中国の受注回復傾向!FA関連の日本株6選

💡この記事のポイント

✅FAはロボット、搬送装置、制御機器、センサーなど

✅主戦場の中国からの受注が回復傾向

✅FA関連の日本株6選をご紹介

🔎登場する主な銘柄

三菱電機オムロンキーエンスファナック


目次

中国からの受注が回復傾向

米国の対中関税への警戒感は後退

FA関連の日本株6選

中国の受注回復傾向!FA関連の日本株6選

中国からの受注が回復傾向

FA(ファクトリーオートメーション:工場自動化)関連銘柄とは、工場の生産ラインを自動化するための機器などを、開発・製造・販売している銘柄を指します。具体的な機器としては、ロボット搬送装置制御機器センサーなどが挙げられます。


FA機器の主戦場は、「世界の工場」とされる中国となっており、産業用ロボットなどは世界の約半数が中国で導入されています。そのため、FA関連銘柄は中国関連銘柄としても位置付けられており、業績動向は中国の経済状況に影響を受けやすくなっています。


FA関連銘柄の2025年3月期前期の決算発表においては総じて、中国向けの受注回復が意識される状況になってきています。ファナック<6954>では、2025年1-3月期の中国における受注高が前年同期比34.3%増と伸長、安川電機<6506>も2024年12月-2025年2月期は同11%増と9四半期ぶりの高い増加率となり、SMC<6273>も4月の中華圏受注高が同43%増と急拡大しています。


中国景気の頭打ち状態が続いていた中、2024年以降、FA関連銘柄の株価は相対的に低迷している状況なので、足元での中国受注のポジティブな変化は、株価の反転へと繋がっていく可能性もあるでしょう。


米国の対中関税への警戒感は後退

米国の関税問題では、対中関税の強化はFA機器のユーザーとなる中国企業の設備投資抑制に繋がる可能性もありますが、少なくとも現在は相互に大幅関税発動が「休止」されている状況にあり、過度な警戒感は後退しつつあります。


また、日本企業の米国輸出に関しても、米国で有力な競合企業が少ないと見られるため、製品値上げを行っても影響は限定的と見られます。競合企業となる欧州に対する関税強化は、日本企業にとっての競争優位性を高めることになりそうです。


FA関連の日本株6選

SMC<6273>

自動制御機器事業を手がけるFA関連機器メーカーです。自動制御機器事業では、主力の空気圧機器において世界トップシェアを占めています。豊富な製品ラインアップに加えて、世界各地に半製品をストックする工場を持ち、受注から納入までのリードタイムが短いことが大きな強みとなっています。


2026年3月期今期の営業利益は前期比13%増の2,150億円を見込んでいます。売上高の3割を占める中華圏を中心とした売上数量増加がけん引する予想です。


株価は2024年3月上場来高値93,220円から今年4月21日年初来安値41,700円へ下落。その後5月15日高値57,450円まで反発し、直近は53,000円前後で推移しています。5月高値を超えてもみ合いから抜け出せるかが注目されるところです。


三菱電機<6503>

産業エレクトロニクス大手の一角です。FA関連に強みを持ち、同分野では制御機器レーザー加工機ロボットなどの製品を展開しています。自動車部品、パワー半導体、エアコンなども扱っているほか、防衛関連の一角としても注目されている銘柄です。


FAシステム事業の中国向け売上高は、およそ26%程度と推定されます。決算と同時に、同社としては過去最大規模となる上限1,000億円の自社株買いの実施を発表しています。また、思い切った事業の再編も計画しています。


株価は2023年1月安値1,273円から上昇傾向で、今年3月17日高値3,052円まで上昇。4月7日年初来安値2,267円まで下落後は反発し、5月28日上場来高値3,124円まで上昇。その後は調整し、およそ2,900~3,000円程度で推移しています。好調が継続しているだけに押し目を狙いたくなる銘柄です。


安川電機<6506>

主力製品では、世界シェアトップのACサーボモータのほか、インバータ産業用ロボットなども世界的に高いシェアを占めています。FA関連の中国向け売上高は、サーボモータやインバータなどのモーション部門の20%、ロボット部門の26%を占めます。


2026年2月期今期営業利益は前期比20%増の600億円になる見通しとしていますが、予想に織り込まれていない米国関税の影響は70~80億円程度と推定されているようです。


株価は2024年3月上場来高値6,877円から今年4月22日年初来安値2,582円へ下落。その後5月13日高値3,559円まで反発も、もみ合いから直近は3,000円台まで下落しています。6月に入り弱い動きが続いているだけに、反転の兆しを見せるかが注目されます。


オムロン<6645>

FAシステムなどの制御機器事業、血圧計や体温計などを手がけるヘルスケア事業、鉄道・道路交通向けなどの社会システム事業が主力です。FAシステムは、モノを計測するセンサーの技術が強みとなっています。中華圏の売上高は約20%程度と推定されています。


2026年3月期今期営業利益は前期比4%増の560億円~同20%増の650億円の予想です。制御機器は生成AI(人工知能)や中国EV(電気自動車)向けの堅調推移を見込んでいます。


株価は2021年12月上場来高値12,115円から下値を切り下げる流れが続き、今年6月6日年初来安値3,614円まで売られています。今期の大幅増益予想にもかかわらず、全体相場と比べてかなり出遅れている銘柄だけに、反転のきっかけが欲しいところです。


キーエンス<6861>

FA用センサーをはじめとするセンサー、測定器、画像処理機器、制御・計測機器などを手がけています。顧客に密着したコンサルティングセールスに強みを持つほか、生産を外部に委託するファブレス経営、メーカー直販の営業体制を敷いており、営業利益率が約52%と高いことが特徴です。


海外比率は65%まで高まっていますが、80%強のSMCファナックと比べると、依然として拡大余地は高いでしょう。株価が高いので株式分割の発表があれば好材料となり得そうです。


株価は2024年7月上場来高値77,400円から今年4月7日年初来安値49,780円へ下落。その後5月20日高値64,900円まで反発も、6月6日安値57,660円まで下落しています。


ファナック<6954>

工作機械に搭載されるCNC(コンピューター数値制御)装置で世界トップシェアを占めます。また、ロボット事業や、スマホ加工用で利用されるロボドリルなどの事業も手がけています。全量を国内生産していることが特徴です。


中国向け構成比はFAが37%、ロボットが23%、ロボドリルなどが31%です。2026年3月期今期の業績・配当予想は未定としています。自社株買いの発表、純利益に対する配当金の割合である配当性向60%方針など、株主還元姿勢は強化されてきています。


株価は2023年6月高値5,334円以降は、およそ3,600~4,700円程度でもみ合っていましたが、今年1月27日年初来高値4,847円から4月9日年初来安値3,038円へ下落。それまでのもみ合いのレンジを上下共に抜きました。直近は3,800円前後で推移しています。



記事作成日:2025年6月9日


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