AIブームを陰で支えるインフラ日米株8選

💡この記事のポイント

✅AI需要の拡大はデータセンターなどのインフラを支える企業にも恩恵あり

✅AIが発展する初期段階ではAI設備投資が先行

✅AIブームを陰で支え恩恵を受けている好調なインフラ関連株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:キャタピラーイートンアリスタ・ネットワークス

✅日本株:三菱重工業ダイキン工業明電舎

 

目次

キャタピラー<CAT>

イートン<ETN>

アリスタ・ネットワークス<ANET>

アンフェノール<APH>

三菱重工業<7011>

ダイキン工業<6367>

明電舎<6508>

住友電気工業<5802>

その他関連銘柄

AIブームを陰で支えるインフラ日米株8選

AI(人工知能)の進化が止まりません。AIといえば、エヌビディア<NVDA>のような半導体メーカーや、AIサービスを展開するマグニフィセント・セブンやソフトウェア株などに注目が集まりがちです。しかし、AIの急速な普及は、思わぬところで新たな需要を生み出しています。

 

例えば、ここのところ建設機械大手のキャタピラーの上場来高値更新が続いています。一見、AIとは無関係に思える同社ですが、実はAI向けデータセンターにバックアップ用の電源や発電機を提供する事業が成長し、建機事業を上回る規模にまで拡大しています。

 

AIへの投資というと、どうしてもハイテク株に目が行きがちですが、その裏側では、電線、発電機、冷却、といった地味なインフラがその成長を支えています。特にAIが発展する初期段階ではAI設備投資が先行するので、AIブームは社会のインフラを支える企業にも恩恵がありそうです。

 

そこで今回は、キャタピラーをはじめ、AIブームを陰で支え恩恵を受けている好調なインフラ関連銘柄をご紹介します。

 

キャタピラー<CAT>

建設機械の世界最大手ですが、大規模なデータセンターで必要とされるバックアップ用ディーゼル発電機や、電力網が未整備の地域での主電源となる発電システムで高いシェアを誇ります。AIの計算処理に必要な電力は今後ますます増加すると見られており、同社のエネルギー・輸送セグメントは、AIインフラを支える重要な役割を担っていくことになりそうです。

 

株価は4月7日年初来安値267.3ドル以降は上昇傾向で、7月30日に436.83ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました。

 

イートン<ETN>

電力管理ソリューションを提供する大手企業です。データセンターが24時間365日稼働し続けるためには、安定した電力供給が生命線です。同社が手掛ける無停電電源装置(UPS)配電機器は、万が一の停電時にもサーバーを守り、AIサービスの継続性を担保する上で欠かせない存在といえるでしょう。

 

株価は4月7日年初来安値231.85ドル以降は上昇傾向で、7月28日に399.56ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました。

 

アリスタ・ネットワークス<ANET>

データセンター向けの高速イーサネットスイッチに強みを持つネットワーク機器メーカーです。AIの学習には、多数のGPU(画像処理半導体)を一つの巨大な集合体として連携させ、大量のデータを高速にやり取りする必要があります。同社の高性能スイッチは、このGPU間の通信を効率化する上で中心的な役割を担っており、AIの性能を最大限に引き出すためのキーカンパニーと見られています。

 

株価は1月24日上場来高値133.58ドルから4月7日年初来安値59.43ドルへ下落。以降は上昇傾向で、7月30日に123.1ドルまで上昇しています。

 

アンフェノール<APH>

光ファイバーや電子コネクターなどの世界的な大手です。データセンター内部では、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などが無数のケーブルやコネクターで接続されています。AI化に伴いデータ通信が高速・大容量になるほど、信頼性の高い接続技術が求められます。同社は、AIサーバー内部やデータセンター全体の性能を支える、地味ながらも極めて重要な部品を供給しています。

 

株価は4月7日年初来安値56.45ドル以降は上昇傾向で、7月23日に108.85ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました。

 

三菱重工業<7011>

日本のものづくりを代表する総合重機メーカーです。同社が手掛ける高効率のガスタービン発電設備は、データセンターなどの大規模施設に安定した電力を供給する上で重要な役割を担います。脱炭素化への対応も求められる中、同社のエネルギーソリューションへの期待は高まっているようです。

株価は2月25日年初来安値1,977.5円から6月30日年初来高値3,720円へ上昇。直近はおよそ3,200~3,600円程度で推移しています。

 

ダイキン工業<6367>

空調で世界トップクラスのシェアを誇る同社ですが、その技術はデータセンターでも活躍しています。高性能なAIサーバーは大量の熱を発するため、冷却が極めて重要です。同社の精密な温度・湿度管理を可能にする空調システムは、データセンターの安定稼働と省エネに貢献しています。

 

株価は4月7日年初来安値14,935円以降6月末までもみ合いを続けていましたが、その後は上昇傾向で7月24日年初来高値19,720円まで上昇。しかし、2023年7月上場来高値31,330円からはまだかなり低い水準です。

 

明電舎<6508>

120年以上の歴史を持つ重電メーカーです。AIデータセンターの安定稼動に不可欠な無停電電源装置(UPS)や、変電・配電システムなどを手掛けています。特に電力品質を維持する技術に強みを持ち、AIという最先端技術を縁の下で支える、意外な関連銘柄の一つと言えそうです。

 

株価は4月7日年初来安値3,090円以降は上昇傾向で、7月30日に5,660円まで上昇し、年初来高値を更新しました。上場来高値は1989年10月の8,050円です。

 

住友電気工業<5802>

光ファイバーや電力ケーブルの世界的メーカーです。AIデータセンターでは、超高速・大容量の通信網が不可欠であり、同社の高品質な光ファイバー関連製品がその基盤を支えています。また、データセンターが必要とする莫大な電力を安定供給するための送電・配電システムも手掛けており、通信と電力の両面からAIインフラに貢献する企業です。

 

株価は4月7日年初来安値1,620円以降は上昇傾向で、7月30日に3,673円まで上昇し、上場来高値を更新しました。

 

その他関連銘柄

ハネウェル・インターナショナル

サザン・カンパニー

ディア

IBM

アナログ・デバイセズ

日立製作所

富士電機

IHI

NEC

大林組

鹿島建設

日本酸素ホールディングス

信越化学工業

 

 

記事作成日:2025年7月30日

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