回復鮮明!航空関連の日米株14選

💡この記事のポイント

✅世界の航空会社の売上高は過去最高の見通し

✅航空業界は防衛・宇宙関連としても注目

✅好調な航空関連の日米株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:アメリカン・エアラインズボーイングGEエアロスペース

✅日本株:大阪チタニウム三菱重工業IHI


目次

旅行需要の回復や旺盛な航空機需要

アメリカン・エアラインズ・グループ<AAL>

デルタ・エアラインズ<DAL>

ボーイング<BA>

GEエアロスペース<GE>

イートン・コーポレーション<ETN>

L3ハリス・テクノロジーズ<LHX>

アールティーエックス<RTX>

ロッキード・マーチン<LMT>

ハネウェル・インターナショナル<HON>

大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>

東邦チタニウム<5727>

三菱重工業<7011>

川崎重工業<7012>

IHI<7013>

回復鮮明!航空関連の日米株14選

旅行需要の回復や旺盛な航空機需要

コロナ禍で大きな影響を受けた航空業界ですが、ここに来て回復の動きが鮮明になっているようです。国際航空運送協会は、2025年の航空旅客数が過去最高を更新するとの見通しを示しており、業界全体の収益も増加傾向にあると報告しています。直近8月の旅客需要は前年同月比3.6%増、航空貨物需要も同2.9%増となっています。航空貨物は7ヶ月連続の増加です。


一方で、米国内の旅行需要については、経済の不透明感などから一部で鈍化の兆候も指摘されています。また、機体の納入遅れや部品不足といったサプライチェーンの問題、コストの高止まりなどは、引き続き業界の懸念材料となっているようです。


そうした中でも、堅調な国際線やビジネスクラスの需要、また航空機やその部品、素材を製造する企業の好調な業績が注目されています。さらに、航空関連銘柄の多くは、防衛宇宙といったテーマ性もあり、株式市場で息の長いテーマとなりそうです。


今回は、旅行需要の回復や旺盛な航空機需要の恩恵が期待される、日米の航空関連銘柄をピックアップしました。


アメリカン・エアラインズ・グループ<AAL>

大手航空会社で、子会社を通じて旅客輸送などを手がけています。


2025年7-9月期決算では、調整後の一株当り損益が0.17ドルの赤字となり、市場予想0.27ドルの赤字よりも赤字幅が縮小しました。売上高も137億ドルで市場予想136.3億ドルを上回りました。

法人需要や高価格帯の旅行需要が堅調だったようで、2025年12月期今期の一株当り利益予想を0.65~0.95ドルの黒字に上方修正しており、業績の回復傾向がうかがえます。


デルタ・エアラインズ<DAL>

米国の大手航空会社の一つです。景気動向に業績が左右されやすい景気敏感業種ですが、コロナ禍からの回復も著しく、旅行需要の力強さが続いています。


2025年7-9月期決算は、売上高が前年同期比6.4%増の166億ドル、営業利益は20.5%増の16.8億ドルと増収増益で着地しました。同社は続く10-12月期についても、二桁の営業利益率を見込んでいるとしており、今後の業績回復への期待が高まっているようです。


4月にはチリのLATAM航空との合弁事業の範囲をアルゼンチンに拡大、6月にはインドのインディゴ航空、エールフランス-KLM、ヴァージンアトランティック航空により、インドと欧州および北米を結ぶパートナーシップを構築する計画を発表しています。


ボーイング<BA>

民間航空機生産と防衛・宇宙・安全保障事業などを手がけています。


同社はここ数年、品質問題などから生産や納入が落ち込んでいましたが、2025年に入り生産体制の回復が進んでいるようです。


2025年4-6月期決算では、民間航空機の納入が回復したことで増収となり、最終赤字も大幅に縮小しました。課題であった生産体制の安定化が進み、本格的な業績回復に向かえるか注目されます。


9月30日には、新型旅客機として主力旅客機「737MAX」の後継となる新たな単通路機の開発を計画しているとの報道がありました。また、10月17日には、連邦航空局(FAA)により、「737MAX」の生産ペースを月間42機に引き上げることが承認されました。来年4月にさらに加速させ、2026年後半にもう一段引き上げる準備を進めていると報道されています。来年末までには月間約53機に達する可能性が指摘されています。


GEエアロスペース<GE>

航空機エンジンで世界トップクラスのシェアを持つ企業です。エネルギー事業子会社を通じて、次世代原子炉SMR(小型モジュール炉)の開発も手がけています。


業績は非常に好調なようで、2025年7-9月期決算では、民間および防衛航空市場における堅調な需要を背景に、調整後売上高が前年同期比で26%増加し、市場予想を上回りました。この結果を受け、同社は2025年通期の業績見通しを上方修正しており、強い勢いが続いていることがうかがえます。


