成長株と割安株のメリット/デメリット

成長株と割安株のメリット/デメリット

目次

成長株(グロース株)のメリット

割安株(バリュー株)のメリット

デメリットは?

金利動向や景気によって物色されることも

みなさんは、株を購入する時に何に注目して銘柄を選んでいますか? 

「リスクを取ってでも大きなリターン狙いたい」という人もいれば、「株価の変動リスクはできるだけ抑えて、配当を重視して選んでいる」という人もいるはずです。このように銘柄を選ぶ理由は人それぞれです。ここでは、投資家の間で比較されることが多い、成長株(グロース株)割安株(バリュー株)についてそれぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

 

成長株(グロース株)のメリット

成長株(グロース株)とは、高い成長率が期待できる銘柄、もしくは実際に売り上げや利益が大きく伸びている銘柄を指します。基本的に、株価は企業の将来の成長を反映して動きますので、業績が伸びている企業は株価の上昇も期待できるというわけです。

 

ですので、成長株のメリットはなんといっても、株価が何倍にも上昇する可能性を秘めていることです。株価が10倍になった銘柄のことを「テンバガー」と呼びますが、成長株は他の投資では得られないほどのリターンをもたらしてくれるかもしれない魅力があります。

 

米国株で言えば、エヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>など。日本株で言えば、東京エレクトロン<8035>、MonotaRO<3064>、川崎汽船<9107>などが株価10倍を達成しています。

 

また、東京証券取引所(東証)には、ハイテクやIT関連の中小型株が集まる「東証グロース市場」がありますが、ここに上場する好業績銘柄も成長株と位置付けられることが少なくありません。

 

割安株(バリュー株)のメリット

割安株(バリュー株)は、実際の企業業績などに対して株価が割安に放置されている銘柄を指します。株価が割安に放置されているので、いずれは株価が適正な水準に戻ることを期待して投資するわけです。

 

一般的に、割安株と定義されるのは、すでに成長を遂げた大企業などです。銀行株や商社株、食品業の大企業などがこれに当たり、配当利回りも魅力的な会社がたくさんあります。割安株は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など株価指標的にも低い水準(割安)にありますが、逆に成長株の株価指標は高くなりがちです。

 

ですので割安株のメリットは、安定的な業績が期待でき株価が割安な水準にあることから、単独での大幅下落の心配が比較的少ない上に、割安状態の是正による株価上昇や配当収入も期待できることにあります。

10倍は上昇しないかもしれないけど、成長株より安定的な投資が目指せるのが利点です。

 

最近では、2023年3月に東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請したことにより、割安株とされる低PBR企業が注目されました。

PBRは株価が割安か割高かを判断するための指標で、PBRが1倍を割り込んでいる企業は、株価が割安に評価されていると考えられます。PBRを上げるためには、配当などで株主への還元を増やしたり、収益性を高めて株価を上げたりする必要があります。

 

デメリットは?

では、それぞれのデメリットについて考えていきましょう。

 

成長株は、企業がまだ成長途中にあることから、将来的な業績拡大期待で株価が大きく上昇する可能性があります。

ただし、会社の利益を設備投資や開発費などに回すことが多く、配当は少ないもしくは無配としている会社もめずらしくありません。

そのため、配当を目的とした投資には向いていません。また、割安株に比べて、株価の値動きも激しく、場合によっては大きく下落してしまうこともあります。

将来への期待で大きく株価が上昇している分、期待外れとなった場合は業績や配当などの裏付けが乏しい分だけ、下落も大きくなるというわけです。

 

割安株は、株価が割安水準にあるため、単独での大幅下落の可能性は少ないかもしれませんが、ダイナミックな業績の向上株価上昇のキッカケも少ないことが考えられます。そのため、割安水準のまま放置され、ジリ安が長く続く可能性もあります。

成長株など他の株はドンドン上がっているのに、割安株は割安のままで上昇の出番が回ってくるまで多くの時間待っていなければいけないこともあります。

また、単に割安というだけでなく、業績が悪化し続けるような場合は、さらに株価も下落してしまう恐れもあるので注意が必要です。

 

金利動向や景気によって物色されることも

さて、最近では、日米の金融政策の行方で株価が大きく変動しています。一般的に、利上げは株価にとってマイナス要因、利下げはプラス要因とされています。とはいえ、どんな相場環境であっても、上がる株はあるものです。

 

たとえば、株価にマイナスインパクトのある金利上昇局面(景気拡大期)では、割安株が人気化する傾向があります。一方、金利低下局面(景気後退期)では、これまでは成長株が物色されてきました。

また、成長株と割安株が順繰りに買われる「循環物色」と呼ばれる局面もあります。

 

ですので、世界経済や日本経済の大きな流れを理解した上で、成長株/割安株を選んだり、組み合わせたりすることが重要です。株式投資で「勝ち組」の仲間入りをするためのヒントとして覚えておいてください。

 

記事作成日:2024年8月15日

公開日:2024.8.19

はじめての資産運用

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