセンター関連として注目されています。
6月5日の株価は前日比-11.08%安でした。メモリーやストレージ関連株は、AIデータセンター向け需要の拡大期待を背景に株価が上昇していました。一方で、将来的な供給増によって製品価格や利益率が下がるとの警戒が出ると、利益確定売りが出やすくなるようです。今回の下落は、AIデータ需要への期待が後退したというより、高値警戒感からの売りという側面が大きいようです。
大容量データ保存向けのHDDなどを手がける企業です。クラウドやAIデータセンターの拡大により、長期的なデータ保存需要への期待が高まっています。
6月5日の株価は前日比-8.47%安でした。ウエスタン・デジタルと同じく、AI関連のデータ保存需要を背景に買われてきた銘柄です。ただし、金利上昇で成長株全体への見方が厳しくなり、半導体・ストレージ関連のポジション整理が進んだことで売られたようです。
記事作成日:2026年6月8日