米国株
米国経済のソフトランディング期待が相場を下支え
9月のNYダウは、米国景気の先行きに対する慎重な見方が再燃し、上旬は下落しました。ただ、中旬以降は利下げ期待を背景に持ち直し、NYダウは42,000ドル台の史上最高値を更新しています。
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利が0.5%引き下げられました。米国の利下げは、2020年3月以来、4年半ぶりとなります。
また、年内の残り2会合で、それぞれ0.25%の利下げを想定していることが示されました。次回のFOMCは米国大統領選投票日である11月5日直後の11月6日、7日となります。
10月のNYダウは、米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待を背景に、おおむね堅調な推移が期待できそうです。ただ、4日の米国雇用統計、10日の消費者物価指数(CPI)など重要経済指標の発表前後は、ボラティリティ(変動率)の高い展開となる可能性もあります。
また、10月は米国の投資信託や個人投資家の節税対策の売りや、ヘッジファンドの解約に備えた換金売りが出やすい時期にあたり、例年、株式市場は荒れる展開になりがちです。
一方、米国で新年度がスタートする10月は、11月から年末にかけては上昇するという過去の経験則を踏まえて押し目買い意欲も高まります。月後半からは決算発表も始まり、その業績動向が相場浮沈のカギを握ることになるでしょう。
NYダウとS&P500指数は史上最高値を更新中ですが、ハイテク株中心のナスダック総合指数は7月の最高値18,671.07ポイントに距離を残しており、ナスダック総合指数の動向にも関心が向かいそうです。
参考銘柄:10月に決算発表を控える大手テック企業
10月は、多くの米国企業が第3四半期(7-9月期)の決算を発表します。ここでは、10月に決算発表を行う企業の中から、特に個人投資家に人気の銘柄をご紹介します。
参考銘柄 | 株価(ドル) |
---|---|
テスラ | 254.22 |
ネットフリックス | 711.43 |
アルファベット | 162.73 |
マイクロソフト | 431.31 |
メタ・プラットフォームズ | 567.84 |
※2024年9月26日時点 |
<10月:米国の主要スケジュール>
・10/1:ISM製造業景気指数、購買担当者景気指数(製造業PMI)確報値
・10/3:ISM非製造業景気指数、購買担当者景気指数(非製造業PMI)確報値
・10/4:米国雇用統計
・10/10:FOMC議事録(9月開催分)、消費者物価指数(CPI)
・10/11:生産者物価指数(PPI)
・10/15:ゴールドマン・サックス・グループ<GS>決算発表で決算シーズンスタート
・10/19:ブラックマンデーから37年
・10/24:購買担当者景気指数(製造業および非製造業PMI)速報値、G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
・10/31:個人消費支出(PCE)
日本株
日経平均は為替動向を睨んだ展開に
9月の日経平均株価は、円高ドル安を嫌気して、前半に36,000円台を割り込む場面がありました。日経平均寄与度の高い半導体関連株の下落も影響しました。
しかし、その後は米国株高と円高進行の落ち着きから戻りを試し、9月26日には39,000円台目前まで値を戻しました。なお、9月に行われた日銀金融政策決定会合では、金融政策は現状維持となりました。
10月の日経平均は、為替動向をにらんだ神経質な展開となりそうです。月末に開催される日銀金融政策決定会合に向けて、追加利上げのタイミングと有無が焦点となってきそうです。ただ、特別なネガティブ要因が出現しない限りにおいては、過度な下値不安はないと考えられます。
一方、新規上場銘柄として超大型案件の東京地下鉄(東京メトロ)が23日に東証プライムに新規上場の見込みです。IPO(株式の新規上場)に当たっての市場からの資金吸収額が大きく、全体相場に対しては短期的な需給圧迫要因として働く可能性があります。
加えて、自民党の新総裁選出で、早期の衆議院解散の思惑も台頭し、政治動向が相場の不透明要因として働きます。ただしこちらは、相場のアノマリーとして「選挙は買い」という傾向もあります。
10月の物色面での注目点では、業績相場の到来があります。消費関連を中心とする8月期本決算・2月期第2四半期決算の発表が11日にピーク、15日で一巡するほか、24日のニデック<6594>から3月期決算企業の決算発表が本格化します。ハイテク、輸出型企業の為替の前提条件を見据えた業績予想、半導体関連企業の半導体需要の動向などに関心が集まりそうです。このほか、自民党新総裁の政策に絡んだ物色テーマが浮上する可能性もありそうです。
参考銘柄:半導体企業の決算に注目
9月後半には、米国の半導体大手マイクロン・テクノロジー<MU>の好決算を受けて、日本の半導体関連企業の株価が大きく上昇しました。今後発表される国内の半導体関連企業も好決算となれば、再び半導体関連が相場の上昇をけん引する場面が見られるかもしれません。
参考銘柄 | 株価(円) |
---|---|
ディスコ | 39,250 |
ルネサスエレクトロニクス | 2,121 |
アドバンテスト | 6,900 |
レーザーテック | 24,250 |
SCREENホールディングス | 10,410 |
東京エレクトロン | 25,760 |
※2024年9月26日時点 |
<10月:日本の主要スケジュール>
・10/1:日銀金融政策決定会合の「主な意見」(9月開催分)
・10/4:証券投資の日
・10/8:景気ウォッチャー調査
・10/10:国内企業物価指数
・10/14:日本株市場休場(スポーツの日)
・10/18:全国消費者物価指数
・10/23:東京地下鉄(東京メトロ)が東証プライムに新規上場
・10/24:ニデックが4-9月期決算発表、決算シーズンスタート
・10/25:東京都消費者物価指数
・10/29:10月末権利付き売買最終日
・10/30:日銀金融政策決定会合(31日まで)
・10/31:植田日銀総裁会見、日銀展望レポート
記事作成日:2024年9月27日