また、直近では、BETA Technologiesとハイブリッド電気航空機の開発を加速するため、新しい戦略的パートナーシップを結んだことを発表しています。


イートン・コーポレーション<ETN>

175カ国超で事業を展開するパワーマネジメント企業。電気製品、航空部品、自動車駆動部品の製造などを手がけています。航空部門では、燃料ポンプや油圧モーターポンプ、電気・電力システムなどが主な領域です。


直近では、エヌビディア<NVDA>とAI(人工知能)データセンター向け高電圧直流(HVDC)のインフラをサポートするためのシステムで協業を発表しています。AI関連銘柄としても注目度の高い銘柄です。


L3ハリス・テクノロジーズ<LHX>

航空宇宙・防衛分野で通信・セキュリティ技術を提供しています。米国政府が大口顧客で、世界100カ国以上の政府や企業が顧客となっています。


10月20日には、ボンバルディア・グローバル6500をベースにした空中早期警戒管制航空機の改修版を韓国空軍に納入する契約を受注したと発表しました。契約額は22億6,000万ドル以上としています。足元の業績も良好で、直近四半期は増収、2025年12月期今期見通しも引き上げています。


アールティーエックス<RTX>

航空機エンジン大手のプラット・アンド・ホイットニーや、航空システムを手がけるコリンズ・エアロスペースなどを傘下に持つ、大手航空宇宙・防衛企業です。


2025年7-9月期決算では、調整後売上高が前年同期比12%増、調整後一株当り利益も増加し、市場予想を大幅に上回りました。民間航空・防衛の両分野で堅調な需要が続いているようです。2025年12月期今期見通しも引き上げています。


ロッキード・マーチン<LMT>

世界有数の航空宇宙・防衛企業です。地政学リスクの高まりを背景に、防衛関連銘柄としても世界的に注目されています。


同社は戦闘機や輸送機などの航空機部門も主力事業の一つであり、航空・防衛分野での高い技術力が強みです。防衛需要の継続的な拡大が、同社の業績を中長期的に支えることが期待されているようです。


ハネウェル・インターナショナル<HON>

航空宇宙からビル管理、安全・生産性ソリューションなどを幅広く手がける米国の複合企業です。原子力分野においても、原子炉の制御システムなどを提供する重要な役割を担っています。


同社の事業の中でも航空宇宙部門は主要な柱の一つであり、航空需要の回復は追い風となりそうです。


大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>

航空機向けなどに使われるスポンジチタンの世界的な大手メーカーです。


航空機需要は回復から成長軌道に移行しつつあると見られており、中長期的には小型機に加えて中・大型機の需要回復も期待され、航空機向けスポンジチタンの需要増加が期待されています。


足元では、2025年4-9月期は輸出向けが好調で、2026年3月今期業績予想もスポンジチタン販売数量の増加などにより、売上高予想と純利益予想を上方修正しています。


東邦チタニウム<5727>

同じくスポンジチタンの世界大手であり、航空機分野は重要な市場の一つです。


航空機向け需要は、コロナ禍での落ち込みから回復し、今後も年率4%程度の成長が続くと見込まれています。同社は需要増に対応するため、国内生産拠点の能力増強も予定しているようです。


三菱重工業<7011>

総合重機大手で、航空・防衛・宇宙セグメントは主要な事業の一つです。


ボーイングの中型機「787」の主翼などを製造しており、ボーイングの増産計画は同社の業績にもプラスの影響を与えることが期待されています。

2025年7-9月期決算では、航空・防衛・宇宙セグメントの利益も増加しており、堅調な推移となっているようです。


川崎重工業<7012>

航空宇宙システムカンパニーを持ち、航空機の機体部品や、エアバスの「A320neo」ファミリー向け「PW1100G-JM」エンジンなどの国際共同開発・生産にも参画しています。


2023年度は、このPW1100G-JMエンジンに関する損失計上が業績の大きな下押し要因となりましたが、2026年3月期今期の業績見通しでは、事業利益は前期を上回り過去最高益を更新する計画が示されています。


IHI<7013>

総合重機大手で、航空エンジン事業に強みを持ちます。民間向け航空エンジン事業は、同社の利益の大きな柱の一つとなっています。


2025年3月期前期決算では、民間向け航空エンジンのスペアパーツ販売の回復や円安効果などにより、売上収益、営業利益ともに過去最高を更新しました。

2025年4-9月期決算でも、スペアパーツ販売の増加などにより増益を確保しており、堅調な市場環境が続いているようです。



記事作成日:2025年11月13日


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