リスクに備える日米ディフェンシブ株/ウォルマート、イオン、岩谷産業【はじめての個別株】

リスクに備える日米ディフェンシブ株/ウォルマート、イオン、岩谷産業【はじめての個別株】

目次

物価上昇から地震や台風などの自然災害も

ウォルマート<WMT>

イオン<8267>

岩谷産業<8088>

物価上昇から地震や台風などの自然災害も

世界各国で物価が上昇しているにも関わらず、賃上げがなかなか追いつかないことから個人消費に停滞ムードが漂い、世界経済の今後の行方に注目が集まっています。

また、異常なほどの高温に見舞われる地域が世界各地で続出しており、台風や地震等の自然災害の脅威も高まっています。しかし、物価上昇や景気低迷、自然災害といったリスクがいつ発生するのかは誰にもわかりません。そこで今回は、リスクに備えるならどんな視点で銘柄を選ぶことができるのか、日米株3銘柄をご紹介します。

 

ウォルマート<WMT>

企業紹介

世界最大規模のスーパーマーケットチェーン。北米や中米など世界15カ国で展開。

 

注目ポイント

スーパーマーケット「ウォルマート」は、生活必需品を中心に安価な商品を数多く取り扱っています。物価が上昇するインフレ時には節約志向が高まりやすいことから、同社のような安価な商品を取り扱うスーパーマーケットのシェアが拡大傾向にあります。

インフレは落ち着きつつありますが、米国では景気が減速することを示唆する経済指標が相次いで発表され、米国経済の先行きに懸念が高まっています。今後景気が減速するような状況になれば、安価な商品に魅力を感じる人が増える可能性もあるでしょう。

 

株価動向

株価は2023年12月に安値49.85ドルをつけて以降、2024年に入ってからも上昇が継続しており、今年7月19日に71.33ドルまで上昇して年初来高値を更新しました。

しかし、米国の景気減速懸念から世界の株式市場が低迷した影響を受けて、この8月は70ドルを割り込む水準まで調整を強いられています。

 

イオン<8267>

企業紹介

国内外に総合スーパー「イオン」を展開する総合小売大手。傘下に不動産、金融など。

 

注目ポイント

全国に展開されている総合スーパーの「イオン」の他に、食料品や生活必需品等を中心に安い価格で提供する都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」や、東証スタンダード市場に上場している100円ショップの「キャンドゥ」、東証プライム市場に上場しているドラッグストアの「ウエルシアホールディングス」等、低価格帯の日用雑貨や食料品を取り扱っているグループ会社を抱えています。

株主優待は、買い物金額に応じて返金率に応じた金額が還元される「オーナーズカード」です。2月と8月を基準に、100株以上を保有している株主は3%、500株以上は4%、1,000株以上は5%、3,000株以上は7%の返金率に応じた還元を受けられます。

さらに、3年以上の長期保有の株主は、保有株数に応じて自社ギフトカードを受け取れます。1,000株以上を保有している株主は2,000円相当、2,000株以上は4,000円相当、3,000株以上は6,000円相当、5,000株以上は10,000円相当です。

また、今期の配当金は40円、予想配当利回りは1.14%です(24/08/13現在)。

 

株価動向

株価は2023年末から株主優待の権利付最終売買日に向けて上昇し始め、今年2月27日には3,697円まで上昇しました。ただ、権利落ち後は上げ下げを繰り返しながら値下がりが続き、8月5日には3,176円まで下落しました。足元は株主優待の取得に向けた買いが入りやすく、安値圏ということもあって3,500円前後まで上昇しています。

 

岩谷産業<8088>

企業紹介

産業・家庭用ガス商社で、LPガスが国内トップクラス。水素エネルギー事業にも注力。

 

注目ポイント

台風や地震等の自然災害に襲われた時に、電気やガスといったインフラが寸断されることはよくあることです。そうした事態に備えるために、非常用の防災備蓄品としてカセットこんろを購入する人が増えているようです。同社は家庭用のカセットこんろやアウトドアでも使えるバーナー等を取り扱っているので、今後も一定の需要が期待できる可能性が考えられるでしょう。

今期の配当金は130円、予想配当利回りは1.61%です(24/08/13現在)。

 

株価動向

株価は2023年12月に安値5,996円をつけて以降、今年に入ってからは上昇が継続しています。業績が順調に推移していることから、7月9日には10,550円まで値上がりして年初来高値を更新しました。ただ、その後は国内外の株式市場が急落したため8月5日には6,955円の安値まで急落しましたが、その後は8,000円台まで上昇しています。

 

記事作成日:2024年8月14日

ファイナンシャルプランナー
横山利香

短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。

公開日:2024.8.14

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