値上がり期待から、高配当や株主優待まで!
2024年8月5日、日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録しました。新しいNISAが始まってから株式市場が急落することがほとんどなかったため、多くの銘柄が次々と急落し、日本の株式市場が暴落する事態を不安に思った人も多くいたかもしれません。
しかし、株価は上昇することもあれば下落することもあるものです。実際、翌日には史上最大の上げ幅となりました。株価が上昇して高い時に株を買えば高値掴みになりますから、株価が下落して安い時に買った方がいいと考えることもできます。
そこで今回は、株価が暴落したり乱高下した時に銘柄選びの候補として考えたい、日本株3銘柄をご紹介します。
三菱重工業<7011>
企業紹介
航空や宇宙、造船、防衛産業に注力している国内大手の総合重機メーカー。
注目ポイント
世界各地で紛争が起こっており、地政学リスクが高まっているほか、近年、宇宙旅行に関連した宇宙関連ビジネスに注目が集まっていますが、同社は防衛産業や宇宙関連等の重機関連の時流に合ったビジネスを展開しています。波乱の世界情勢でも注目される銘柄として同社は有望と言えそうです。
新しいNISAで投資家層が拡大しているため、今年3月に1株につき10株の割合の株式分割を行いました。株式分割を行うことで投資金額の引き下げにつながるため、投資しやすい環境づくりに取り組んでいます。
今期の配当金は22円、予想配当利回りは1.4%です(24/08/06現在)。
株価動向
株価は今年1月以降上昇が続き、800円程度から7月8日には2,087円の高値まで上昇しました。その後、日本の株式市場が下落したため株価は急落する動きになり、8月5日には一時1,250円まで値下がりしました。
4月頃には株価が1,300円を挟んで推移していたので、数カ月かけての上昇が8月に入ってからの数日の下落で戻してしまいました。
その後、8月7日午前執筆時点では1,700円台半ばまで上昇し、戻りの強さもうかがわれます。
オリエンタルランド<4661>
企業紹介
世界有数の入園者数を誇る東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを運営。ホテルや商業施設を含めたリゾートを展開。
注目ポイント
国内外の熱狂的なディズニーファンの支持もあって入場者数は増加が続いていて売上は拡大傾向ですが、東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」の開業等に伴ってコストが増加して減益となっています。
今後は新たな事業として、国内でディズニークルーズを展開することが決まっていて、2028年度の就航を目指しています。
コロナ禍を除けば安定的な実績があり、長期的な株価上昇の中、昨年からの株価の低迷に加えて今回の急落で、チャンスと考える個人投資家も多いのではないでしょうか。
株主優待は、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」どちらかのパークで利用可能な1デーパスポートの配布です。3月と9月を基準に、500株以上を保有している株主には3月に1枚、2,000株以上を保有している株主には3月と9月に各1枚というように、保有株数に応じて受け取れます。さらに、長期保有の株主は毎年追加で受け取れます。
今期の配当金は14円、予想配当利回りは0.35%です(24/08/06現在)。
株価動向
株価は今年1月に5,765円の高値をつけた後ジリ安となり、5月以降は4,500円を挟んでの推移が続いていました。8月に入ってから株式市場の急落とともに下落し、8月5日には一時3,536円まで値下がりしました。8月7日午前執筆時点では4,000円台まで回復しています。2022年以降の安値水準まで下落しましたので、下げ止まりとなって反転となるのか注目です。
日本郵船<9101>
企業紹介
総合海運大手で海運売上高で国内トップ。陸・海・空の物流サービスを連携。
注目ポイント
業績に応じて配当金は毎年変動していますが、2024年度の配当利回りは5.73%と高配当を維持しています。ただ、好調な業績を算出する前提である通期の想定為替レートが1ドル151.26円に設定されています。
ドル円は日銀の追加利上げが決まって以降、円高ドル安が進行して1ドル140円半ばで推移しているため、業績への影響が懸念されます。
しかし、配当利回りの高さは下値抵抗力にも繋がる可能性が期待できるので、高配当株は乱高下相場で狙いたい銘柄の一つと言えるでしょう。
株主優待は飛鳥クルーズ乗船の優待割引券です。3月を基準に、100株以上を保有している株主には3枚、1,500株以上の株主には6枚、3,000株以上の株主には10枚と、保有株数に応じて受け取れます。
今期の配当金は260円、予想配当利回りは5.73%です(24/08/06現在)。
株価動向
株価は今年1月17日に5,236円の高値をつけた後、4月3日には3,936円まで値下がりしました。その後は4,000円程度から5,200円程度の間を行ったり来たりする動きが続いています。その後8月5日には一時3,971円と安値水準まで下落しました。8月7日午前執筆時点では4,600円台まで回復しています。
記事作成日:2024年8月7日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。