2024年は例年に比べて、高配当銘柄に注目が集まりそうです。新しいNISAのスタートがその原動力になるとみられるためです。中でも新しいNISAでは、経営基盤がしっかりとした大型株が選好されやすいと考えられます。
そこで、中長期保有に向いていそうな日米の高配当銘柄をピックアップしました。
武田薬品工業(4502)
国内最大手の医薬品会社。2019年にアイルランドのシャイアー社を買収し、事業領域が拡大。2024年3月期の年間配当金は前期比8円増の188円を計画、増配は15年ぶりとなる。予想配当利回りは4.59%。時価総額2,000億円以上の医薬品会社の中でも配当利回りは最高水準。
住友商事(8053)
大手総合商社5社の一角。鋼管事業に強みを持つほか、輸送機・建機、資源、メディアなどバランスの良い収益構造が特徴。2024年3月期の年間配当金は前期比10円増の125円を計画、予想配当利回りは4.05%。時価総額2,000億円以上の卸売業の中でも配当利回りは最高水準。
みずほフィナンシャルグループ(8411)
メガバンク3行の一角。大企業との取引に強み。銀行株は日銀の「マイナス金利解除」の思惑もあり、注目度が高まっている。2024年3月期の年間配当金は前期比15円増の100円を計画、予想配当利回りは4.05%。時価総額2,000億円以上の銀行の中で配当利回りはあおぞら銀行に次ぐ水準。
商船三井(9104)
国内海運大手3社の一角。ドライバルク船(ばら積み船)では世界最大規模の船隊を擁す。コンテナ船は日本郵船、川崎汽船との共同出資会社が運営。2024年3月期の年間配当金は前期比370円減の190円を計画、予想配当利回りは4.69%。海運セクターの中でも配当利回りは最高水準。
スリーエム(MMM)
世界的化学メーカー。接着剤やテープなどの工業製品・事務用品、電子機器などを手掛ける。典型的な「開発経営」企業として位置付けられている。2023年よりリストラ策を推進、2024年前半目途にヘルスケア事業の分離も決定。予想配当利回りは5.97%。連続増配年数は65年にもおよぶ。
アルトリア・グループ(MO)
「マールボロ」「パーラメント」「バージニア・エス」などのたばこ事業が中核。2008年のフィリップ・モリス分離以降は米国市場を中心に展開。日本たばこ産業(2914)と合弁会社を設立、加熱式や電子たばこの拡大に注力。予想配当利回りは9.28%。連続増配年数は53年。
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
米通信最大手。固定電話・携帯電話を手掛け、消費者向け主軸にビジネス向けにも展開。メディア事業からは撤退。負担となっていた5G(第5世代移動通信システム)関連投資が峠を越え、今後はキャッシュフロー改善が株主還元の強化につながる余地大きい。予想配当利回りは6.89%。連続増配年数は17年。
インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)
世界最大手規模の多国籍IT企業。安定したキャッシュフローに特徴。特許取得数も世界最高水準。コンピューター関連のサービス、コンサルティング、ソフトウェアが主力。現在はハイブリッドクラウドとAI(人工知能)に注力中。予想配当利回りは4.15%。連続増配年数は28年。
※日本企業の配当利回りは、年間予想配当金を12月12日の終値で割り、小数点第3位を四捨五入したもの
※米国企業の配当利回りは、予想一株当たり配当金を12月8日の終値で割り、小数点第3位を四捨五入したもの
記事作成日:2023年12月12日