投資にはリスクがあります。
それと比べて、「現金や預貯金にはリスクがない」と思っている人もいるでしょう。
しかし、実は、現金や預貯金にも別のリスクがあるのです。
いったいどんなリスクなのか、一緒に確認していきましょう。
現金や預貯金にもリスクがある
現金で100万円を持っていれば、10年後も100万円なので、「金額が減らなくて安心」と思いますよね。
預貯金も、利息は少なくても元本は減らないので“安心感”があるはずです。
一方で、投資の場合は、相場の変動によって増えたり減ったりするので、「お金が減るかもしれない」と不安に感じて、現金や預貯金の方が安心だと思うかもしれません。
しかし、ここのところ続いている「インフレ(物価高)」には要注意です。
物価が上がっていくインフレにより、これまで100万円で買えたモノの価格が来年には105万円、再来年には110万円と上がっていき、同じ金額では買えなくなるかもしれません。
つまり、モノの値段は上がっていくのに、持っている資産が同じ金額なら、その資産の価値が相対的に目減りしてしまうのです。
そのため、インフレ下では、資産を現金や預貯金だけで持っていることも、リスクになるというわけです。
物価上昇に負けないためには?
では、インフレに対抗するにはどうしたらよいのでしょうか。
その方法の一つに、資産運用を行うことがあげられます。
物価が上がることに連動して、値上がりが期待できる商品に投資をすることで、物価上昇にあわせて資産額の上昇も期待できるのです。
もちろん、値動きがありますので、短期間で見ると資産が増えたり減ったりします。しかし、長期的には上昇が期待できる商品も多くありますので、現金や預貯金の価値が目減りすることへの対策になります。
さらに、長期投資なら資産をもっと増やすことにつながる“複利効果”が期待できます。複利とは増えた利益の分も元本と一緒に運用することで、利益が利益を生み、資産の増えるスピードが加速していく効果のことです。
値動きがあるものに投資する場合は、少額で少しずつ買っていくのがおすすめです。毎月など定期的に購入するつみたて投資では、買い値が平均化されるので高値づかみを避けられますし、何より簡単で続けやすいです。それには、少額から好きな金額で購入できる投資信託が向いています。
投資信託の種類はさまざまで、物価上昇に連動して値上がりするものもあれば、特徴の違う資産に分散して安定的な値上がりを目指すものもあります。商品を選ぶ際は、リスクを取ってお金を大きく増やしたいのか、安定的に運用したいのかなど自分の運用イメージに合うものを選びましょう。参考として3つの投資信託をご紹介します。
参考ファンド3本
eMAXIS 国内物価連動国債インデックス
りそなラップ型ファンド(安定型) 愛称:R246(安定型)
のむラップ・ファンド(積極型)
※詳細な商品性は目論見書をご覧ください
記事作成日:2024年7月17日
ファイナンシャルプランナー
西山美紀
出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。生き方、マネーなどをテーマに、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらすお金の使い方・貯め方・増やし方を女性誌やWEBで発信。監修・講演等も。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)等。