今週のNY市場は物価指標と3Q決算発表に注目。先週はダウ平均が0.09%高、S&P500が0.22%高、ナスダック総合が0.10%高と3指数がそろって小幅ながら4週続伸した。9月月末の取引となった週明け30日は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の大幅利下げを好感する流れや、米国経済のソフトランディング期待が続いたことで上昇してスタートしたが、10月入りした火曜日は中東情勢の緊迫化や港湾労働者のストライキを受けた景気悪化懸念でリスク回避が強まり反落した。水曜と木曜日は中東情勢などをにらんでもみ合ったが、週末金曜日に発表された9月雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率が強い結果となったことで景気悪化懸念が後退し、主要3指数がそろって上昇して終了した。ダウ平均は9月30日と週末4日に終値の過去最高値を更新し、S&P500も30日に終値の過去最高値を更新した。
今週は物価指標や発表がスタートする第3四半期決算に注目。先週末の9月雇用統計が強い結果となったことで年内の大幅追加利下げ期待が後退。CMEのフェドウォッチ・ツールの11月FOMCでの0.50%の利下げ確率は先週末の53%から0%に低下し、0.25%の利下げ確率が97%、金利据え置き確率が3%に上昇した。今週は木曜日に9月消費者物価指数 (CPI)、金曜日に9月生産者物価指数 (PPI)と10月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値が発表されるほか、0.50%の利下げが決定された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や米連邦準備理事会(FRB)高官の講演なども多数予定され、CPIなどの経済指標やFOMC議事要旨、要人発言を受けた年内の追加利下げ見通しが焦点となりそうだ。また今週は第3四半期決算発表がスタートする。火曜日のペプシコ、木曜日のドミノ・ピザ、デルタ・エアラインズのほか、金曜日には金融大手のJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなどが発表予定で、決算結果やガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントは9月雇用傾向指数、8月消費者信用残高など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:10月7日、14:00)
【関連記事】
・【株価が動いた理由】任天堂(10月7日)
・【株価が動いた理由】ディスコ(10月7日)
・米国決算シーズン/消費者物価指数、生産者物価指数/中国株休場明け【今週のマーケット展望】
・【株価が動いた理由】アメリカン・エアラインズ・グループ(10月4日)
・【株価が動いた理由】メタ・プラットフォームズ(10月4日)