はじめての資産運用・第20回 こんなときはどんな株が上がる?知っておきたい定番パターン

💡この記事のポイント

✅どういうときに株価は上下するのか?

✅こういう際にはこの業種が上がりやすいという「定番パターン」がある

✅定番パターンの業種や銘柄をご紹介

🔎登場する銘柄

オリエンタルランドトヨタ自動車ニトリホールディングス三菱UFJフィナンシャル・グループ

モデルナズーム・ビデオ・コミュニケーションズショッピファイコカ・コーラ

 

目次

株価はどういうときに上がり、どういうときに下がる?

定番パターンを知っていればチャンス

円安円高や金利で上下する業種は?

災害、コロナ、政権交代、ディフェンシブ株など

はじめての資産運用・第20回 こんなときはどんな株が上がる?知っておきたい定番パターン

株価はどういうときに上がり、どういうときに下がる?

株式投資は、買ったときより株価が上がったタイミングで売ると利益(キャピタルゲイン)が得られます。したがって、できるだけ安く買って高く売るのが理想です。では、そもそも株価はどういうときに上がり、どういうときに下がるのでしょうか? 

 

株式投資はよく人気投票にたとえられます。株価は買う人と売る人のバランスで決まるので、「この株は上がりそうだ」と思って買う人が増えれば、その分、株価は上がりやすくなります。逆に「この株は下がるかも」と思って売る人が増えると、株価は下がっていきます。

 

株価が上がる要因は様々ですが、一番わかりやすいのは「会社が儲かったとき」でしょう。会社の業績が良ければ、その株を買いたいと思う人が増え、株価は上昇します。さらに、会社の利益の分配である配当金インカムゲイン)が多ければ、人気が集まります。最近では、配当金の増額株主優待の新設・充実、アクティビスト(物言う株主)の株保有などが発表された途端、人気を集めて株価が急上昇する場合が多いようです。

  

定番パターンを知っていればチャンス

ただ、いくら業績が良い会社だとしても、みんながそれを知っていて株をどんどん買っていたら、すでに株価がかなり上がってしまっていることも少なくありません。そうなると、そこからさらに株価が上昇して、大きな利益を得るのは難しくなります。

 

風が吹いたら桶屋が儲かる」ということわざがあります。これは風が吹いたことで、巡り巡って桶屋が儲かったという話ですが、もし風が吹いた時点で素早く桶屋の株を買っていたら、その後の株価上昇により、大きな利益を得ることができたかもしれません。株式投資では、このように早めに先を見越して動くことで、利益のチャンスを広げることができます。

 

実際、株式市場ではある事象が起こった際に、特定の業種や会社の株価が大きく動くことも珍しくありません。例えば、2013年に「東京オリンピック2020」開催が決定した際には、首都圏の再開発や競技場建設などを見越して不動産株建設株が急騰しました。また、訪日客増加を見込んだオリエンタルランド<4661>など観光・外食関連のほか、個別のスポンサー企業なども注目を集めました。

 

他にも「こういう際にはこの業種が上がりやすい」という定番パターンがいくつもあります。この定番パターンを沢山知っていれば、何かが起こったときに素早く行動に移してチャンスを得ることが期待できます。

  

円安円高や金利で上下する業種は?

例えば、為替レートの変動も、企業の業績や株価に大きな影響を与えます。円安が進むと自動車や食品など、輸出や海外展開に力を入れている企業にとっては追い風となります。ちなみにトヨタ自動車<7203>では、1円の円安が営業収益を約500億円引き上げると言われています。

 

各企業では業績を予想する際に、あらかじめ取引の想定為替レートを設定しています。その想定を超えるほど円安になった場合には、為替差益が発生して業績が上振れする可能性が高まります。もちろん、想定より円高になった場合は、逆に為替差損が発生して下振れしてしまう可能性もあります。

 

一方、原材料を輸入している製造業や輸入品を扱うニトリホールディングス<9843>などの小売業にとっては、一般的に円高が追い風、円安が逆風になります。したがって、円安なら自動車などの外需株円高なら小売りや外食などの内需株が注目される傾向にあります。

 

さらに、金利の動向も株価に影響を及ぼします。2024年3月に日銀が金融政策を転換し、その後も利上げを実施していますが、これにより銀行の貸し出し金利が上昇し、利ザヤが増えて収益に寄与することが見込まれるため、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などの銀行株軒並み上昇しています。ただし、住宅ローンや借入金の金利も上昇傾向にあるため、それが販売減につながりやすい住宅業界や借り入れの多い企業にとっては、逆に重しになると言われています。

  

災害、コロナ、政権交代、ディフェンシブ株など

大きな災害が起こると、一時的に市場全体の株価は大きく下落することが多いのですが、その中でも特定の業種や会社の株価が動くことがあります。

 

例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、翌週15日に日経平均は1日で10.55%という下落率を記録しました。個別に見ても、原発事故が起こった東京電力ホールディングス<9501>をはじめとする電力関連、工場停止やサプライチェーンの混乱で減産を余儀なくされた自動車や電子部品など製造業の株価は大きく下落しました。

 

しかし、その一方で、復興需要を見越した建設やインフラ関連のほか、防災用品や災害対応の製品を扱う会社の株は買われ、株価が上昇しました。

 

2020年から始まったコロナ禍の際も、ワクチンやマスクの需要増加にあわせてモデルナ<MRNA>など薬品衛生用品関連の株が買われたほか、在宅勤務やリモート会議の普及でズーム・ビデオ・コミュニケーションズ<ZM>、巣ごもり需要拡大の影響でショッピファイ<SHOP>など通販やゲーム関連なども注目を集めました。

 

他にも、政権や政策で買われる業種売られる業種があり、トランプ政権誕生で「トランプ・トレード」が活発化したのは記憶に新しいところです。

 

成長株やハイテク株が売られるときに、高配当株コカ・コーラ<KO>、ウォルマート<WMT>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>など食品や生活必需品などのディフェンシブ株が買われるのも定番パターンです。

 

このように、マーケットには様々なシチュエーションによって買われる株もあれば売られる株もあります。資産運用を長く経験していけば、そういったパターンを身をもって知ることもできます。ニュースを見たら、次に何が買われるのか、いろいろと連想して探してみましょう。

 

 

 

記事作成日:2025年2月21日


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